お金といえばこの人。「秒速で1億円稼ぐ」と言われたがあの男がマネ凸に登場です!

“ネオヒルズ族”の代表的存在として一世を風靡した与沢翼さん

しかし2014年、自身が代表を務めていたフリーエージェントスタイルが経営破綻状態にあることをブログで告白。その後はシンガポールに移住し、投資家として再スタートを切りました。

そして、見事に復活。

与沢翼という男は、なぜビジネスのドメインを変えても相変わらず稼ぎつづけることができるのか。その理由を徹底解剖したロングインタビューをお届けします!

〈聞き手=渡辺将基(新R25編集長)〉

与沢さん:
はじめまして、与沢です。


2018年夏、わずか2カ月でマイナス20キロのダイエットに成功した与沢さん。普段はドバイに住んでいますが、日本に帰ってきたタイミングを見計らって取材交渉しました

渡辺:
今日は楽しみにしてました。よろしくお願いします!

与沢さん:
よろしければ、コーヒーか何か飲まれますか? そちらにいらっしゃるカメラマンさんも。

渡辺:
え? あ、ありがとうございます!

(イメージと違ってすごい腰が低い人だな…)

現在の資産総額とそのポートフォリオは?

渡辺:
早速ですが、まずは与沢さんの資産について教えてください。

現在の総資産額はどれくらいなんでしょうか?

与沢さん:
不動産が多いんですが、それを取得原価で計算すると、だいたい70億円ぐらいですね。



渡辺:
ちょっとリアリティのない数字ですね…

これまで取材してきた経営者の資産のほとんどは自社株の評価額でしたが、与沢さんはそうではないですもんね。その状態で70億円…

与沢さん:
仮想通貨が当たって、2017年だけで25億円稼いだんですよ。

渡辺:
“億り人”どころじゃないですね…

70億円の内訳はどうなっているんでしょうか?

与沢さん:
不動産が45億円くらいで、残り(25億円)がキャッシュ・社債・株・仮想通貨・生命保険・投資信託などですね。

渡辺:
そんなに不動産に投資しているのはなぜなんですか?

与沢さん:
不動産は手間もかかるしそんなに儲からないんですけど、資産として底堅いんですよ。

株や仮想通貨みたいにいきなり価値が10分の1になることもないし、資産の保全効果があります。

あとは単純に僕が不動産好きというのもありますね。もともと不動産屋をやりたいと思ってたくらいなので。

渡辺:
不動産は家賃収入も入ってきているんでしょうか?

与沢さん:
いや、これまで40戸をすべて現金一括で買ってますけど、まだひとつも貸してないです。

すべて完成前の物件に投資をしてきたので、いまどんどん引き渡しが始まってきていて、稼ぐのはこれからですね。

今後は完成後にこちらの希望価格で買いたいという人がいれば売るし、その条件で買い手がつかないなら家賃収入で外貨を得ることになると思います。


ちなみに、この時計は300万円ぐらいらしいです(おそらく資産にはカウントしていない)

定期収入にはどのようなものがある?

渡辺:
現在の定期収入にはどういったものがあるんでしょうか?

与沢さん:
保有している社債と投資信託、運用型保険などは配当があります。

新興国通貨建てなら利回り10%を超えるような商品もあるんですが相当リスクが高いので、私の場合はドル建てで利回り5%前後の格付けが高いものだけを買ってますね。

それでも、配当や利息収入だけで年間9000万円くらいあります



渡辺:
配当だけで十分生活できますね…

与沢さん:
もっと収益が大きかったものとして、2018年の秋頃までは1案件300万円でSNSを活用した広告ビジネスも積極的におこなっていました。

ただ、広告中心だと不本意な情報発信になることもあるためそれは止めて、2019年は自分なりの情報発信サービスをやっていこうと思ってます。

渡辺:
1案件300万円…そういった収入は何に使ってきたんですか?

