陸上の桐生選手が着用、「東レ×アシックス」が生んだシューズ表皮材の効果
糸設計も工夫した。糸の芯部に高融点弾性ポリマー、鞘部に低融点弾性ポリマーを使い、熱をかけて織物にすることで、周囲のポリマー同士が融着し、生地の摩耗耐久性が他社製編地比最大で約10倍向上。これにより、シューズ設計時に生地の補強材などを減らせ、シューズ全体の重量が低減できる。
スプリンテックスを表皮材に使ったシューズは、卓球、野球などアシックスが契約する国内外の選手が着用した。東レはアシックスとの協業を通じ、同素材を海外にも販売したい考えだ。さらに陸上競技用に限らず、用途に応じて設計を変えるなど、トレーニングシューズ向けなども提案していく。
東レのテキスタイル・機能資材開発センター第2開発室の二ノ宮有希主任部員は「用途を広げるには、素材の機能特性を生かせる、シューズ以外の全く新しい分野を開拓する必要がある」と話す。シューズ表皮材での採用実績を機に、東レの素材力と他社との連携などで、今後も広範な応用可能性を探る。(文=大阪・大原佑美子)
