原子力

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2026年6月10日、中国メディア・観察者網は、AI需要の急増を背景に中国が急速な原子力発電の拡大を進め、5年以内に米国を抜き世界最大の原子力エネルギー生産国になる見通しだと報じた。

記事は、経済調査会社ガブカル・テクノロジーズの報告書を引用し、稼働中の原子炉では米国が依然として世界最大規模を保っている一方で、世界で建設中の原子炉の半分近くは中国が占めており、5年以内に設備容量で米国と肩を並べると伝えた。

そして、同社のアナリストが報告書の中で、2035年までに中国が最大規模の原子力エネルギー産業を保有することに疑いの余地はないと記していることを紹介した。

記事は、AI産業による電力需要の急増や、ホルムズ海峡封鎖などの地政学リスクがエネルギー安全保障問題を再認識させ、二酸化炭素を排出しない信頼性の高い解決策として原子力エネルギーが注目されていることに言及した。

その上で、中国が政府による強力な支援の下で原子力発電開発を進めており、現在商業運転中の原子炉が60基、建設中が36基、建設承認済みが16基に上ると紹介。全てを合計した総設備容量は1億2500万キロワットで世界1位となっており、中国原子力エネルギー業界協会の楊長利(ヤン・チャンリー)理事長によると、2040年には2億キロワット規模に達する見込みだと伝えている。

一方、米国の原子力産業は長期停滞しており、トランプ大統領による復活への意欲はあるものの、高コストや規制が壁となり拡大の見通しは不透明だと指摘。中国が原子炉の新設に要する期間は平均6年であるのに対し、米国は10年以上を要するというガブカル社の報告にも言及した。

記事はこのほか、中国の技術革新の象徴として、中国科学院院士(アカデミー会員)で合肥物質科学研究院核安全技術研究所の主席科学顧問である呉宜燦(ウー・イーツァン)氏らによるチームが開発した10メガワット級のトラック車載型原子炉の試作機を取り上げ、燃料補給なしで中規模データセンターの電力を数十年間賄えることから、従来の大型原発による集中送電モデルを打破する可能性があると紹介した。(編集・翻訳/川尻)