画像 最も美しいホイールたち 23選 前編
ブガッティ・タイプ35(1924年)
1920年代、ホイールはスティールやワイヤーホイールが主流であった。その中でもいち早くアルミホイールを採用したのがブガッティだ。より軽量で丈夫なホイールを探し求めた結果、アルミホイールが最善の選択だと発見。
1924年のタイプ35は伝統的なワイヤーホイールの選択もできたが、この8スポークアルミホイールの方がタイプ35の美しいボディーとその輝かしいレースの実績で名声を得ている。

19インチのこのアルミホイールはエットーレ・ブガッティ自身によってデザインされ、ホイールの中心にはドラムブレーキが搭載されている。
また、ホイールのリム部が脱着可能な構造をしているためブレーキ機構を弄らないでタイヤが交換できたのも特筆すべき点だ。リムは当初32本のネジで固定されていたが、ブガッティはのちに軽量化を理由にネジの本数を24本にまで減らしてる。
ダンロップ・レーシング(1954年)
ジャガーはモータースポーツの場を新しいアイディアを試す場として活用し、Dタイプに搭載されたホイール、ダンロップ・レーシングもそのひとつだ。
未だに鈍重なワイヤーホイールが主流だった時代、このダンロップのホイールはアルミホイールを使うことで軽量化に成功した。

濁った灰色のこのホイールはジャガー・Dタイプをル・マンでの成功に導き、すぐさまオースチン・ヒーレーなどの他メーカーからも注文が寄せられた。
MGのレーシングカー用に製作されたMタイプというホイールも同時期に製造された。MG用はボルトがジャガーの5本に比べ、1本少ない4本となっている。
ミニライト(1962年)
ミニライトは誕生から既に50年以上が経っているが、その時代を感じさせないデザインのおかげで未だに根強い人気を誇る。
当初はミニ用の小さい10インチホイールとしてレースやラリーなどで活躍した。その後、評判は広まり、さまざまな車種のために色々なサイズで製作された。

現在は当初のマグネシウム合金製からダイキャスト製に変えられ、英国で生産が続けられている。
ジョン・フォードとデレク・パワーによって設計されたミニライトはどんなほかのホイールよりもモータースポーツで成功を収めたと認識されている。クルマのブレーキを冷却するようにうまく設計されたのがその主な理由だ。
トルク・スラスト(1963年)
アメリカン・レーシング製のトルク・スラストなしでは1960年代のアメリカンマッスルカーを語れない。そのエレガントでシンプルなデザインは多くのストリートカーたちに愛され、多大なる人気を得た。

まだ多くのホイールがスティール製だった時代にマグネシウム合金を用いて製造されたトルク・スラストはすべてのアメリカンマッスルに合わせるためにさまざまなサイズが用意された。今でもその人気は衰えず、カスタムカーのビルダーたちのために豊富なサイズや仕上げが用意されている。
ACコブラ・ハリブランド(1965年)
あの有名なコブラをACはワイヤーホイールを履かせて世に送り出した。だが、あの伝説的なキャロル・シェルビーはアルミホイールのスペシャリスト、テッド・ハリブランドのホイールを採用した。採用されたアルミホイールは大型化されたエンジンの高出力なパワーと合致したり、ばね下重量を減らすために必要だった。

今でこそその特徴的なデザインで有名だが、元のクルマであるコブラ427はたったの348台しか生産されなかった。だが、その軽量で丈夫かつ交換が容易という特徴を買われ、フォードはル・マン用に開発したGT40にハリブランドのホイールを採用した。
フックス(1966年)
ポルシェのフックスはその起源を第二次世界大戦にまで遡る。ポルシェとホイール製造会社のオットー・フックス・メタルはドイツ国防軍に配備されたVI号戦車ティーガーIに使用されるホイールを手がけていた。
そして戦後、ポルシェが1966年型911 Sのための新しい軽量ホイールを必要とした時、フックスがそのパートナーとして採用された。フックスは全く新しい製造工程によって鍛造アルミホイールを製造した。

