岩崎の2ゴールをアシストした前田。ゲーム終盤になっても足が止まらないタフネスぶりを発揮した。写真:徳丸篤史

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 インドネシア・ジャカルタで行なわれているアジア大会は、8月27日にサッカー競技の準々決勝を開催。森保一監督率いるU-21日本代表はサウジアラビアと対戦し、苦しみながらも2-1の勝利を飾った。優勝を果たした2010年大会以来となるベスト4進出を決めたのだ。
 
 日本は31分、前田大然が残した球を岩崎悠人が豪快にねじ込んで先制。その後オウンゴールで一度は同点とされるが、後半に入ってからは攻勢を強め、73分に勝ち越し点を挙げる。途中交代で右サイドに入った遠藤渓太の絶妙なサイドチェンジを受けた前田が、マーカーを振り切って左サイドをえぐると、中央で待ち受けた岩崎へマイナスのパス。これを京都サンガの俊英FWが落ち着いてゴールに蹴り込んで、この日2点目を挙げた。
 
 終盤はサウジのフィジカルとスピードに圧倒される場面もあったが、森保ジャパンはなんとか逃げ切りに成功。大会連覇に向けて、着実に歩を進めている。

 
 日本vsサウジ戦を速報で伝えたのが、米スポーツ専門チャンネル『Fox Sports Asia』のアジアサッカー通記者、ガブリエル・タン氏だ。手放しで称えたのが、2アシストと気を吐いた前田の働きである。
 
「拮抗したゲームで均衡を破ったのは日本だった。31分、フィフティー・フィフティーの競り合いをマエダが制し、イワサキに最高のお膳立てをしたのだ。日本はその8分後に敵のシュートに対する不甲斐ない連携ミスからオウンゴールを献上するが、ペースを奪われるまでには至らなかった。そして73分に輝きを放ったのは、またしてもマエダだった。なんというスピードか! 爆発的な加速で左サイドを切り裂き、これしかないというタイミングでイワサキに決定的なパスを通したのだ」
 
 殊勲の2得点を挙げた岩崎も、試合後のインタビューで前田の動きを絶賛。松本山雅が誇るスピードスターが、難敵相手の大一番で大仕事をやってのけた。