「港区女子」と足立区でデートしてみたら、彼女たちの実態と下町の魅力が見えてきた
「港区女子」と会える。
この企画が決まった時から、浮足立っていた。
「普段はどんな男と会っているのだろうか? やはり経営者たちと麻布十番で遊んでいるのだろうか?」
いかんいかん、悪い癖だ。編集者として働いているせいか、下世話な疑問が湧きあがってしまう。
今回の企画は、「港区女子とデート」。気になることが多くとも、今日は彼女たちをエスコートする日だ。おろしたたてのTシャツに袖を通し、彼女たちと待ち合わせしている「東京ミッドタウン」へ。
編集部・天野:
はい、ストップ。何この感じ?
編集部・福田:
港区女子の取材なので、『東京カレンダー』っぽく語ってみました。
編集部・天野:
そういうのいいから。港区女子とデートできるからってテンションがおかしいよ。
…あ!
藍田愛さん:
すいませ〜ん。遅くなりました!
葵井えりかさん:
今日はよろしくお願いしま〜す!

編集部・福田:
おお! お待ちしておりました!
今回のデート企画に参加してくれる港区女子は、こちらの2人!

藍田愛さん(28歳)/職業:会社経営/出身:愛知県

葵井えりかさん(26歳)/職業:レースクイーン/出身:愛媛県
港区女子ってそもそもどんな生活を送ってるの?
編集部・福田:
さっそくデートに向かいたいところですが、まずは2人の港区女子ぶりを伺ってもよろしいでしょうか?
藍田さん:
家が港区なんで、食事や飲みも基本六本木や西麻布とかですね。ほかのエリアに移動するのはめんどくさいなあって思います。
編集部・福田:
なるほど。ちなみにどんなお店に行くことが多いんですか?やっぱり高いところ?
藍田さん:
会員制のバーとかに行きますね。毎回おごってもらうので価格帯はわからないです…
編集部・天野:
あっ、これは港区女子だわ。ごちそうしてくれるおじさんがいる。
葵井さん:
私は、前に付き合っていた彼氏が港区に住んでいる投資家だったので、そこから本格的に「港区女子」になりましたね。
出会ったのは、ハロウィーンパーティー。彼氏が住んでいた「リッツ・カールトン」のレジデンスで開催されたんですよ。そこにいた人もみんなお金持ちでした。
編集部・天野:
リッツ・カールトンって住めるんですか? 今年のハロウィーンも絶対予定ないんで呼んでください。
“真の港区女子”は、自分の夢のために港区を利用している!?
編集部・福田:
いわゆる「タワマンパーティー」についてもう少し教えてほしいんですが…
藍田さん:
私はグラビアアイドルもやっているんですけど、グラドルの友達から「タワーマンションの最上階で素敵なパーティーがあるよ」ってよく誘われます。
プロの料理人が来て、おいしいお肉を焼いてくれるんですよ。景色も最高だし、毎回「なんじゃこの世界は…!」って思ってますね。
葵井さん:
有名大学の女子大生とか、芸能関係の女子とか、とにかく美女が多いんですよ。
編集部・福田:
マジかよ…。まさに酒池肉林の宴じゃん。やっぱりいつも“港区おじさん”と遊んでるんですね。
藍田さん:
あ、それは初級の港区女子の話ですね。
編集部・天野:
えっ、港区女子の中にランクとかあるの!?
藍田さん:
港区女子になりたての女の子って、お金を持っている港区おじさんにちやほやされるのが新鮮で楽しいんですよ。いいものを食べられるし、「港区で遊んでる!」って実感できるから。
でも、「港区おじさんって本当のセレブじゃない」ってうすうす気づいてくるんです。
編集部・福田:
どういうことですか?
藍田さん:
港区おじさんは、「3000〜4000万くらい稼げるようになったから、白パンツ履いてホームパーティーしてるモテなかったおじさん」だって気づいてくるんです。
実際に私が出会った港区おじさんも、六本木でやたらホームパーティーを開催して、若くかわいい子とワンチャン狙っているだけでした。
編集部・天野:
なるほど。初級港区女子は、それに気付かないでおじさんにごちそうになっているということか。
藍田さん:
新しい若い子が紹介されると、港区おじさんの興味はそっちにどんどん移っていく。
女の子も港区おじさんの本性が分かって初級を卒業するんです。
編集部・福田:
初級を卒業した港区女子はどうなるんですか?
藍田さん:
そこを抜けると、私みたいに人脈を作ることを大事にする人が多いです。
港区女子って、結構自分でサロンを開きたいとか、芸能関係で成り上がりたいとか、夢を持っている子が多いんですよ。
そのために港区という場所を利用するのが真の港区女子ですね。
編集部・福田:
意識高い。
藍田さん:
私が起業したのも、友達に呼ばれた会食で、仕事についてアドバイスをくれる経営者の方々と知り合えたからです。
「起業したいなら同じ業界の人を紹介するよ」って、トントン拍子で話が進んだんですよ。
起業家の人が多いから、ビジネスチャンスがたくさん転がってます。
葵井さん:
私はレースクイーンやモデルをやっているんですけど、もっと有名になりたいし、もっとお金を稼げるようになりたい!自立した女性になって、親孝行ができるぐらいの収入がほしい。
だから、港区の人脈を使って頑張っていきたいんです。
編集部・天野:
意外と2人ともちゃんとした目標があるんだな…。「おじさんの金で遊んでるだけだろ」という僻みが少し薄れました…!
ここからが本番。港区女子を足立区に連れて行ってみた
編集部・福田:
貴重なお話ありがとうございました。ようやくですが、デートに向かいましょう。車に乗ってください。