与沢さん:
ほぼすべて投資に回してました。毎月不動産を買ってきましたし、2018年は社債と保険にも11億円投資しました。

いま日本に来て久しぶりにお金を使ってますけど、普段は服もZARAで済ませてますし、通常は生活費も月に30万円くらいしかかかってないですね。

それ以外の99%の収入を毎月安全な資産に振って、配当収入で生きられるようにしています。

破綻後、なぜ投資の世界に?



渡辺:
ところで、与沢さんはフリーエージェントスタイルが経営破綻状態になってから、なぜ投資家になろうと思ったんですか?

与沢さん:
まず、いろいろな失敗を経て自分に経営能力がないと思ったんですよね。

個人のキャラクターを活かすことは得意なんですけど、やはりプレイヤーなんですよ。

渡辺:
なるほど。

与沢さん:
また、日本でひと通りいろんな経験をして次は海外に行ってみたいという思いが強くなったんですが、英語も話せないし人脈もない自分が海外で生きていける方法はなんだろうと考えたときに、長期的には投資しかないなと思ったんですよね。

投資なら1人でやっていけるし、場所も選ばない。

そこで、自分の強みである「インフルエンス力」と「投資」をかけあわせて勝負しようと決意しました。



渡辺:
投資が自分に向いていると思った理由はなんですか?

与沢さん:
僕、悩まないんですよ。直感力があるというか。

たとえばドバイに移住することも1回旅行しただけで決めましたし、不動産の視察でも、玄関を開けて数秒で買うと決めることもあります。業者の人が引くぐらいのスピードで(笑)。

とにかく、ビビビときたら狂信的に実行するタイプなんです。

渡辺:
すごい思い切りのよさですね。

与沢さん:
投資というのは「いつ買う(売る)のか」そして「いくら買う(売る)のか」を決断して、勇気を持って実行することが重要なんです。

迷っちゃう人は機を逸することがあったり、勝てるときに小さく張っちゃったりするんですよ。

投資で成功するには、勝てるタイミングで大きく張らないといけない。



与沢さん:
ちょっと危ういところがあるかもしれませんけど、自分は天性のギャンブル気質を持っているというか、勝負ごとが好きなので、その意味でも投資は向いているなと思います。

昔の与沢翼といまの与沢翼は何が違う?

渡辺:
過去の失敗で反省したこともあると思うのですが、昔の与沢さんといまの与沢さんはどこが違うんでしょうか?

与沢さん:
全然違いますね。挙げたらキリがないんですけど、たくさんのマイルールができました。

たとえば、アパレルをやってるときはめちゃくちゃ借金してましたし、組織をどんどん大きくしてましたけど、いまは組織化や拡大は一切しません。借金もしない。



与沢さん:
あと、昔は「無理をする」が信条だったんですけど、いまは一切無理しません。すぐ逃げる。

人ともまったく会ってません。昔は「カンタンに詐欺れる人」と言えば与沢だったんですよ。

渡辺:
そうなんですか?(笑)

与沢さん:
はい、すぐ詐欺られてました。でも海外に出てからは1回も詐欺に遭ってないですし、人に営業された商品も買ってません。

交友関係、生き方すべてが変わりましたね。

渡辺:
でも与沢さん、破綻した直後は「質素に生きる」と言いながらまた派手にお金を使ったりしてませんか…?


