ここ数年、Jリーグへの移籍の噂が絶えないデル・ピエロ。果たして、Jのピッチでプレーする日は来るのか? (C) SOCCER DIGEST

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 いよいよリーグ戦も終盤に差し掛かり、外国籍選手を巡る移籍市場は水面下でにわかに動き始めている。ただし、今季のJ1は主に外国籍選手に依存しがちなクラブが残留争いの渦中にあり、J2も湘南以外は依然として昇格争いの真っ只中とあって、来季のディビジョンが確定していないクラブが少なくなく、例年よりも市場はスロースタートとなっている印象だ。
 
「今夏の動きを見ても分かるように、例年以上にJリーグ経験者を重視する傾向が高まっている」
 こう指摘するのは、国際移籍を主たる業務とする某FIFA公認代理人だ。クラブライセンス制度の導入の影響で、予算がより緊縮傾向にあるなか、リスクマネジメントの意識はどのクラブもかなり高まっていると言っていい。
 
 そうした現状のなか、継続してJクラブから関心を持たれているのが、現在はイランでプレーしているマラニョン(元甲府など)、この秋からブラジルのブラガンチーノに加入したカボレ(元FC東京)、韓国の水原三星に所属しているホジェル(元柏)ら。つまり、日本でのプレー経験があるストライカーがリストアップされているのだ。
 
 このほかでは、韓国代表のイ・グノには多くのクラブが興味を示しているようで、2列目の選手では現在、タイのラチャブリで爆発的な活躍を見せているヘベルチ(元仙台など)にも関心が寄せられているという。
 
 そして比較的、資金力を持つクラブが一番狙っているのは、まさに現在、Jで活躍をしている選手を引き抜くことである。実際に今夏には徳島がダヴィ(鹿島)にオファーを出すなど、表面化こそしていないものの、思い切った動きをしているクラブは少ないながらもある。
 
 レアンドロ(柏)に対しては横浜が強い関心を持っているようで、ウェリントン(湘南)も人気銘柄のひとつだ。今季の途中には韓国などからオファーを受けながらも拒否しているだけに、湘南としてもそう簡単に手放すつもりはないようだ。
 
 監督人事も選手と同じ状況にある。今季、鳥栖を率いていたユン・ジョンファンや清水の元監督アフシン・ゴトビの名前は依然として市場で挙がっており、レヴィー・クルピは某クラブと合意寸前と言われている。ランコ・ポポヴィッチや柏退団が決まっているネルシーニョも様々なクラブが関心を示しており、今後の動向から目が離せない。
 
 そして、ビッグネームでJ入りが噂されるのが、インドのデリー・ディナモス所属の元イタリア代表、アレッサンドロ・デル・ピエロだ。今夏にもあるJクラブからオファーを受けており、この冬には本格的な交渉に発展する可能性も出てきたという。
 
 さらにはロナウジーニョ(ケレタロ)の名前も挙がっているなど、今季のフォルランに次ぐビッグディール成立の可能性はありそうだ。
※『週刊サッカーダイジェスト』11月11日号(10月28日発売)