白色の破線と実線の違いは道路幅で決まっている

 破線と実線、白色と黄色、さらには白色の二重線や、白と黄色の二重線など、様々な組み合わせがあってややこしいセンターライン。それぞれ、何がどう違うのかと問われると、自信のない人も多いと思われるので、ここで再度確認しておこう。

 まずセンターラインの白線。センターラインの白線には、破線と実線の二種類があり、白色の破線は、センターラインの右側へはみ出して通行してもOK。前走車を追い越したり、バス停で止まった路線バスなど、駐車車両を避けるためにはみ出すことが許される。

 一方、白色の実線はセンターラインの右側へはみ出しての通行するのは原則禁止。この白色の破線と実線の違いは、道路幅で決まる。

 具体的には、道路の片側の幅が6m未満の道では、白色の破線になり、6m以上の道では、実線が採用され、白色の実線の道であっても、はみ出さなければ追い越しも可能(現実的には、オートバイかよほど小さいクルマ以外、はみ出さずに追い越すのは難しい……)。

 また、例外的に片側の道路の幅が6m未満の道路に白色の実線が引かれている場合は、道路の右側部分を見とおすことができ、反対方向からの交通を妨げるおそれのないときで、左側部分の道幅がその車両の通行のため十分でないときは、右側にはみ出しての追い越しが可能とされる(「はみ出し禁止」でない場所)。

黄色の実線は追い越しのために右側へはみ出すのはNG!

 黄色の実線のセンターラインはもう少しシンプルで、追い越しのために右側へはみ出して通行するのは違反。ただし、駐車車両や工事現場を避ける場合は「追い越し」にはあたらないので、黄色いラインを越えても問題ない。

 そして、黄色のセンターラインも白色の実線と同じように、センターラインをはみ出さなければ追い越し可能! なお、黄色のセンターラインは実線だけで、破線タイプのものはない。

 まれに、白色の破線と黄色の実線が平行に引かれる二重線のセンターラインがあるが、この場合、白色の破線側のクルマは、追い越しのために車線をはみ出し、追い抜き後に元の車線に戻ることが許されるが、黄色の実線側のクルマは、追い越しのためのはみ出しはNG。

 もうひとつ、白色の実線を中心に、二本の黄色の実線が挟む形の三重線のセンターラインの場合は「追い越しのためのはみ出し禁止」で、反対車線にはみ出すのがとくに危険な道路だということを意味している。

 白色の実線の二重ラインも注意を促すための表示方法で、意味そのものは白色の実線と変わりはない。

 また、センターラインではなく、片側二車線以上の道路で走行レーンを区切っている車両通行帯のラインにも、センターラインと同じように白色の破線、白色の実線、黄色の実線の3種類がある。

 車両通行帯のラインのそれぞれの意味は、

 白色の破線:車線変更可・追い越し可

 白色の実線:車線変更可・追い越し可

 黄色の実線:車線変更禁止

 となっている。

 車両通行帯の場合、白色の破線と白色の実線の意味は同じというのがミソ!? 材料費で考えれば破線の方がお得だが、手間は実線のほうが楽かも……???

 なお、白色の車両通行帯でも優先道路を除く交差点、踏切、横断歩道や自転車横断帯と、その手前の30メートル以内は追い越し禁止。道路の曲がり角の近く、上り坂の頂上付近、勾配の急な下り坂も追い越し禁止なので気をつけよう。