恐る恐るツッコんでみた

だって、337万円って…

与沢さん:
それなんですけど、僕よく「ウソついた」って言われるんですよ。ダイエット後も「炭水化物食べないって言ってたのに食べてるじゃん」とか。

ただこれって、言ってみれば憲法を改正しただけの話なんです。

宣言したときはホントにウソをつくつもりはなくて、本心で言ってますから。でも、社会の人たちはそれをウソだと批判するんです。

渡辺:
なるほど…

与沢さん:
でもたとえば、「一生あなたのことを愛します」って言って結婚したのに離婚してしまうカップルってたくさんいるじゃないですか。

この2人も、もちろん最初はラブラブだから結婚するわけですけど、気が変わったりいろんな状況の変化があったりして別れてしまうわけで。



渡辺:
たしかにそうですね。

与沢さん:
人間なのでこういうことは普通だと思うんですけど、僕の場合はこのサイクルがめちゃくちゃ早いんです。

「いまはこれだ」と狂信的に自分を信じるというか、言葉で自己洗脳してその規律通りに動くことで目標を達成するタイプなので。

もちろん、破綻したときは復活しなきゃいけないと思ってたから「これからは質素に生きます」と宣言しましたけど、「やっぱり贅沢もいいな」みたいに思うこともありますし(笑)。



渡辺:
ピュアにそのときの気持ちに従って生きているだけだと。

与沢さん:
そうですね。だから「どっちが本当の自分か」とかではなくて、「いまの自分はこれ」って感じなんです。

与沢翼の投資スタイルをさらに深掘り!



渡辺:
ちょっと話を戻しまして、与沢さんの投資スタイルをさらに深掘りさせていただきたいのですが、先ほど言っていた「直感で意思決定する」というのは「吟味せずに買う」のとは違いますよね?

与沢さん:
もちろんです。論理的判断というのは常にウラにあって、ものすごい吟味してます

たとえば、僕がまだ終わっていないと思えるネット銘柄のなかにミクシィ、アカツキ、アエリアという3企業があります。

渡辺:
我々にも馴染みのある企業たちですね。

与沢さん:
たしかにこれらはゲーム関連銘柄なので、今は市場から見放されています。

ミクシィも年末の株式相場の崩れで相当に安くなりましたが、今なお年間で数百億円の純利を生む力があります

まずこれが軽視されすぎていますし、現預金でも1500億円持っている企業なんですよ。



渡辺:
減収とはいえ、財務基盤は盤石ですね。

与沢さん:
はい。このお金でこれから有望な企業やビジネスを買収していけば、確実にまた風が吹くタイミングが来るはずです。

PERとか純資産だけじゃなくて、これまでの歴史やブランドとか、財務諸表に載らない資産まで含めてロジカルに計算すると、現在のミクシィの時価総額は本来評価の3分の1ぐらいだと思っていますし、風が吹けばいまの5倍くらいまでいく可能性もある。

渡辺:
そんなに伸びる可能性を感じてるんですか。

与沢さん:
投資というのは、風が吹くかどうかなんですよ。社会のテーマになれるかどうか。そういう可能性まで考えたうえで、最終的には直感で判断するという感じです。

ちなみに風という意味では、自分がダイエットをしていることもあって次は健康産業に注目してますね。健康はこれからマーケットのキーになると思ってます。

渡辺:
最近、若いのに健康意識が高いビジネスマンも増えてますよね。

ちなみに、やっぱり与沢さんも基本的には自分の興味があるジャンルの株を買っているんですか?

与沢さん:
はい。土地勘がないことはできないですね。

たとえば僕は(toBの事業経験がなくて)BtoBの会社のことはよくわからないので、買う銘柄はすべてBtoC(の会社)です。

渡辺:
実際に投資してる会社の商品やサービスを使ったりも…?

与沢さん:
しますね。たとえば、アカツキの『ドッカンバトル』というゲームは実際に自分でプレイしてみましたし。


デューデリ(企業価値評価)のためとはいえ、与沢さんがゲームをするのはちょっと意外!?

渡辺:
ちなみに、(デイトレードを除いて)そうやって吟味して買った株は長期保有するんでしょうか?

与沢さん:
はい。個別株も仮想通貨も基本的にはBuy&Holdです。

渡辺:
では、カンタンに損切りしたりはしないと?