シンプルな5スポークのこのホイールはポルシェのデザイナー、ハインリヒ・クリエによって設計され、1本につき3kgの重量削減に貢献した。
58の工程を用いられて製造されたこのホイールのデザインは非常に有名となり、ポルシェ914や944、そして近年では2014型911スポーツ・クラシックのホイールにもそのデザインが受け継がれている。
ロスタイル(1967年)
このホイールはアメリカンマッスルかたローバーP5Bまで、さまざまなタイプのクルマに採用された。
米国内ではマグナム500という名前で知られたこのホイールは、英国内にて名前のROの由来となったルバリー・オーウェンによってライセンス生産された。フォードやヴォクスホール、そしてレイランドを構成したさまざまな英国ブランドに供給された。

ロスタイルはアルミホイールに見えるが、実はスティール製だ。
高級感を持たせるためにスポークはアルミニウムグレーによって仕上げられ、その他の部分はブラックで塗装された。ローバーP5Bが最初にこのホイールを採用し、最後に採用したのは1986年のレンジローバーであった。
モーガン・プラス8(1968年)
1968年にリリースされたプラス8はその他モーガンと同じように見えるかもしれないが、出力157ps、トルク30.4kg-mを誇るローバー製V8エンジンと合わせるためにモーガンは15インチアルミホイールを採用した。

搭載されているV8エンジンのトルクに耐えるため、ホイールの固定部にも特殊な加工を施した。時代を重ねていったのちに、モーガンはエンジンのハイパワーにもついてこられるワイヤーホイールも開発したが、プラス8のイメージは未だ元のホイールの印象が強い。
メルセデス・バロック(1969年)
ハブキャップだけが塗装されたスティールホイールは長らくメルセデス・ベンツの控えめなゲルマンテイストの象徴だった。だが1960年台後半にもなると、ついにそれを断ち切ってアルミホイールを採用することに決めたのだ。
その入り組んだデザインから名付けられた「バロック」というホイールはメルセデスのSクラスやEクラス、SLなどのハイエンドモデルに採用された。

製造はポルシェにも採用されたフックスが担当した。「メキシカンハット」と認知されるこのデザインは標準装備というよりは純正オプションとして用意された。
Sクラスでもこのホイールがオプションに設定されたが、これはメルセデスの装備に対するミニマリストな価値観の結果だと言えるだろう。
フォードRS(1970年)
1970年のロンドンーメキシコ間を走るワールドカップ・ラリーでの優勝を記念し、この有名な4スポークのホイールを採用したエスコート・メキシコがリリースされた。

87psを出力する1.6ℓエンジンはパワーがあふれ、ホイールも非常に似合ったものとなっていた。RSはエスコートの初期のモデルはGKNによって製造され、のちに補強するためにスポークが太くされたモデルはフォードの自社工場で製造された。
ウォルフレース・スロット・マグ(1971年)
1970年代のカスタムやキットカーに対する熱狂はウォルフレースにぴったりだった。同社が世に送り出したスロット・マグは英国内で流通した初のポリッシュホイールで、すぐさま世界的な大成功を収めた。
特に1974年に厳しいこと有名なドイツのテュフ社が行った認証試験に合格した時は話題を呼んだ。

このシンプルな5スポークデザインのホイールはさまざまなサイズが用意され、1977年にはリライアント・シミターにも採用された。
同じ年に公開された「007 わたしを愛したスパイ」にて、ロジャー・ムーアが操縦した潜水艇にもなるロータス・エスプリがこのホイールを履いていたことにより、世界的な注目を浴びた。
BBSクロス・スポーク(1972年)
バウムガルトナー・ブラント・シルタッハ、もしくはBBSとして知られているこのホイールメーカーはその3ピースのクロススポークホイールでパフォーマンス業界を賑わせた。BBSは1970年に樹脂製自動車用部品の製造販売を始めたが、1972年にこの有名なホイールのデザインを誕生させた。

軽量で丈夫な構造にするため、リムと中心部は鍛造とした。これによりホイールのリム幅の選択肢が増えたり、ガスケットを用いてシールされているなどのユニークな特徴を持った。
