Amazonが、検索・分析エンジンの「Elasticsearch」、およびElasticsearchと連携してデータ解析を行う「Kibana」について、オープンソースで今後も利用し続けられるように、Apache License Version 2.0ライセンス版をフォークすることを決定しました。

Stepping up for a truly open source Elasticsearch | AWS Open Source Blog

https://aws.amazon.com/jp/blogs/opensource/stepping-up-for-a-truly-open-source-elasticsearch/



Elastic 社による Elasticsearch および Kibana のライセンス変更にともなう AWS の対応方針のご案内 | Amazon Web Services ブログ

https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/aws-policy-for-elasticsearch-licence-change/

ElasticsearchとKibanaはElasticの開発したサービスで、フリーソフトウェア向けライセンスとして知られるApache License 2.0(ALv2)で提供されてきました。

Amazonはこのライセンスにのっとる形で「Elasticsearchを大規模かつ簡単でコスト効率の良い方法を使用してデプロイ、保護、実行する完全マネージド型サービス」として「Amazon Elasticsearch Service(Amazon ES)」の提供を開始。さらに、2019年にはネットワーク暗号化、アクセス制御サポートなど、Elasticsearchのユーザーや開発者が必要とする機能をほとんど提供するディストリビューションであるという「Open Distro for Elasticsearch」の提供を開始しました。

しかし、Amazon ESにおいてAmazon側が表現した「Elasticとのパートナーシップ」は存在しないとElasticは反論し、商標違反であると主張。2019年に訴訟を起こした上で、2021年にライセンスそのものを「Server Side Public License(SSPL)」と「Elatic License」のデュアルライセンスへと変更しました。

オープンソースの著作権を巡るElasticとAmazonとの闘い - GIGAZINE



今回のAmazonの決定は、このライセンス変更を受けてのもの。Amazonは、「もはやElasticsearchとKibanaはオープンソースソフトウェアではない」ため「今後もオープンソース版を利用し続けることができるよう」にソフトウェアのフォークを決定したと説明しています。

ベースとなるのはElasticsearchとKibanaのバージョン7.10で、いずれはOpen Distro for Elasticsearchに含まれるElastic製のコード部分をすべて置き換えることになるとのこと。

また、Amazon ESユーザーに対しては、一切の悪影響があるものではなく、むしろ新たなフォークによって新機能追加・修正・機能強化が行われることを約束すると説明しています。

なお、Elasticのライセンス変更に対して、Amazonは「SSPLはオープンソースライセンスに見えるよう設計された非オープンソースライセンス」であり、Elasticの「自由でオープン」という表現は誤解を招くと指摘。SSPLを「無料」で「オープンソース」のライセンスであるとみなすのは、フリー・オープンソース・ソフトウェア(FOSS)エコシステムのすべてのライセンスに影を落とすことになると主張しています。