与沢さん:
しません。

もちろんその銘柄に看過できない異変があったり、マーケット状況が深刻に悪化すると思えば例外的に撤退することはありますが、基本的には一回信じて投資したらその銘柄が廃業するまで持つ、心中するつもりでやります

リップル(仮想通貨)もまだ大量に保有したままです。



渡辺:
おお、男らしいですね…

与沢さん:
「勝つまでやめるな」っていう本があるんですけど、昔それを読んで感動したんですよね。投資だけじゃなくてビジネスはすべてそうだなと思っていて。

どんだけ恥かいて、どれだけバッシングされようと、勝つまで逃げない。絶対に表舞台から消えない。

だから僕は、そのプロセスにおいてはどれだけバカにされてもいいと思ってるんです。

ギャンブルだと言われる短期トレードでなぜ勝てる?



渡辺:
与沢さんって、デイトレードもやりますよね?

与沢さん:
はい。特に資金が少ないときは短期トレードをするしかないと思ってました。

長期投資となると最低で1000万円、できれば1億円の元手があるのがベストです。

100万円くらいの元手だと、複利でずっと資金を増やしつづけたとしても、そこから1000万円に行くまでにすごい時間がかかっちゃうので。

渡辺:
ただ、よく「短期トレードはギャンブルだ」と言われます。そこはどうお考えでしょうか?

与沢さん:
やはりギャンブルの一種ではあります。

レバレッジ管理や資金投入量を間違えると一瞬でとんでもない元本毀損を起こしますし、感情的になっても負けます。

渡辺:
でも与沢さんは勝てると思っているからやっているんですよね?

与沢さん:
そうですね。

渡辺:
なぜそう言い切れるんでしょうか? 短期トレードで稼げる人の特徴が知りたいです。

与沢さん:
短期トレードで勝つために重要なのは、「値動きのパターンを浴びるように見てきたかどうか」です。

過去の経験から「浅すぎてまだ入るには早い」とか「売られすぎているから今こそ入るべきだ」と判断する。



渡辺:
なるほど。まずは経験量がモノを言う世界ということですね…

与沢さん:
ちなみに僕のセオリーの例で単純な話をひとつすると、たとえばずっと上がってきていたドル円がある材料をきっかけにバーンと落ちたとします。

このとき、7割くらいのトレーダーは浅いところで入る(買う)んですけど、もう1回落ちることが多いんです。

すると先ほど買ったトレーダーがロスカットして逃げるので、さらにガッと下がる。

渡辺:
あーなるほど…はい。


伝家の宝刀「知ったかぶり」

与沢さん:
そのあとぐらいに入ってくる人もいるんですけど、まだ売りの方が多く、買う人もイメージでいうと3割ぐらいに減っているので、上がる力がないんです。なのでもう1回落ちる。

慣性の法則みたいなもので、ここまで落ちつづけると普通の人はさらに落ちると思って買えなくなります。ただ、実際にはこのあたりから売った人たちの買い戻しが始まります。

だから僕は、ここで入るんです。



与沢さん:
要は、逆張りをするときは十分に引きつけて、みんなが「もう買うのが怖い」というぐらい売られたタイミングで入っていく。

「もうはまだなり」「まだはもうなり」という言葉がありますが、トレードで勝つためには、このように一般感覚とは異なる行動を選択しないといけないわけです。

渡辺:
なるほど。ただ、与沢さんの話を聞いていると、いたずらに逆張りをしているのとも違う感じがします。

単にチャートの形を見ているというよりも、そのウラにある人間心理を見ているというか…

与沢さん:
まさにそうです。僕は常にそれを想像してますね。

結局、知識より経験を積んで得られる感覚の方が大事だと思ったのが短期トレードです。



渡辺:
人間心理を想像するとなると、投資も「情報商材を売る」という行為と共通する部分もありそうですね。

与沢さん:
はい。アフィリエイトをやっていたときに「どうしたら人の心が動くか」を考えていたのと一緒で、投資でも「いま他の投資家はどう思っているか」を推し量ることが大切だと思います。

渡辺:
与沢さんはなぜそういう人間心理を掌握できるようになったんですか?

