手軽にできる副業として注目を集めている「Uber Eats」の配達員だが、事故を起こした際の対応など、トラブルも起きている(画像はイメージです。以下同)

写真拡大

 いま全国に拡大中のサービス「Uber Eats」。利用者はスマートフォンひとつあればいつでも好きなメニューを飲食店に注文することが可能だ。しかし、Uber Eatsから仕事を請け負う配達人をめぐって、さまざまなトラブルが起きている。スキマ時間を活用して手軽にできる副業として注目を集めているが、事故を起こした際の対応など問題は山積みだ。海外の似たようなサービスでは、デモが発生したケースも……。

◆Uber Eatsの配達員は、ノルマのない手軽な副業

 まず、Uber Eatsの仕組みを簡単に解説しよう。Uberは元来、ライドシェアサービスを運営する会社である。これはスマホでどこにでも移動用車両を呼び出せるサービスだが、そのドライバーは個別にUberと契約している。利用者がUberのアプリでリクエストを送信したら、その近隣にいるドライバーに情報が届く仕組みだ。実際にリクエストを受けるか否かは、ドライバーの都合に任せられる。

 この仕組みは、そのまま飲食店の配達事業にも適用できる。輸送手段が自動車ではなく自転車であっても、食事を運ぶ分には問題ない。配達員は移動距離に応じた報酬を後日受け取る。配達ノルマは存在せず、自分が請け負った分を済ませれば誰にも叱責されることはない。スキマ時間を活用できる副業と考えれば、これほど割のいい仕事もないだろう。

◆事故に遭っても自己責任

 だが、最近ではこのUber Eatsの配達員にまつわるトラブルも発生している。たとえば、交通違反や事故を起こすなど“運転マナー”が問題視されつつある。

 中には、ながらスマホの配達員が路上の人とぶつかったケースもあるそうだ。また、転倒するなどの単独事故を起こしてしまうこともあるだろう。

 しかし、SNSではこれらのトラブルが起きた際の運営側の対応に不満の声も見られる。たとえば、事故に遭った配達員に対して届いたメールは「アカウントの永久停止」。すなわち契約解除をチラつかせるものだったという。負傷しているにもかかわらず、である。

 ここで焦点になるのは「労災の適用」である。だが、Uber Eatsの配達員はUberと雇用契約を結んでいるわけではない。あくまでも個人事業主という立場だ。従って、労災というものは存在しない。平たく言えば「自己責任」の世界である。

◆海外では重要な「働き口」に

 Uberを始めとするライドシェアサービスのオペレーションの仕組みは、国内の地方間格差が激しい新興国では大いに受け入れられている。

 日本でも30〜40年ほど前までは農村部から都市部への出稼ぎ労働者が多かった。中国や東南アジア諸国では今でも「国内出稼ぎ」が珍しくなく、バカンスシーズンになると旅客機や鉄道は規制の出稼ぎ労働者で埋まってしまうほどだ。農繁期には故郷へ帰って収穫を手伝い、農閑期に都市部へ出るという人も多い。だが、都会にやって来たからといってすぐに職を得られるわけではない。最悪、出稼ぎ労働者同士で数限りある雇用を奪い取る事態にまで発展する。

 そこでライドシェアサービスと、そこから派生した飲食デリバリーサービスの出番である。自動車があれば一番いいが、とりあえず原付か自転車さえ用意できれば誰でもライドシェアサービスのスタッフとして働くことができる。しかも農村部からやって来たばかりで、その都市の地理に通じていない者でもGoogle Mapとの連携機能を使えば正しい道順通りに仕事を完遂できる。

 出稼ぎ労働者に働き口を与えることができるという点では、ライドシェアサービスは非常にありがたいものだ。ところが、ライドシェアサービスとの契約は「雇用」ではない。先述のように、ドライバーや配達員はあくまでも「下請け」で仕事を請け負っているに過ぎないのだ。