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日本弁護士連合会(日弁連)は10月23日、定例記者会見を開き、警察庁神奈川県警察本部に対して、憲法や自由権規約に違反するような手錠の運用をやめるよう勧告したことを明らかにした。勧告書は10月21日付。

また、刑事法廷内における入退廷時の手錠・腰縄の使用に関する意見書を提出したこともあわせて発表した。意見書は最高裁判所、法務省と警察庁に提出された。

●両手に手錠を施されたままでの食事

高木小太郎弁護士(日弁連・人権救済調査室嘱託)によると、神奈川県警に逮捕・勾留された被留置者が申立人となり、憲法や自由権規約違反を理由として2016年に人権救済申立てをしていた。

具体的には、横浜地検の同行室(=待機所)内で、両手に手錠をかけられたままで食事をとらされていたという。

日弁連が神奈川県警本部に照会したところ、横浜地検の同行室内では、こうした食事のとらせ方が一般的であるとの回答を得たという。

日弁連は、食事時に一律に両手錠を施したままにする運用は「品位を傷つける取扱い」にあたり、著しく人権を侵害していると批判。警察庁にほかにも同様のケースがないか調査も求めている。

●手錠・腰縄をされた姿を法廷内でさらされる「日常」への疑義

日弁連は、刑事法廷で被疑者・被告人に対して、一律に手錠・腰縄を使うことも問題視している。

この問題をめぐって、一石を投じる判決があった。大阪地裁で2019年5月27日にあった判決で、「法廷において傍聴人に手錠等を施された姿を見られたくないとの被告人の利益ないし期待についても法的な保護に値する」と判示されたのだ。

太田健義弁護士(日弁連・人権擁護委員会手錠・腰縄問題プロジェクトチーム)によると、この大阪地裁判決後、被告人が入廷する出入り口にパーテーションを設置し、傍聴人などから見られない状態で、被告人の解錠および施錠が行われた事例があるという。

また、被告人の解錠を行った後で、傍聴人を入廷させる運用をしている場合もあるという。

日弁連は、個別・具体的根拠に基づき逃亡などの現実的なおそれがあると認められる例外的な事情のない限り、入廷前の解錠および退廷後の解錠を原則とすべきとし、そのための具体的な方策などを速やか検討することなどを求めている。