私たちの皮膚は、最も外側に「表皮」、その下に「真皮」という構造になっています。特に、体と外部の境界にある表皮では、潤いを保つと共に、外界からの異物の侵入を防ぐ役割を担っています。表皮は0.2mmほどの厚さですが、強い刺激を受ける足の裏や手のひらなどは厚く、まぶたのようによく動く部分は薄いなど、部位によっても厚さが違います。では、表皮の働きを詳しく見てみましょう。

まず、表皮の表面にあるのが角質層です。角質細胞が何層も重なってできており、その層の中に約20〜30%の水分が保たれています。角質細胞同士をしっかりつなぎとめて角質層を安定させることで、外からの刺激が体内に入らないように守ったり、体内から水分が蒸発しないようにしています。

角質層の下には、基底層で生み出された表皮細胞が層になっています。表皮細胞は角化して角質細胞になる前の“生きた細胞”で、表面に達したときに角質細胞になります。摩擦などの外的刺激を神経に伝えたり、アレルギー反応を起こしたりします。そして、表皮の最も底にあるのが基底層です。ここでは、真皮にある血管から酸素や栄養素を受け取り、細胞分裂によって新しい表皮細胞を生み出しています。また、紫外線に反応してメラニンをつくり出すメラノサイトがあります。

基底層で表皮細胞が生み出され、その表皮細胞がだんだん押し上げられて、やがて死んだ細胞である角質細胞となり、垢となって排出されます。このサイクルを「ターンオーバー」と呼びます。角質層で細胞が絶えず入れ替わることによって、肌の潤いが保たれているのです。また、皮膚に傷がついても跡が残らず回復するのは、ターンオーバーによって表皮の細胞が入れ替わっているためです。

ターンオーバーの期間は約28日とされていますが、加齢と共にこの速度は遅くなり、40代では約40日かかるといわれています。ターンオーバーの速度が遅くなると表皮が薄くなる一方で、角質細胞がたまって角質層が厚くなり、皮膚が硬くなって、肌がくすんで見えてしまいます。また、皮膚の再生が遅くなるためにシミが残り、ニキビなどができても治りにくくなるといわれています。(監修:健康管理士一般指導員)