元気に動き回るアイガモのヒナたち〈2026年6月13日撮影 大阪府松原市〉

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 アイガモ(合鴨)のヒナの出荷が、最盛期を迎え、『河内鴨(かわちがも)』を生産するツムラ本店(大阪府松原市)では、孵化(ふか)して間もない体長約10センチのヒナが元気な姿を見せている。

 ヒナたちは走り回ったり、エサをついばんだり、水浴びをしたりとすべての仕草が愛らしい。

元気に動き回るアイガモのヒナたち〈2026年6月13日撮影 大阪府松原市〉

 アイガモは水田で雑草や害虫を食べ、フンが肥料になるため、コメの無農薬や、化学肥料を使わない「有機農法」に一役買っている。田植えが終わる6月末までに約3000羽が全国各地の米農家に出荷される。

「アイガモ農法」では、アイガモが水田を泳ぎ回ることにより土がかき混ぜられ、稲の根に酸素が供給されるとともに、光を遮るため雑草の生育を抑制するという。

「ヒナたちは、ええコメを食べてますから、純白の上質な脂が乗るんですわ。飼育期間も長いんですよ。普通なら50日ですが、ウチは75日。すくすく育った河内鴨は、しっかりとした肉質とジューシーな味わいに。ヒナの舌も肥えてますよ」と話すのは、ツムラ本店の専務・津村大介さん(35)。

 飼育場に入り声を発すると、ヒナたちは一斉に近寄ってきた。
 大介さんは、「ヒナは音に対して敏感に反応するんです。無音の状態だと、不安がって萎縮してしまい、生育に影響するんです」と話す。
 ツムラ本店の飼育場の奥にはつい立てがあり、その内側からラジオの音声を流している。「ラジオから流れてくる声を、親鳥の声と錯覚してリラックスするんですよ」と説明した。

 大介さんは、父で5代目社長の佳彦さん(61)の後継者として、河内鴨ブランドのさらなる普及に奔走する。「ヒナの可愛さもバエる(映える)けど、やっぱり河内鴨をたくさんの人に味わってもらいたいんですわ」と訴える。

河内鴨ツムラ本店(大阪府松原市別所8丁目)

「合鴨(アイガモ)」の名が生まれた大阪・河内松原。

 歴史をさかのぼること戦国時代、琵琶湖畔の鴨肉を好んで食した豊臣秀吉が、近江・長浜から大阪城に居を移した時、大阪城の東から河内松原にかけて広がる湿地帯がアイガモの生産地になった。

 融点が体温より低く、口溶けの良さが売りの『河内鴨』ブランドのファンは多い。
 2019年のG20大阪サミットでは、首脳夕食会・カクテルの食材としても振る舞われ、「脂の甘みと旨味が素晴らしい」と各国首脳の舌をうならせた。

 ツムラ本店は、これまでにも松原市と連携し、小・中学校での出前授業や食育授業、学校給食への食材寄付などを行ってきた。

 昨年(2025年)は、大阪・関西万博でも地元のお土産品として『河内鴨』のもも肉・ささみのアヒージョを缶詰にして提供。カモの解体ショーも好評だった。

大阪・関西万博で河内鴨をアピール ツムラ本店・津村佳彦社長(61)と次男・重彦常務(29)

 さらに7月24日を「夏の大阪・鴨すき焼きの日」に制定(※)。カモの魅力を存分に発信すべく、7月初旬には松原市内の小・中学校の給食でも振る舞われる予定だ。

「鮮度高い河内鴨の肉質は最高でっせ!」
津村大介専務(35)「最初は家業を継ぐ気なかったんですわ」今は6代目として日々奔走

 さらに7月24日を「夏の大阪・鴨すき焼きの日」に制定(※)。カモの魅力を存分に発信すべく、7月初旬には松原市内の小・中学校の給食でも振る舞われる予定だ。

 かつて河内松原には鴨肉を扱う店が250軒ほどあったが、今となってはツムラ本店1軒のみ。

 大介さんは、「それだけに気合入れてやってますよ。昔から夏場の食材といえば江戸でウナギ、京都でハモ、大阪ではカモなんです。天神祭の時期にカモのすき焼きを食べて暑い夏を乗り切る、そうした食習慣を大事にしたいですね。アイガモ農法も、オーガニック意識の高まりで注目されている。こうした中、どんどん魅力を発信したいです」と意気込む。

 ※一般社団法人・日本記念日協会が2025年6月5日に正式登録