「豊臣兄弟」菅田将暉が役作りで減量敢行!演出も感服「役者魂」“最期は戦場”のワケ“半兵衛ロス”広がる
俳優の仲野太賀(33)が主演を務めるNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(日曜後8・00)は14日、第23回が放送され、俳優の菅田将暉(33)が4年ぶり3回目の大河出演で挑んだ稀代の軍師・竹中半兵衛の最期が描かれた。奇しくも前日6月13日(1579年・天正7年)が命日。インターネット上には「半兵衛ロス」が広がった。菅田は病で痩せ細る表現として、役作りで減量を敢行。同回を担当したチーフ演出・渡邊良雄監督に撮影の舞台裏を聞いた。
<※以下、ネタバレ有>
NHK連続テレビ小説「おちょやん」などの八津弘幸氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ通算65作目。“天下一の補佐役”豊臣秀長を主人公に、豊臣兄弟の絆と奇跡の下克上を描く。兄・豊臣秀吉役は俳優の池松壮亮が演じる。
第23回は「さらば半兵衛」。荒木村重(トータス松本)が謀反。小寺官兵衛(倉悠貴)は独断で村重の説得に向かうが、捕らわれの身となってしまう。官兵衛も裏切ったという噂が流れる中、織田信長(小栗旬)が命じたのは、寧々(浜辺美波)が長浜で預かっている官兵衛の嫡男・松寿丸(森優理斗)の処刑。ためらう羽柴秀吉(池松壮亮)と羽柴小一郎(仲野太賀)に、竹中半兵衛(菅田将暉)は幼い命を救う策を提案し…という展開。
半兵衛の松寿丸救出策は“替え玉”。全責任は自身が負うとした。しかし、前野長康(渋谷謙人)は半兵衛が地蔵を拝んでいたと報告。子の供養か。小一郎は半兵衛が松寿丸を殺めるつもりだと疑った。
寧々たちが芝居を打ち、松寿丸を匿う。ようやく半兵衛の家臣が捕らえた時、慶(吉岡里帆)が産気づく。無事、女児が誕生。小一郎と慶に促され、半兵衛も赤子を抱くと、涙があふれた。「さあ…さあ、分かりませぬ」――。
「私の、負けでございます。あの子を抱いた手で、子を殺めることなど、できぬ」。松寿丸は美濃・菩提山城に匿うことに。織田信長(小栗旬)に“替え玉の首”を差し出した。
「それからしばらくして、半兵衛は三木城を攻める秀吉の陣におりました」(語り・安藤サクラ)
病床の半兵衛は「私も、戦場に出とうござる」「私が、風向きを変えてみせまする。頼みます。行かせて、くだされ」。蜂須賀正勝(高橋努)たちが半兵衛を担ぎ、見晴らしのよい場所へ運ぶ。秀吉軍は苦戦。半兵衛は扇子を掲げ「風が変わりまする」。そこへ備前岡山城主・宇喜多直家(緋田康人)が織田に寝返ったとの報。形勢は逆転した。
半兵衛「死にとうないのう…。まだ…死にとうない。おまえらのせいじゃぞ…」
半兵衛は静かに目を閉じ、扇子が地面に落ちる。
秀吉「しっかりせえ、半兵衛。まだ戦は終わっておらぬ。勝手に逝くでない!半兵衛!」
正勝「起きんか、半兵衛。おい、次はお主がわしを担ぐ番じゃ。起きんか、半兵衛!起きよ、起きよ!(と嗚咽)」
小一郎「半兵衛、この戦は、わしらの勝ちにござる!(嗚咽し)見事な策でござった」
秀吉「そなたの吹かせた風は、決して無駄にはせぬ」
竹中半兵衛は天正7年(1579年)6月、播磨攻めの陣中で病死。肺の病を患ったとされる。
半兵衛の最期を描くにあたり、渡邊監督は「菅田さんが“痩せます”とおっしゃってくださって。他のお仕事との兼ね合いもありますから、くれぐれも無理のない範囲で、とお願いしました」と明かし、その心意気に感謝。トレーナーのアドバイスの下、菅田は減量に挑んだ(キロ数は非公表)。
渡邊監督は「病気で痩せ細る時の方法は、スポーツで体を絞る時とは違うそうです。実際、減量後の菅田さんとお会いした時には、ここまで追い込むのかと驚きました。まさに役者魂ですよね」と感服。「クランクアップした後、回復食のお粥と梅干しをお食べになって。無事に終わって安心しました」と振り返った。
今作の半兵衛は「やはり私は、聖人君子にはなれそうもありませぬ。戦が楽しゅうて仕方ござらぬ」(第21回・5月31日)という“軍略マニア”。渡邊監督は「制作チームとしては、この半兵衛が病床で最期を迎えるのは違うよね、という方向性で進めてきました」。今際の際まで軍師として戦場にいるのは“必然”だった。
生野銀山が宇喜多調略の資金となり、半兵衛の読み(第21回)が見事に的中した。
「自分の命が間もなく途絶える状況にあっても、戦の行く末は、病床で伝え聞くのではなく、自分の目で確かめたい。軍師冥利に尽きる終わり方ですよね。それに、庵に閉じこもっていた半兵衛の前半生は独りぼっちで、彼にとっては寂しくなかったのかもしれませんが、小一郎・藤吉郎や正勝たちと出会って仲間ができ、新たな生命の誕生(小一郎と慶の子ども)にも触れ、人の絆を体感できた後半生は幸せだったんじゃないでしょうか」
半兵衛が事切れた際の台本のト書きには<半兵衛「(どこか笑っているようにも見える)」>とある。
「今申し上げたことが、このト書きに集約されていますよね」
第21回、官兵衛との軍師対決に火花を散らし、菅田の“顔芸”2連発が話題に。道半ばの無念さはあるものの、儚くも美しく、多幸感もにじむような最期の表情に胸打たれた。
