コンクラーベで注目を集める枢機卿とは?
新教皇を決めるべく、3月12日に始まったコンクラーベ。13日夜、アルゼンチンのホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿(76)が第266代法王に選ばれた。日本におけるキリスト教徒の割合は1%程度であり、コンクラーベで投票できる「枢機卿」は、多くの人にはなじみの薄い存在ではないだろうか。
ヨーロッパの歴史に、枢機卿は欠かせない存在だ。例えばアレクサンドル・デュマの「三銃士」を読んだ人なら、そこに悪役として出てくる枢機卿のリシュリューを覚えているはずだ。リシュリューは17世紀フランスに実在した人物で、聖職者でありながらルイ13世の宰相を務め、政治家としての評価は高い。そんな人物だからこそ、物語では悪役になったのかもしれない。
国別ではイタリアが49人と圧倒的に多い。次いでアメリカが19人、スペインが10人、ドイツとブラジルが9人だ。ただし教徒人口の伸びもあり、アメリカやアフリカの枢機卿の発言力が増している傾向がある。
日本ではこれまでに、土井辰雄(1892年12月22日〜1970年2月21日、1960年3月28日枢機卿任命)、田口芳五郎(1902年7月20日〜1978年2月23日、1973年3月5日枢機卿任命)、里脇浅次郎(1904年2月1日〜1996年8月8日、1979年6月30日枢機卿任命)、白柳誠一(1928年6月17日〜2009年12月30日、1994年11月26日枢機卿任命)、濱尾文郎(1930年3月9日〜2007年11月8日、2003年10月21日枢機卿任命)と、5人の枢機卿が任命されている。「たったそれだけ?」と思うかもしれないが、日本におけるキリスト教の歴史や、キリスト教信者の割合を考慮すると、むしろ多い方かもしれない。ただし存命中の日本人枢機卿はおらず、必然的に今回のコンクラーベにも参加していない。
枢機卿の大事な役目は、教皇を支えることだ。実際にはすでに国や地域で重要な役目についていることがほとんどで、枢機卿に任命されたからバチカンまで赴いて……というわけにはいかない。何かあった場合に相談に乗ったり、教皇が各地を訪れる際に案内役を務めることが多い。それだけに世界中から注目を集めるコンクラーベは、枢機卿にとっての一大イベントと言えるだろう。
それでは枢機卿になるにはどうすれば良いか。先に書いたように、枢機卿になる唯一の方法が、教皇から任命されることだ。まずカトリックに入信し、神学校を卒業する。そして助祭、司祭、司教といった職務に励みつつ、はるかバチカンの教皇に認められるのを待つ。ただしカトリックでは司教などになるのは、基本的に独身男性に限られる。これだけでも多くの人からため息が聞こえそうだ。
