「Soundcore Liberty 5 Pro Max」

アンカー・ジャパンが5月27日に発売した新完全ワイヤレスイヤフォン「Soundcore Liberty 5 Pro シリーズ」。ブランド史上最高のノイズキャンセリング性能と進化した音響体験、さらに充電ケースにAIボイスレコーダー機能を備えるなど“全部盛り”なモデルを1週間使って、その“プロっぷり”を味わった。

Soundcore Liberty 5 Pro シリーズは、「Soundcore Liberty 5 Pro」と「Soundcore Liberty 5 Pro Max」の2モデル展開。どちらもアンカーが独自開発したAIチップ「Thus」を搭載しており、従来モデルから大幅な省電力化を実現し、ノイズキャンセリング性能や音質などイヤフォン全体の機能性を飛躍させたという。

「Soundcore Liberty 5 Pro」

「Soundcore Liberty 5 Pro Max」

カラーバリエーションと価格は、Pro Maxがミッドナイトブラックとシャンパンゴールドで36,990円。Proがミッドナイトブラック、パールホワイト、スカイブルー、シルバーピンクで26,990円。今回はPro Maxのミッドナイトブラックを借りている。

違いは充電ケース。Pro Maxはディスプレイ、ボイスレコーダーなど“全部盛り”

「Soundcore Liberty 5 Pro Max」はケースにAIボイスレコーダー機能を備える

2モデルの大きな違いは充電ケースの機能で、Pro Maxモデルは、ケースのフタ全面がディスプレイになっており、ノイズキャンセリングの強度調整やモード切り替え、電池残量の確認などが可能。

またPro MaxのケースはAIボイスレコーダー機能も搭載している。ケースからワンタッチで録音を開始でき、アプリ経由でAIによる文字起こし、要約を利用できる。マグネット式ワイヤレス充電にも対応。

「Soundcore Liberty 5 Pro」は本体側面にディスプレイ

通常のProモデルもディスプレイを備えておりタッチ操作も可能だが、搭載位置はケース側面で、画面サイズも小さめ。ボイスレコーダー機能は備えず、ワイヤレス充電も利用できるが、マグネット式には非対応となる。

「Soundcore Liberty 5 Pro Max」のイヤフォン

そのほかのスペックは共通で、イヤフォンには9.2mm径ダイナミックドライバーを搭載し「歪みを抑えながら迫力と繊細さを両立したクリアな中高音域と迫力ある低音サウンドを実現」したという。デュアル低音増強ダクトを備えるほか、人工知能を活用して低品質の音声をよりクリアで自然な高解像サウンドに変換するというAIサウンド補正機能も利用できる。

また立体音響で臨場感を実現するDolby Atmosにも最適化されており、アプリ「Soundcore」や充電ケースから機能を有効にできる。なお、ケースやアプリには「Dolby Audio」と表示される場合があるが、製品自体はDolby Atmosに最適化されているとのこと。

Bluetooth 6.1準拠で、コーデックはSBC、AACに加え、ハイレゾワイヤレスを楽しめるLDACもサポート。最大3台の端末と同時接続するマルチポイント接続にも対応する。なお、LDAC併用時の同時接続数は2台まで。

ノイズキャンセリングは、“アンカー史上最高”を謳う「ウルトラノイズキャンセリング 4.0」に対応。AIチップのThusと8つのセンサーがリアルタイムでノイズを処理することで、前モデル「Soundcore Liberty 4 Pro」から約2倍のノイズキャンセリング強度を実現したという。

バッテリー駆動時間はイヤフォン単体・ノイズキャンセリングON時で最大6.5時間、ケース併用で最大28時間。

サイズが異なるイヤーピース4種と、ウィング2種が付属する

音質は“クセつよ”Liberty 5から変わった?

左が「Soundcore Liberty 5」、右が「Soundcore Liberty 5 Pro Max」のケース

Pro Maxのケースは、従来のLibertyシリーズと同じく角が丸みを帯びた四角形だが、ディスプレイを搭載している分、2025年5月に登場した「Soundcore Liberty 5」と比べると、少し厚み(高さ)が増している。手が小さい人は片手での開閉に少し苦労するかもしれない。

「Soundcore Liberty 5 Pro Max」ではディスプレイの壁紙をカスタム可能

ちなみにPro Maxのディスプレイは壁紙を自分好みにカスタマイズ可能。筆者のようにペットや家族、あるいは推しアーティスト・アイドルの画像にするといった楽しみ方もできる。

