源泉かけ流しの野沢温泉で集印めぐり&13湯の外湯めぐり!岡本太郎のタオルがもらえる?

写真拡大 (全22枚)

三度の飯より温泉が大好き!! 温泉家の北出恭子です。これまでに国内外1,600カ所以上の温泉に入湯してきました。温泉には、私たちを癒すたくさんの魅力とパワーがあります。そんな温泉に魅了されて以来、その素晴らしさを伝えたくて、日夜温泉の探究と発信をし続けています。

さて、今回訪れたのは長野県にある野沢温泉。開湯約1,000年以上の歴史があり、秋保温泉や別所温泉と並んで「三御湯」の一つに数えられている名湯です。野沢温泉には現在30余りの源泉がありますが、すべて、人の手を加えずに自然に湧きだす希少な「自然湧出泉」。しかも、源泉かけ流し100%で堪能できる外湯が13カ所もあるのです。そんな野沢温泉で、温泉街を散策しながら、外湯も満喫できる「集印めぐり」を楽しんできました。

東京駅

北陸新幹線で東京駅から飯山駅まで一本!

野沢温泉へのアクセスは、まず、JR東京駅から北陸新幹線でJR飯山駅を目指します。野沢温泉行きの直通バスが出ている飯山駅までは、新幹線一本で行けるのでとっても快適! 北陸新幹線「はくたか」に乗れば、1時間50分ほどで飯山駅に到着です。

飯山駅で、野沢温泉街までの直通バス「野沢温泉ライナー」に乗り換えます。野沢温泉ライナーは、千曲川口(正面口)を出て左側にある券売機でチケットを購入して、4番乗り場から乗車します。事前予約は不要で、片道600円(税込)です。基本的には、新幹線との接続に合わせてバスに乗り継ぎできますが、時間帯によってはそうでない場合もあるので、あらかじめバスの時刻表を調べておきましょう。

飯山駅

野沢温泉といえば「集印めぐり」!

野沢温泉ライナーに揺られて約25分。あっという間に野沢温泉(中央ターミナル)へ到着! まずは、情報と集印帳をゲットすべく、中央ターミナルから徒歩1分ほどの野沢温泉観光案内所へ。

「集印めぐり」は、集印帳を片手に楽しく街歩きをしながら野沢温泉の文化や歴史を知ることができるのが魅力。13カ所ある外湯めぐりを中心に名所・旧跡など全部で27の集印所があり、普通紙とカーボン紙が対になった集印紙を集印台に当て、すりこぎ棒でゴリゴリと擦ると、版画のように絵が浮び上がります。

そして……なんと! 10個以上の集印をすると、野沢温泉オリジナルの記念品の岡本太郎「湯タオル」がもらえちゃいます。岡本太郎氏は野沢温泉とゆかりの深い芸術家。集印帳は、一冊462円(税込)です。

初めてチャレンジする人は、27の集印所を把握し効率的なコース設定をするためにも「野沢温泉施設マップ」を貰うのを忘れずに。マップに事前に印をつけておくと、巡るときに便利ですよ。

野沢温泉観光案内所の入口にも集印所があり、後半の予備ページでまずは試し刷りを。動かないようにしっかりと固定して刷っていくのがポイントです。

準備ができたら、「集印めぐり」スタート!! まずは、観光案内所のすぐ隣にある「シュナイダー広場」へ。その後、徒歩1分ほどにある「横落(よこち)の湯」でも集めましょう。13カ所の外湯は住民の方々のご厚意ですべて無料ですが、お賽銭箱があるので少しだけでも心付けを。ちなみに、この「集印めぐり」は、温泉に入らなくても集印できます。

熊の手洗湯

初心者におすすめ!「熊の手洗湯」

続いては、集印スポットが集中している温泉街北側がおすすめ。まずは、横落の湯から徒歩4分ほど、「熊の手洗湯(くまのてあらゆ)」を目指します。熊の手洗湯は、ケガをした熊が傷を癒したといわれることから、皮膚トラブルに良いとされています。野沢温泉の外湯は、湯の温度が高いのですが、こちらの源泉は43℃と、その中でも低く、初心者でも入りやすいです。

湯船が2つに分かれており、ぬる湯が「熊の手洗湯」源泉で、あつ湯は「熊の手洗湯」源泉と「麻釜(あさがま)」源泉のブレンドです。ぬる湯は、pH8.9のアルカリ性単純硫黄泉で、柔らかいシルクのような心地良い湯ざわりです。ベビーベッドも備えてあるので、赤ちゃん連れでも大丈夫。徒歩2分ほどの場所には「上寺湯(かみてらゆ)」もあるので、忘れずに集印をしましょう。

真湯

川底から湧き出す白濁硫黄泉「真湯」

続いては、上寺湯から徒歩で4分ほど、川底から湧きだす源泉の「真湯(しんゆ)」へ。小ぶりな浴槽にザバザバと湯量豊富なかけ流し。たくさんの湯の花が舞う白濁した湯で、温泉らしさを感じる湯です。pH8.5のアルカリ性単純硫黄泉で、刺激はマイルド。皮脂をとってサラッとした肌にしてくれます。地元の方がいつも湯船の壁に花を生けてくれているそうで、とても癒されます。

