黄色い肌を持つ1歳児(画像は『UNILAD 2020年3月10日付「Devon Toddler With Rare Condition Is ‘Always Smiling’ Despite People’s Nasty Comments」(Caters News)』のスクリーンショット)

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約10万人に1人という珍しい難病「アラジール症候群」を患う1歳児を持つ両親が、英メディア『Mirror』『Metro』などのインタビューに応じ「この病気についてもっと多くの人に知ってもらいたい」と訴えた。

英デヴォン州エクセターに住むジェマ・チャニングさん(25)とロイド・ウェブさん(27)の息子ローガン・ウェブ君(Logan Webb、1)は、主に肝臓・心血管・眼球・顔貌・骨格に関わる先天性の難病「アラジール症候群」を抱えている。認知度が低くなかなか診断がつかないことも多いが、乳幼児から胆汁うっ滞による痒みや黄疸がみられ、重症度も個人によって様々だという。

2018年12月生まれのローガン君は1歳3か月になるが、身体は生後6か月の赤ちゃんほどの大きさしかなく、誕生後はほとんどの時間を病院で過ごしてきた。ローガン君の場合は心臓と肝臓に障がいがあり、皮膚の色は胆汁の流れが阻害されているために黄色く、一日に10種類の薬を飲んでいる。また椎骨にも異常があり常に身体が痛むほか、身体が痒いため皮膚を血が出るほどかきむしってしまうこともあるようだ。

両親は外出するたびに「なんの病気なの?」「ちゃんとケアしているの?」「黄疸が出ているから、すぐに医者に見せるべき」と声をかけられるそうで、皮膚の色からローガン君を映画『シュレック』に登場する黄緑色の怪物“シュレック”や、『ミニオンズ』の黄色い生き物“ミニオン”、映画『グリンチ』の緑色の主人公“グリンチ”などと呼ぶ人もいるのだという。

ジェマさんはスーパーに買い物に行ったある日の出来事について、こう振り返った。

「ローガンを連れてスーパーで食料を買い、車に乗って走り去ろうとした時でした。見知らぬ女性が車の窓ガラスを叩いて、私たちを呼び止めたのです。その女性は駐車場にいるローガンを見て勝手に救急車を呼び、私たちにすぐに病院に行くように告げました。私はローガンが治療中であることを説明しましたが、女性は『この子が私の息子だったら今すぐ病院に連れて行くわ』の一点張りでした。駆けつけた救急隊員は状況を飲み込んでくれましたが、外出するたびに息子のことで質問されたり、心無いことを言われるのです。ある程度なら我慢はできますが、外出することが楽しくなくなり、親として心が痛みます。」

ジェマさんはさらに、ローガン君の誕生後「長くは生きられない」と医師に死の宣告を受けたことを明かし、クラウドファンディングサイト『GoFundMe』に次のように綴っている。

「ローガンは心臓手術と肝臓移植をしなければ長く生きることはできません。でもイギリスでは手術はできないと言われ、アラジール症候群の専門家がいる米カリフォルニア州で手術を受けることになっています。私は毎日、『もしかしたら、今日が最期の日になるんじゃないか』と不安になるのです。」

「ただローガンはどんなにつらい時でも、私たちに希望を与えてくれるのです。あの子は痛みや痒みと闘っていても、声を出して笑って、精いっぱい生きています。ローガンの笑顔はまわりのみんなを幸せにしてくれる力を持っています。私は生きるために闘っているあの子のそばに寄り添い、しっかりと支えてあげたいと思っています。ローガンがどれだけ長く生きられるのかはわかりませんが、普通の子供たちと同じような生活ができるようになることを願っています。」

アラジール症候群については解明されていない点が多々あり、認知度も低い。ジェマさんは「ローガンの笑顔をみて欲しい。そしてもっと多くの人に病気のことを知ってもらえれば」と語っている。

画像は『UNILAD 2020年3月10日付「Devon Toddler With Rare Condition Is ‘Always Smiling’ Despite People’s Nasty Comments」(Caters News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)