4700万件の研究論文を「科学の発展」のためタダで読めるようにしている海賊版サイト「Sci-Hub」

by Daniel Borman
「世界初の論文海賊版サイト」をうたうのが「Sci-Hub」というサイトです。研究論文はその多くがネット上では一部しか読めないように制限されていますが、Sci-Hubでは「その制限が科学の発展を阻害している」という考えのもと、制限なしで論文を読めるようにしているとのこと。
Sci-Hub: removing barriers in the way of science
http://sci-hub.io/

研究論文は他の研究者に読んでもらうために書かれた特別な刊行物で、新たな研究結果や実験のことが詳細に記された貴重な一次資料でもありますが、ネットで公開されるときには閲覧制限がかかっていることが多々あります。
理念の1つは「科学的知識はその所得や社会的な地位、地理的な条件などに関わらず、すべての人が利用可能であるべきだ」というもので、それを妨害するありとあらゆる障壁と戦っているとのこと。
2つ目は、科学的・教育的なリソースについての知的所有権・著作権の無効化。著作権法はほとんどのオンラインライブラリを違法化してしまい、権利者が巨大な利益を得ている間、多くの人々から知識が奪われます。つまり、この種のリソースについては、著作権の存在が情報・経済の不平等の増大を促進しているというわけです。
3つ目は「オープンアクセス」。研究内容とは自由に誰でも読めるような、開かれた場に公表されるべきである、というものです。
こうした活動内容ゆえか、サイトには広告の類はなく、ユーザーからの寄付で成り立っているとのこと。その寄付については、ビットコインで受付が行われています。

なお、ロシアのニュースサイト・Russia Todayによると、運営しているのはロシアの神経科学者でカザフスタン出身のAlexandra Elbakyanさん。かつて、自分が論文を書いたときに、おそらく二度と読まないであろう論文を300ドル(約3万5000円)で買って読まなければならないという問題に直面して、このサイトのアイデアにたどり着いたそうです。
EXCLUSIVE: Robin Hood neuroscientist behind Sci-Hub research-pirate site talks to RT - RT News
https://www.rt.com/news/332412-scihub-scientific-articles-pirate/
仕組みはアノニマイザー(利用者の身元を匿名化するツール)から拝借していて、一部、大学のプロキシの動作に合わせて書き換えた部分があるものの、3日で完成したとのこと。その完成のアナウンス時には、すぐに「ありがとう」ボタンが316回押され、微生物学フォーラムの科学者たちが最初のユーザーになったそうです。
