「出張にLCC」は広まるか ジェットスター、国内LCC初ビジネス客向けオプションの狙いとは
ジェットスターが国内LCC初となるビジネス旅客向けオプションの提供を開始します。「レジャー向け」というLCCのイメージを打ち破る新たな戦略とは、どのようなものでしょうか。
ビジネス客をLCCの新たなターゲットに
ジェットスター・ジャパンは2017年2月8日(水)、国内LCCとしては初になる、ビジネス利用者向けオプション「フレックスBiz」の提供を開始しました。

「フレックスBiz」は、ジェットスターの基本運賃であるエコノミークラス「Starter」に追加して購入できる運賃オプションで、国内線が2000円、国際線は3000円(いずれも税込)です。このオプションによって、予約便の日付、時刻、搭乗者名を手数料なしで変更できるほか、出発当日には予約前後の便への搭乗変更も無料で可能になります。また、予約のキャンセルに際しては、購入相当額がフライトバウチャー(チケット購入時に使える金券)で払い戻されます。
また、通常7kgまでの機内持ち込み手荷物1点に加え、ノートパソコンが入ったブリーフケースなど、座席下に収まるサイズ(重量は無制限)の手荷物をさらに1点持ち込みめるようになります。加えて、「Starter」では追加料金が必要なスタンダード・シート(通常座席)、アップフロント・シート(前方座席)の座席指定も、無料でできます。
「ビジネスシーンを想定し、急な変更やキャンセルに対応する『柔軟性』が生まれることが『フレックスBiz』の特徴です。持ち込み手荷物の追加を可能にし、預け荷物をなくすことで、到着後にロビーで荷物を待つ必要なくスムーズに空港を出ることができます」(ジェットスター・ジャパン 田中正和事業・戦略本部長)
ジェットスターでは、2014年6月から2015年5月までの利用者を調査したところ、ビジネスでの利用が全体の約20%、多い路線では30%を超えているといいます。ジェットスター・ジャパンの片岡 優会長は「予想以上の数値でした。これまでLCCのメインターゲットであったレジャー利用に加え、ビジネス利用を新たなターゲットにすることで、利用客の総数を上げられると考えています」と話します。
「LCCで出張」、日本の社会構造ならば親和性が高い?
現在、国内LCC(格安航空会社)の多くはレジャーの利用者が主体です。JTB総合研究所が2014年7月に発表した国内LCC利用者に対する調査によると、業務出張での利用割合は12.7%にとどまっています。その理由として、インターネット上では遅延や欠航の多さなどが挙げられており、時間に遅れられない会議などにLCCを利用する場合は、前日の移動や代替交通手段も考えないといけない、といった声が見られます。
そのなかで、ビジネスの利用を伸ばすことが今後の利用者増につながると考えたジェットスター・ジャパンの片岡会長は「日本では99.7%が中小企業で、その6割が50人未満の事業所です。出張に対してもコスト意識が高く、運賃が安いLCCとの親和性が高い」と分析しています。
「LCCが登場した当初、社会的には“乗ることすら怖い”という抵抗感があり、出張などビジネスで利用するのは一般的でなかったと思います。当社が初フライトから約5年を経て機体数、路線数、便数を増加させ、運行品質を向上させてきたからこそ可能になった選択肢です」(ジェットスター・ジャパン 片岡会長)
「フレックスBiz」の利用には、ジェットスターのビジネス出張向けサイト「Jetstar Business Hub」でのアカウント作成が必要です。2017年2月8日(水)現在、新規登録した先着1000人に5000円相当のフライトバウチャーがプレゼントされるほか、2月14日(火)18時までに予約(搭乗期間は4月21日まで)した人は1円で「フレックスBiz」オプションが選択可能なキャンペーンを実施中です。
アジア太平洋地域におけるジェットスターグループの航空会社では、すでに同様のビジネス利用向けオプションを導入している会社もあるそうです。「『LCC出張』が聞きなれた言葉になるよう、イメージをくつがえしていきたい」と話す片岡会長の言葉どおり、今回の「フレックスBiz」は、日本のビジネスシーンでLCCの利用が拡大する端緒となるかもしれません。
【写真】ジェットスター・ジャパンの路線網、ビジネス利用が多いのは…

