韓国とEU首脳の共同記者会見で発言する李在明氏(韓国青瓦台)

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韓国の李在明大統領は10日、ベルギー・ブリュッセルで欧州連合(EU)の首脳と会談し、ロシアと北朝鮮の軍事協力を「違法」として強く非難した。進歩派から生まれた李政権が、北朝鮮問題を巡っては国際社会との歩調を維持する姿勢を鮮明にした形だ。

李大統領は欧州理事会のコスタ議長、欧州委員会のフォンデアライエン委員長との首脳会談後に採択した共同声明で、「ロシアと北朝鮮の違法な軍事協力を強く糾弾する」と明記した。露朝協力はロシアによるウクライナ侵攻の継続を可能にする要因だと指摘し、関連する国連安全保障理事会決議の順守を求めた。

共同声明はまた、北朝鮮の度重なる弾道ミサイル発射に「重大な懸念」を表明し、「朝鮮半島の完全な非核化」へのコミットメントを再確認した上で、北朝鮮を核保有国として認めない立場を共有した。

今回の声明が注目されるのは、李政権の対北姿勢を占う材料となるためだ。李氏は韓国の進歩陣営出身で、就任後は南北間の緊張緩和や対話再開に前向きな姿勢を示してきた。一方で、北朝鮮の核・ミサイル開発やロシアとの軍事協力については、国際法違反として明確に線引きする現実主義的な側面ものぞかせている。

背景には、韓国を取り巻く安全保障環境の変化がある。

北朝鮮はロシアとの軍事関係を急速に深化させており、兵器供与に加え、人的交流や軍事技術面での協力拡大も指摘されている。さらに、中国の習近平国家主席が今月の訪朝で中朝関係の強化を打ち出した一方、従来繰り返されてきた「朝鮮半島の非核化」が表立って語られなかったことも、韓国国内で波紋を広げている。

もっとも、現時点で韓国政府が安全保障政策の大幅な転換に踏み切る兆候は見られない。李政権は米韓同盟を外交・安保の基軸と位置付けつつ、日本や欧州との協力も維持する「実用外交」を掲げている。

それでも、露朝軍事協力の常態化や北朝鮮の核戦力増強が続けば、韓国国内では独自核武装論や米国の戦術核再配備を求める声が再び強まる可能性もある。今回のEUとの共同声明は、そうした議論への直接的な回答ではない。しかし、北朝鮮を巡る脅威認識について、進歩政権であっても国際社会との共通認識を維持する意思を示した点で、小さくない意味を持つ。

南北対話への期待と、厳しさを増す安全保障環境への対応――。李政権は今後、その二つの課題の間で難しいかじ取りを迫られることになりそうだ。