与沢さん:
僕、もともと小さいころはすごい内気で、怖がりで、イジメられてたんです。

そのときの経験から「自己防衛しなきゃ」という気持ちが出てきて、中学に入ったら非行少年になりました。

ただ、非行少年グループのなかには派閥というか序列みたいなものが存在していて、立ち振る舞いを間違えると逆にイジメの対象になったりすることもあって。



渡辺:
かなり高度な人間心理の洞察力とコミュニケーション能力が求められそうですね…

与沢さん:
そういう状況で僕はコミュニティの中心にいたんですけど、当時から「どうやったら人を動かせるのか」「どうしたらまわりから一目置かれるのか」ということをずっと考えてたんです。

早稲田大学在学中にビジネスコンテストで軒並み優勝していたときも、「どうやったら自分のプレゼンが審査員の心に響くのか」ということをいつも考えてましたね。

渡辺:
なるほど…そんな原体験があったんですね。

与沢さん:
はい。さらにいえば、デイトレードは自分の感情をコントロールして冷静に行動するための訓練になるので、現実世界においてもプラスになると思ってます。

与沢翼が考える「稼げる人」の条件とは?

渡辺:
与沢さんはビジネスのドメインを変えても成功しつづけていますが、どういう資質を持った人がお金を稼げると思いますか?

与沢さん:
自分の頭で考えて決断できる人ですね。自律的思考を持っている人。



与沢さん:
投資でも「自分が尊敬する人に言われたからやってみる」という人は一時的には勝てたとしても、いずれ失敗してしまいます。

もし本当に投資がうまい人と同じ成績を残そうと思ったら、取引をする時期も量(金額)も合わせないといけませんから。部分的にマネしてもダメなんです。

渡辺:
たしかにそうですね。

与沢さん:
ちなみに僕自身の話をすると、投資を始めた当初、1日12時間くらい投資関連の本を読んでたんです。

ただ、そうやって勉強しているとセオリーがいっぱい出てくるんですよ。「資金投入は5分割にしろ」とか「利益確定は10%をメドにしろ」とか。全然違うことを言っている本もある。

そこで気づいたのは、「どの理論を採用するか、自分で決めなきゃいけないんだ」ということです。



渡辺:
本ばかり読んでいても、自分の意思がないと混乱してしまいそうですね。

与沢さん:
僕も本を読みすぎて、暗闇に入った時期がありました。ただ、最終的には「らしく行こう」と。

たとえば「新高値をつけた銘柄には順張りせよ(さらに上がると期待して買え)」というセオリーもあるんですけど、実際には一度上がって戻ってくる銘柄もあるわけです。

じゃあそのなかで本当に上がりつづけるものの特徴はなんなんだろう?と考えて、実際に新高値銘柄の材料を見て、以後の推移を追ってみたんですよ。

そういうことをやりはじめたら、上手くいくようになりましたね。

渡辺:
自分ならではのやり方やセオリーを確立することが大事ということですね。

与沢さん:
そうです。僕も最終的には我流になっちゃいましたからね。

でも、そうやってまわりに流されずに自分の頭で考えて意思決定すれば、仮に失敗したとしても大きく成長できると思ってます。



渡辺:
あと与沢さん、以前テレビ番組で密着されていたときに「欲を持てる人は強い」とも話していましたよね。

説得力がある主張だなと思ったのですが、一方でどうすれば与沢さんのように欲を持てるのかな、と。

与沢さん:
僕はよく“内圧”って表現してるんですけど、「心の中にアツい気持ちを持っているか」や「欲に対する忠実さ」というのは、生まれつきの資質である面はもちろんあると思います。