完全に誘拐の絵面
〜40分後〜
編集部・福田:
到着しました。
葵井さん:
ここは…?
編集部・福田:
足立区です。今日は「港区女子と足立区デート」という企画になります。

フハハハ! 騙されたな!
藍田さん:
ええ…
編集部・天野:
誘拐みたいなマネしてごめんなさい。
港区で遊び慣れているお2人は、港区的じゃない場所でも楽しめるのかな…? と思いまして。
葵井さん:
足立区…

曇天にも負けず表情が曇る2人
ちなみに今回のデートコースは、『足立区のコト。』(彩流社)の著者・舟橋左斗子さんにプロデュースしていただきました!
江戸の旧家が残る足立区・北千住を街ぶら
まずは昔ながらの街並みが残る、旧日光街道(宿場町通り)を歩いてみる4人。
編集部・福田:
ここ旧日光街道は、江戸時代から残る旧家が多いんです。
常に新しいビルが建つ港区にはほとんど残っていない光景でしょう。
藍田さん:
そうですか…
葵井さん:
あっ、でもこれすごい。

江戸時代から続く「名倉医院」
編集部・福田:
これは「名倉医院」ですね。
江戸時代から、「骨つぎと言えば名倉、名倉と言えば骨つぎ」と言われるほど全国でも有名な医療機関だったそうです。その建物がまだ残っているんですよ。
藍田さん:
江戸時代からの建物って、趣がありますね。
編集部・天野:
さっそく魅力が分かってきましたね。まだまだありますよ。
続いては、「横山家」「吉田家」の2つ。こちらも江戸時代に建てられた家がそのまま残っています。
編集部・福田:
「横山家」は紙の問屋で、「浅草紙(トイレットペーパー)」を買い入れて、日本橋方面へ売りさばいたそうです。紙の商社ってところでしょうか。

女性向け旅行雑誌の表紙っぽい
葵井さん:
向かいの「吉田家」もこじんまりしてて、かわいい! 歩いてる写真撮ってください。
編集部・福田:
(美人だから歩いてるだけで絵になるな…)

「吉田家」では、江戸時代から続く絵馬作りを今もやっているそうです
レトロな電気屋をイメージしたリノベーションカフェ「エスディコーヒー 北千住」
編集部・福田:
続いては、オシャレなカフェに行きましょう。
藍田さん:
えっ、足立区にオシャレなカフェなんて存在するんですか?
編集部・天野:
あるわ! 足立区民に聞かれたらマジで怒られると思うので、気を付けてください。
ということで、訪れたのは2017年にオープンした「エスディコーヒー 北千住」。もともと美容室だった店内をカフェにリノベーションしたとのことですが…。

葵井さん:
外観がもうかわいい! 写真撮ろ〜!

