ファーウェイ、クリーン発電に不可欠なグリッドフォーミングでさらに進化
華為技術(ファーウェイ)傘下のファーウェイ・デジタルパワーの侯金竜総裁は、先ごろ行われた第19回(2026)国際太陽光発電およびスマートエネルギー(上海)大会で、世界のエネルギー転換が「生産側(電力供給側)のクリーンエネルギー代替」と「消費側の電力使用への切り替え」の二大主軸で進んでいると指摘した。
侯総裁によると、重要性がますます高まりつつある太陽光発電や風力発電などの「新エネルギー」については、従来型の電力供給とは異なる課題が存在する。まず、「システムの高い変動性」や「サポート力の弱さ」だ。「システムの高い変動性」とは主に、自然環境に依存する発電では瞬間瞬間の発電量が常に変動することに由来し、「サポート力」とは、従来型の電力供給では高速・大質量で回転するタービンなどが電力網の安定に貢献してくれるのに対し、「新エネルギー」にはその仕組みが根本的に欠如していることを指す。これらの問題を解決する鍵が、グリッドフォーミングと人工知能(AI)技術の発展だ。
グリッドフォーミングとは、電力供給側などによる電力網の「能動的安定維持」だ。電力網では常に、電圧や周波数が極めて狭い一定範囲内に維持されねばならない。従来は、発電所の巨大なタービンなどが回る勢いを利用することで、全体のバランスを受動的に保っていた。しかしグリッドフォーミングでは、電力網に接続されたさまざまな機器、電力網の乱れを検知して自立的かつ能動的に電気の波を整えに行く。
また、これまでのグリッドフォーミングでは大型蓄電池での実用化が先行して進んできたが、侯総裁によると、今後は太陽光パネルから電気を取り出すインバーターや電力消費側、AIデータセンターなど、半導体で電気を制御するあらゆる電力機器に、グリッドフォーミングの能力を付与していく。
またAI技術に関連しては、AIを従来の補助ツールから「核心的な生産要素」へと転換していく。デジタル化システムを「エネルギーAIインテリジェント・エージェント」へと高度化し、感知や意思決定のスマート能力を形成させ、しかもAIの学習能力によって、電力システムを使えば使うほど賢く進化するようにする。
将来は、電力供給側、電力網側、電力利用側のあらゆる要素がこれら二つの能力を備えることで、安全で高効率な新型の電力システムが構築される。また、発電所の頭脳である「グリッドフォーミング型PCS(電力変換システム)」の技術高度化のため、ファーウェイはBMS(バッテリー管理)やEMS(エネルギー管理)などの能力を全面的に引き出し、新たな産業エコシステムを構築していく。
また、ファーウェイのスマート太陽光発電製品ラインの周涛総裁は同じイベントで、大型基地や送配電などに向けた革新的なソリューションを発表した。
周総裁によると、発電側における「100%クリーンエネルギー大型基地」をまず構築する。従来の「大型基地」は電力網の安定のために、火力発電所の協力を得たり専用の大型機器である同期調相機を設けることを必要としていた。すなわち、「二酸化炭素を放出しない発電施設」の稼働に伴い、「二酸化炭素の放出を伴う発電」を行うことが必要だった。しかし、スマートストリング式グリッドフォーミング型蓄電システムは、同期調相機と同等の能力を実現しており、複数のプロジェクトでその有効性が実証されている。
ここでの「スマートストリング式」とは、ファーウェイが力を入れてきた、バッテリーやパネルをいくつかの細いライン(ストリング)に小分けして、そのストリングごとに小さな制御装置を配置して充放電を個別に管理する方式だ。
周総裁は、スマートストリング式グリッドフォーミング型蓄電システムによりグリーン電力の供給比率を70%まで引き上げることが可能だと述べた。今後は、AI技術を応用することで太陽光、風力、蓄電の連合グリッドフォーミングを実現し、100%クリーンエネルギー基地を設けていく。実際にフィリピンの大型プロジェクトでは、AIによる高精度な予測と協同制御により100%グリーン電力の供給を実現した。
次に、送配電側における「新世代ストリング式グリッドフォーミングPCSソリューション」がある。蓄電システムは電力網の安定を支える中核施設になりつつある。ファーウェイが発表したPCSは、単機出力が430キロワットで、業界で最も広い直流電圧動作範囲を備え、システムのサイクル効率は業界トップの97.8%に達する。周総裁は、このPCSは単なる変換機ではなく、バッテリー制御と電力網安定化を一体化した「発電所の頭脳」だと強調した。ファーウェイはPCS、バッテリー管理(BMS)、エネルギー管理(EMS)、熱管理(TMS)の「4Sソリューション」を投入し、多くのパートナーと高品質な蓄電発電所の構築を進めている。
さらに、スマート管理の要となる「フュージョンソーラー・エージェント(FusionSolar Agent)」の進化も重要だ。ファーウェイが2025年に業界で初めて発表したこの仕組みは一言で言えば、太陽光発電所や蓄電所を24時間体制で全自動管理する、エネルギー分野に特化した「AIの相棒(インテリジェント・エージェント)」だ。周総裁によると、ファーウェイはこの仕組みについて、当初のデジタル化技術アーキテクチャからインテリジェント・エージェント技術アーキテクチャへの進化を実現した。このインテリジェント・エージェント技術は、「価値、能力、安全、人とAIの意思疎通」という四大分野での再構築を実現し、新エネルギー発電所のライフサイクル全体にわたるスマート管理の在り方を根底から一新したという。(翻訳・編集/如月隼人)
