by SpaceX

SpaceXのイーロン・マスクCEOは、自立した都市を火星に建造するためには約1000隻のスターシップが必要となり、およそ20年かかる見込みだと述べました。また、マスクCEOはスターシップの1回当たりの打ち上げコストや、打ち上げ施設についての構想も明らかにしています。

Elon Musk says building the first sustainable city on Mars will take 1,000 Starships and 20 years | TechCrunch

https://techcrunch.com/2019/11/07/elon-musk-says-building-the-first-sustainable-city-on-mars-will-take-1000-starships-and-20-years/

Elon Musk plans floating 'spaceports' 20 miles out to sea for launching SpaceX's Starship rockets | Daily Mail Online

https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-7660371/Elon-Musk-plans-floating-spaceports-20-miles-sea-launching-SpaceXs-Starship-rockets.html

SpaceXが開発した再利用可能な宇宙船「スターシップ」については、以下の記事を読むとよくわかります。

100人以上を月や火星まで運ぶことを目指すSpaceXの新型宇宙船「スターシップ」はどんなロケットなのか? - GIGAZINE



アメリカのカリフォルニア州で行われたアメリカ空軍のイベントで、マスクCEOは「スターシップは燃料費が90万ドル(約9800万円)、さらに運用コストを考慮すると1回の打ち上げ費用はおよそ200万ドル(約2億1800万円)になる」と明らかにしました。日本の使い捨て型打ち上げロケットのH-IIAは1回の打ち上げにおよそ100億円かかることを考えると、スターシップのコストは従来のロケットよりもはるかに安いと考えられます。

マスクCEOによれば、スターシップは1日に最大3回打ち上げることが可能だとのこと。つまり、スターシップは1年におよそ1000回打ち上げることができ、1年間で1000万トン以上の人や物資を宇宙に送り出すことが可能になります。しかし、それでも火星での都市建設が20年もかかってしまう理由として、地球から火星へ宇宙船を打ち上げるのに適した惑星配列が2年に1回しか訪れないからだとマスクCEOは述べています。



by Official SpaceX Photos

スターシップのロケットエンジンである「ラプター」の生産については、SpaceXは2020年までには1日あたりおよそ1基を生産できるラインを準備しているとのこと。SpaceXによれば生産されるラプターは1基につき300トンの推進力をもつように強化されているとのことで、これが実現すれば重量当たりの打ち上げコストは予定よりもさらに低くなると考えられます。

スターシップの打ち上げにはコストだけではなく、騒音問題もつきまといます。スターシップは月や火星への輸送だけではなく、地球上の超高速輸送にも利用することが想定されており、アメリカからアラブ首長国連邦までわずか90分で移動することが可能です。しかし、1日に3度も打ち上げるとなると、騒音や振動による環境被害が懸念されるため、都市近郊での打ち上げは現実的ではありません。マスクCEOは、20マイル(約32km)の沖合に商業宇宙港を建設することを考えていると述べています。



なお、NASAは2024年までに月面着陸を、2033年までに火星への有人探査を行うと目標を定めています。火星に都市を建設するためにはスタッフを現地に派遣する必要があるため、記事作成時点では自立した都市が火星に建造されるのは早くても2050年以降になるといえます。