急に自撮りを始める港区女子。でもほとんど2人の顔しか写ってないよね
編集部・福田:
外も素敵ですが、中も見てください! こちらはオーナー・鈴木さんの実家が「鈴木電気店」という電気屋だったことから、レトロな電気屋がモチーフになっているんですよ。
自慢の「冷やしSdコーヒー」なんてほら!

「冷やしSdコーヒー」(税別450円)は自家焙煎した豆を使っています
藍田さん:
グラスが電球になってる! これは写真を撮らないと。

また自撮り
編集部・天野:
もう撮影会みたいになってますね。
編集部・福田:
コーヒーもオシャレですが、ホットドックやワッフルなど、オリジナルメニューも充実してて、どれもインスタ映えすること間違いなしですよ!

「Sdドッグプレート」(税別900円)は男でも大満足のボリューム

「Sdワッフルミックスベリーワッフル」(税別680円)は店内で焼いているのでアツアツ
藍田さん:
出てくるメニューがどれも女の子のツボを押さえてます!これは港区女子も大満足ですよ。

もうずっと写真撮ってる
エスディコーヒー 北千住 (北千住/カフェ)
https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132402/13210884/
Sd Coffee 北千住 (@sdcoffee1010) • Instagram photos and videos
https://www.instagram.com/sdcoffee1010
最後は、昔ながらの飲み屋街にある「千住の永見」で乾杯!
編集部・福田:
街ぶら、オシャレなカフェときたら、最後は飲みで締めましょう!
ここ北千住には、駅西口近くに、戦後の間口が狭い飲み屋街がそのまま発展した「飲み屋横丁」があるんです。なかでもオススメなのが、「千住の永見」!
編集部・天野:
待ってました〜!
葵井さん:
外観がめちゃくちゃ渋い。こんなところ、めったに来ないから新鮮です!

思わず記念写真を撮りたくなる渋さ。大衆的な居酒屋っていいですよね
編集部・福田:
ここで有名なのが「千寿揚げ」(税込470円)なんですけど、普通のさつま揚げとはちょっと違うらしいんですよ。

藍田さん:
本当だ、玉ねぎが入ってる! なんか懐かしい味ですね。こういう料理って最近食べてなかったな〜。

カンパ〜イ!
千住の永見 (北千住/居酒屋)
https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132402/13008737/
港区女子は足立区デートを楽しめたのか…?
編集部・福田:
半日かけて足立区の魅力を紹介してみましたが、いかがでしたか?
葵井さん:
足立区って正直ヤンキーのイメージが強くて怖かったけど、下町の雰囲気が残っててあたたかい雰囲気でした。
街歩きが楽しかったです!自分はこういうのも好きなんだって発見がありました。
藍田さん:
私もレトロな街並みがよかったですね。インスタ映えするのは高評価です。
編集部・天野:
男性から、足立区でデートしようって言われたらどう思いますか?
葵井さん:
誘ってくれたら「案内して〜」って言っちゃいそう! 普段は来ないから…
藍田さん:
私は、リアルに好きな人とだったらアリだと思いました。
編集部・福田:
つまり、普段遊んでいる港区おじさんのことはそんなに好きじゃないから、せめて高級なところに連れていってくれと思ってるってことですね!

おわりに
…というわけで、港区女子とは足立区でも楽しくデートできるという結果に。
取材当初、港区女子には「おじさんにご飯をおごってもらって、遊びまわっている女性」というイメージでしたが、実際に会った彼女たちは芯のしっかりした魅力的な女性でした。
また、ちょっと怖いイメージのある足立区は、下町風情のある粋な街だと分かりました。
どちらも本質って見えづらいものですね…。先入観を持ってしまっていた自分に喝を入れたいです!
※今回紹介できたのは北千住エリアだけですが、足立区にはまだまだ魅力があります。気になった人は、ぜひ舟橋さんの『足立区のコト。』をご覧ください!
〈取材・文=福田啄也(新R25編集部)/取材=天野俊吉(新R25編集部)/撮影=森カズシゲ〉
