10億円でもすでに完売!? 10台限定ブガッティ「チェントディエチ」プロト完成! 一体どんな車?

写真拡大 (全3枚)

名車「EB110」を現代的に解釈

 2019年8月、アメリカのカリフォルニア州で開催されたクラッシックカー・イベント、「クエイル・モータースポーツ・ギャザリング」で、ブガッティがワールドプレミアした1台のプロトタイプは、ブガッティというブランドの歴史を改めて呼び起こしてくれるユニークで、かつ特別なモデルだった。

「EB110」の特徴的だったヘッドライトを、現代的に解釈した「チェントディエチ」

 イタリア、カンポガリアーノの地に本社を置いたセカンド・ジェネレーションともいうべきブガッティ・アウトモビリ。VWグループにある現在のブガッティから見れば、消し去ってしまいたい過去と考えるのも不自然ではないが、彼らはこのプロトタイプ「チェントディエチ(110)」によって、途中の空白はあるにせよ、その歴史を確かに結んでみせた。

【画像】10億円オーバーの「チェントエディチ」の中身とは?(15枚)

 現在、生産化に向けての開発が続くチェントディエチは、セカンド・ジェネレーションのブガッティが生産した「EB110」シリーズへのオマージュとして、10台のみが生産される計画となっている。

 デザイン・ディレクターのアヒム・アンシャイトは、次のようにコメントしている。

「われわれのもっとも重要な課題は、伝統的なEB110自体のデザインに影響されすぎず、それにアプローチすることだけに集中しないことでした。

 1990年代当時の造形と現代の技術による解釈を作成することがまずわれわれの目的でありました。もちろんわれわれはEB110の魅力とキャラクターを失うことはしたくはなかった。独特のデザインと技術で生み出されるスーパーカーの美しさには時間の流れはないのです。

 最大の課題は、EB110のきわめてフラットでクサビ型の、グラフィックとしては2次元ともいえるボディを、現代風の立体的な彫刻へと置き換えることでした」

すでに完売した10億円オーバーの「チェントディエチ」

 ブガッティのワンオフモデル、あるいは少数生産モデルのプロジェクトをオーガナイズするテクニカルプロジェクトマネージャー、アンドレ・クリグは、チェントディエチのデザインの難しさに加えて、このプロジェクトで困難だったことを明かしてくれた。

「チェントディエチ」は10台限定、およそ10億円のプライスとなる

「新開発されるすべてのチェントディエチは、通常のプロダクションモデルと同様の品質と安全基準を満たし、かつそれを超える必要さえありました。

 エンジニアはエアロダイナミクスをはじめ、エンジン、トランスミッション等々の設計を掘り下げていき、すべてのコンポーネントを最小の部品に至るまでチェックします。

 一方デザインチームは、あらゆる条件の光の下で、外観が均質になるようコンポーネントの曲率等をチェックします。この精巧なプロセスのためにわれわれは1年以上の時間をかけてプロトタイプを完成させているのです。それも、わずか10台限定生産モデルの計画であるにもかかわらず、です」

 チェントディエチのエンジニアリング・チームは最近、モルスハイム・アトリエ(ブガッティでは工場のことをアトリエと呼ぶ)のローラーダイナモメーターでローリングシャシを稼働させ、すべてのドライブトレイン機能のチェックをおこなった。

 そこでようやくチェントディエチが、生産化に向けて次のステップに進むことができることを確認したという。リアミッドに搭載されるエンジンは、1600psの最高出力を誇る8リッターW型16気筒+4ターボ。

 リアピラーにレイアウトされる左右各々5個ずつの円形エアインテークは、もちろんEB110をイメージさせるものだが、もちろんその周りに配置されるガイドフラップなど、すべてのデザインには機能が与えられているのが特徴だ。

 チェントディエチの10台はすべて納車先が決まっているという。つまり、新車で購入する個はもはや不可能であるので、いまさら何の参考にもならないが、その新車価格は800万ユーロ(邦貨換算約10億2000万円)。

 ブガッティではこれから風洞実験や、最終的な走行テストなどをおこなう予定だ。新たな究極のハイパーカー、チェントディエチ、その誕生が実に楽しみだ。