宝塚記念を制したメイショウタバルと武豊(撮影・石湯恒介)

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 「宝塚記念・G1」(14日、阪神)

 2番人気のメイショウタバルが史上3頭目の連覇を達成した。鞍上の武豊騎手(57)=栗東・フリー=は先週の安田記念に続き2週連続のG1制覇。登録している凱旋門賞(10月4日、仏パリロンシャン)に向け、“タバル&ユタカ”の最強コンビにとっては弾みになる勝利となった。2着には1番人気のクロワデュノール、3着にはダノンデサイルが入った。

 思えばレース前からヒーローは決まっていたのかもしれない。発走20分前、突如激しく降り始めた“恵みの雨”。全ての人馬が泥だらけになってしまうほどの荒れた馬場で、輝きを増したのが2番人気のメイショウタバル。栄光のゴールをトップで駆け抜け、父のゴールドシップ(13、14年)、クロノジェネシス(20、21年)に続く史上3頭目の連覇を達成した。

 スタンドを包み込んだ“ユタカコール”。先週の安田記念で更新した最年長G1勝利記録を再び57歳3カ月に塗り替えた武豊はガッツポーズで応え「ようやくピークが来ました。遅咲きでした」とおどけつつも、「いや、もう、うれしいですね。本当にうれしい」と感無量。「松本会長が天国から雨を降らしてくれたんじゃないかな。あれから1年がたつけど、引き継いだメンバーでまた勝てたよと報告したいですね」。昨年の勝利の際には一緒に口取りをした前オーナーの松本好雄氏。その直後に病気で他界し、今年は隣にその姿はないが、天国に勝利をしっかり送り届けた。

 名手の冷静な手綱さばきが光った。発馬を決めるとハナには立たず、離れた2番手で追走。いつもとは異なる展開に場内はどよめいたが、「どういう形になるかは決めつけてなかった」。最後の直線で逃げるコスモキュランダをかわして先頭に立つと、あとは猛追するクロワデュノールとの一騎打ち。大阪杯では最後に力尽きたが、今回は首差しのいでリベンジを果たした。「今までなら前に馬がいるとムキになっていたけど、落ち着いて走ってくれていたね。改めてこの馬の強さを感じた」と相棒をたたえた。

 石橋師は「ホッとしました。ファンも多いですし、人気もある馬だしね。状態に関しては本当に自信がありました」と笑顔。愛馬の素質を感じながらも気性面の難しさから幾度となく歯がゆい思いをしてきたが、「すごく落ち着いていたし、つくづく大人になったなと思う」と成長ぶりを愛情タップリに口にした。

 次に見据えるのは世界の頂点−。「これで胸を張ってフランスに行けると思います。まだどんどん強くなっている」と鞍上が胸を膨らませれば、指揮官も「馬の状態を見て凱旋門賞になると思います」と力強く口にした。日本の悲願とも言える夢舞台。覚醒を遂げた“タバル&ユタカ”の挑戦から目が離せない。