続いて、真湯から徒歩4分ほどの「麻釜(あさがま)の湯」で集印したら、徒歩約3分、野沢温泉の台所といわれる「麻釜(おがま)」へ。その道中には、「ふるさとの湯」と「唱歌『朧月夜』の歌碑(ふるさとの湯入口」の集印所があります。

麻釜では、100℃近い温泉が湧き出しており、地元の方が野菜や山菜、卵などを茹でたりしています。(地元の方のみ利用できます)

麻釜には、「麻釜」と「野沢温泉小唄記念碑」の2つの集印所があるので、一気にゲット。ここまで1日で10個も集印できました。今日は、麻釜近くに宿泊して、明日も残りの集印を集めます。

滝の湯

エメラルドグリーン色が美しい「滝の湯」

さて、翌朝は麻釜から徒歩約3分、「滝の湯」からスタート。滝の湯は外湯の中でも一番高いところにあるため、急な登り坂を少しだけ上ります。浴舎は木造の湯屋建築でこぢんまりしています。

美しいエメラルドグリーンの湯色で、黒い湯の花がたくさん舞っています。泉質は、pH7.9の含硫黄‐ナトリウム‐硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉。約78℃の源泉が豪快にザバザバとかけ流されています。硫黄成分がたっぷりで、ツルツル感としっとり感があるバランスの良い美肌の湯です。

大湯

野沢温泉のシンボル「大湯」

ラストスパートに滝の湯から徒歩6分ほど、野沢温泉のシンボルともいえる「大湯」へ。江戸時代の趣きを今に伝える立派な湯屋建築です。

今回は、雪が積もっていたので残念ながら断念しましたが、大湯の周辺には、「湯沢神社」「薬王山健命寺」「温泉薬師堂」「野沢菜発祥の碑」「あけび細工はとぐるま」「河原湯」と6カ所の集印所があるので、効率良く集めたい人におすすめのエリアです。

湯気がこもらないように天井に穴を開ける「湯気抜き」がとても高い場所にあるため開放的で、湯船は、あつ湯とぬる湯に分かれていますが、ぬる湯でも熱い!! でも、ここまできたら何とか入りたい! という方へ入浴ポイント。かけ湯を10回以上しましょう。かけ湯は、体の汚れを落とすマナーというだけではなく、湯に体をならす準備運動にもなります。しっかりとかけ湯をしたらまずは足湯を。膝までつかることができたら肩までゆっくりとつかってみましょう。それでもどうしても熱くて入れないという人は、水道水で加水するのもOKなので、入れる温度に調節をしたらすぐに水は止めましょう。

大湯は外湯の中でも一番歴史が古く、浴舎の裏からこんこんと絶えず自然湧出しています。湯は、さすが大湯という存在感。ツルツルだけではなくトロトロとした濃厚感がある湯ざわりです。

外湯はすべて住民の方々が「湯仲間」という制度を作り、管理維持されているとても大切なもの。人の家のお風呂をご厚意で借りて入らせていただいているという気持ちを持って利用しましょう。

温泉街には色々なお店がありますが、大湯から徒歩約3分、とても品揃えのよい「富屋酒店」に立ち寄りました。飯山で人気の奥信濃の地酒「水尾」の「特別純米酒 金紋錦 生酒 720ml(税込1,595円)」をお土産に購入。

さて、再び野沢温泉観光案内所に立ち寄り、10個以上の集印を申請し、「湯タオル」をもらいました!! 赤と青から好きな色を選べ、集印帳は記念にもらえるのも嬉しいです。

野沢温泉を満喫したところで、野沢温泉(中央ターミナル)からバス・野沢温泉ライナーに乗って飯山駅へ。

Cafe ELK

飯山駅から徒歩一分!「Cafe ELK」

新幹線で帰京する前におすすめの立ち寄りスポットが「Cafe ELK」。飯山駅南口を出て左に進み一つ目の角を曲がってたったの徒歩1分。2019年9月にオープンしたばかりの可愛いらしいカフェです。看板メニューは「飯山スフレ」で、オーダーを受けてから焼き上げるため提供まで20分ほどかかります。

スフレはあっという間にしぼんでしまうので、出てきたらすぐに写真を! 焼き立てで温かく、ふわっふわでしっとりなめらかな口当たり。カカオパウダーを贅沢に使った「大人カフェモカ」はビターで香り高く、スフレとの相性ピッタリ! 

東京駅からもアクセスがよく、集印帳を片手に街歩きが楽しい「野沢温泉」。全国でも希少な自然湧出泉を無料で堪能できるなんて、まさに温泉好きの聖地です! 13カ所の外湯はそれぞれに個性が異なり、湯めぐりがとっても楽しい! 集印しながらパーフェクトを目指してみてはいかがでしょう?

編集部注:野沢温泉の外湯における写真撮影は禁止です。今回は、野沢温泉観光協会さんのご許可をいただき、特別に撮影しています。

東京駅

掲載情報は2020年3月25日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。