【解説】高市首相 初のG7サミットへ 米欧“亀裂”構図に「2つの提案」とは
高市首相は、フランスでのG7サミット出席に先立ち、現在、イギリスを訪れています。サミットでの狙いについて、同行している政治部官邸キャップ・矢岡亮一郎記者に伝えてもらいます。
高市首相が宿泊しているロンドン中心部のホテルの前にいます。後ろに見えるのは、首相一行の車列です。まもなくイギリスのスターマー首相との首脳会談に向かうため、姿を見せることになっています。
さきほど高市首相は、市内のウェストミンスター寺院で献花をしました。今回、イギリス国内の日程は、首脳会談とこれだけで、G7サミット本番に備えています。
高市首相としては、初めてのG7サミット出席です。いまG7は、トランプ大統領が「多国間の協調」よりもアメリカの利益を優先して各国と取引するディール外交を重視する方針ということもあって、なかなか主要国で一致してメッセージを発信できない、言うなら「G6+アメリカ」という亀裂が入った構図にもなっています。
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ことしのサミットは、中東情勢が大きな局面を迎えて、トランプ大統領が協力姿勢を見せないヨーロッパ各国に強い不満を抱く中で行われます。
実は亀裂は、第一次トランプ政権の2018年のサミットでもありました。
当時の安倍首相がトランプ大統領とヨーロッパ首脳との対立の間に入って仲裁役を果たしたとされる場面の有名な写真もあります。
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今回、トランプ大統領と親密な関係を構築している高市首相が、サミット初参加でありながら、「G7の結束」をいかに演出するか、難しい外交にもなりそうです。
──その高市首相はどのようにトランプ大統領をG7につなぎとめるのでしょうか?
首相周辺は「トランプ大統領には、理念やビジョンを言っても響かない。具体的な利益が必要だ」と言っています。
■高市首相の2つの提案1:エネルギー供給

そのため、高市首相は今回、トランプ大統領を含めたG7すべての国が利益だと思える「2つの提案」を用意しているんです。一つは、「エネルギー」。
高市首相は今回、高市政権がアジアなどで進める石油備蓄強化の枠組みをG7にも広げるほか、産油国との連携などを訴えることにしています。
トランプ大統領は、秋に中間選挙を控えて国内のガソリン価格高騰が支持率に直結しますので、エネルギー分野でのG7の連携はアメリカも賛同しやすい議題になるとみられます。
■高市首相の2つの提案2:レアアースなどの重要鉱物

2つ目の提案は「レアアースなどの重要鉱物」の共同備蓄です。アメリカをはじめG7各国は、中国のレアアースの輸出規制に、強い警戒感を持っています。レアアースなどの重要鉱物もエネルギー供給と同様G7「共通の利益」になります。
そこで高市首相は今回、供給が滞った時にG7各国が備蓄を共同で放出してやりくりするという重要鉱物の「共同備蓄」の構想を提案します。
首相周辺は、「中国の経済的威圧への対抗策になる」と。また、別の政府関係者は、「重要鉱物の提案は、結果的に対中国での『G7の結束』につながる」と話していて、これはアメリカも当然のってくるはずです。「供給網の強化」だけでなく、外交上のメリットも期待できる、というわけなんです。
──今回、トランプ大統領と高市首相の2人での会談は予定されているんでしょうか?
これはまだセットされていません。トランプ大統領は、きょう14日が誕生日です。高市首相としては、お祝いを直接伝えることも含めて、機会をとらえて接触はしたい考えです。
一方で3月のワシントンでの日米首脳会談ではホルムズ海峡での安全確保を巡って高市首相が「正式な停戦合意までは自衛隊の派遣は難しい」との認識を伝えています。今回、アメリカとイランが戦闘終結で合意すれば、なんらかの貢献を求められる可能性がありまして、こちらも難しい対応が迫られます。