ただ、そういったものを後天的に身につけられるとすれば、失敗や挫折の経験値ですね。辛い経験を積めば積むほどそれが反骨精神につながって、欲を持てるんだと思います。

温かいコミュニティのなかですくすく育っただけの人は、そういう面では弱いかもしれないですね。

渡辺:
なるほど、納得です。

与沢さん:
そしてそういう経験を積むために一番重要なのは、勇気を持つことです。

ドラクエの主人公がなぜいつも「勇者」なのかといえば、勇気を持っている人間が一番強いからだと思うんです。



与沢さん:
勇気をもって挑むと、大抵は失敗します。でもそれによって欲望を持てたりとか、自分のミッションを見つけられたりする。

僕もこれまでいつも「結果を出す」と宣言して、背伸びとやせ我慢をつづけてしてきました。でもそれを繰り返したおかげで、精神的にも強くなりましたね。

与沢翼がR25世代に贈る「マネーの金言」

渡辺:
大変参考になるお話の数々、ありがとうございました。

個人的には、メディアやSNSで見ていた与沢さんとだいぶイメージが違って驚きました(笑)。

最後に一筆、読者に向けてマネーの金言をお願いできますでしょうか?

与沢さん:
わかりました。


清書の前に一度練習をしていた与沢さん。字を書くのは与沢翼でも緊張するらしい

与沢さん:
やっぱり僕はこれですね。



一点突破

渡辺:
一点突破、ですか。なぜこの言葉を選んだんでしょうか?

与沢さん:
僕、「物事は集中させるべき」という信条を持ってるんです。

高校を中退したあとは仕事を始めて貯金に命をかけてましたけど、大学に行こうと思ったらすべてのコミュニティを離れて、携帯も解約して受験勉強に没頭しました。起業、投資、ダイエットを始めたときも同じです。

大前提として、人間はひとつのことしかできないと思ってるので。

渡辺:
与沢さんが経験して実感した、集中させることのメリットはなんでしょうか?

与沢さん:
大きな成果が出ることです。

仮想通貨に集中したときもダイエットに集中したときも、それぞれフォロワーが10万人単位で増えました。

そして、結果が出るとまわりが評価してくれたりして、次の景色が見えてきます。

渡辺:
なるほど。結果を出したいなら、やることを絞ってとことんストイックに追求すべし、ということですね。

でも素朴な疑問なんですが、与沢さんはこれ以上何を手に入れたいんでしょうか?

与沢さん:
完全な自由」ですね。



渡辺:
完全な自由。

与沢さん:
人間って、みんな何かしらに抑圧・束縛されていると思うんです。逆らえない人がいたり、隠さなければいけないことがあったり。

いまの僕はそれらを全部無視して生きたいと思っていて。お金の使い方に文句を言われる筋合いもないし、どこに住もうが何を食べようが自由。

そういうマインドを完全に体現したいんですよね。

渡辺:
でもその生活って、もうすでに実現できているような…?

与沢さん:
たしかに、できちゃってますね。

最近はヒマで、エネルギーが有り余ってる状態なんですよ。だからダイエットを始めたんですけど、今は英語に関心がありますし、2019年はもう一度投資に戻るつもりです。

もうこれが遊びなのか何なのか、自分でもよくわからなくなってきました(笑)。



エンタメ感満載のインタビューにするつもりが、与沢さんのあまりに真摯な受け答えに戸惑いすら覚えた約1時間の取材。

きっと、みなさんが与沢さんに抱いているイメージと彼の本当の姿はだいぶ違うと思います。

でも、そうやってつくりあげた虚像により自分を追い込み、大きな目標を達成していく。それが与沢翼という人なんだと理解しました。

稼ぎつづける男は、次はどんな“一点突破”を見せてくれるのでしょうか?

〈取材・文=渡辺将基(@mw19830720)/撮影=長谷英史〉

与沢さんの「マネーの金言」をプレゼント!

与沢さんが書いてくれたサイン入り色紙を読者の皆さまにプレゼントします! 欲しい方は、新R25編集部のTwitterアカウントをフォローのうえ、こちらの投稿をリツイートして応募してください。

自分の頭で考え、勇気を出して実行する。みなさんもそうやって稼げる人材になりましょう!