左が「Soundcore Liberty 5」、右が「Soundcore Liberty 5 Pro Max」のイヤフォン。カナル型構造は変わらないが、スティック型ではなくなった

インナーイヤー型「Soundcore Liberty Buds」

イヤフォンの形状は従来のスティック型から刷新。耳穴にイヤーピースを挿し込むカナル型構造は変わらないが、筐体は同社のインナーイヤー型「Soundcore Liberty Buds」に近い形状になり、本体上部のイヤーウィングでも耳に固定できる。筆者が試した限り、普通に歩いたり、小走りする程度ではズレるようなことはなかった。

音質はiPhone 16 Proとペアリングしてチェック。音源にはApple Musicを使用した。また比較用としてLiberty 5と聴き比べてみた。どちらもアプリ「Soundcore」からイコライザーや、自分好みの音にできる「HearID」が利用できるが、いずれもデフォルトで試聴している。

まずは2025年に登場したLiberty 5から。ドライバー構成は9.2mm径ダイナミック型+デュアル低音補強ダクトで、AIサウンド補正に非対応な点以外はLiberty 5 Proシリーズと変わらない。

「サカナクション/夜の踊り子」を聴いてみると、イントロからスネアドラムの存在感が強く、サビ部分では唸るようなベースサウンドも重なってきて、とにかく低音がパワフル。思わず身体を動かしたくなるようなサウンドだ。

「Mrs. GREEN APPLE/僕のこと(Orchestra ver.)」も聴いてみると、ボーカル・大森元貴の抜けるような歌声が広い空間に響く様子がわかり、解像感の高さ、空間描写の広さを感じられる。

ただ、こちらも低音がパワフルに再生されるため、ボーカルよりもストリングス隊のサウンドが前面に出てきてしまう場面も。こうした低音の迫力がそこまで必要ではない楽曲も派手になってしまう点は好みが分かれるポイントだろう。

女性ボーカルとして「HANA/ROSE」や「櫻坂46/Lonesome rabbit」、Netflixオリジナルアニメ映画「KPOPガールズ!デーモンハンターズ」の劇中歌「Golden」なども聴いてみると、ややピーキーさがあり、楽曲によっては時おり“サ行”が耳に痛いような場面もあった。

最新モデルのLiberty 5 Pro Maxにチェンジ。同じく「サカナクション/夜の踊り子」を再生すると、こちらも冒頭からスネアドラムが「ボンッ! ボンッ!」と小気味よいが、Liberty 5ほどの強烈さはなく、ボーカルとのバランス感も良い。

「僕のこと(Orchestra ver.)」では、ストリングスのパワフルさが和らぎ、大森元貴のボーカルとのバランスも良くなる。一方で解像感はLiberty 5と比べると1歩ダウン。空間描写も、ほんの少しだが狭まった印象を受けた。

女性ボーカル楽曲はLiberty 5で気になったピーキーさも薄まり、“サ行”が耳に刺さるようなこともなくなった。解像感・空間描写はLiberty 5のほうが上手だが、サウンド全体はLiberty 5 Pro Maxのほうがバランスが整っている印象で、個人的にはLiberty 5 Pro Maxのほうが好みだった。

ノイズキャンセリングの強さもチェックした。Liberty 5は4マイクの「ウルトラノイズキャンセリング 3.5」に対応しているのに対し、Liberty 5 Proシリーズは8マイクの「ウルトラノイズキャンセリング 4.0」に対応している。

電車でノイズキャンセリングの強さも聴き比べてみた

通勤/外出中に電車内でも使い比べてみると、Liberty 5は線路のつなぎ目を乗り越えるときの「ガタンッガタンッ」という低音が耳に届くのに対し、Liberty 5 Pro Maxでは低音部分がしっかりキャンセルされる。

電車のモーターの「ヒューン」という高回転の音や、「コォーッ」という車内空調の音はLiberty 5 Pro Maxでも耳に届くが、低音成分がマスクされるため、全体的な騒音感はLiberty 5 Pro Maxのほうが薄めだ。

また、上述の音楽試聴をした部屋は、かなり静かな空間だったものの、すぐ真横で空気清浄機が動いている状況。Liberty 5ではノイズキャンセリングを使っていても「コォーッ」と低音も混じった駆動音が耳に届くのに対し、Liberty 5 Pro Maxでは「サーッ」という高音部分だけが聴こえる程度で、こちらもLiberty 5 Pro Maxのほうがノイズキャンセリングの強さを感じられた。

着実に進化を遂げているLibertyシリーズ。使い方に合わせた機種選びが鍵

イヤフォンに独自AIチップを搭載することで、大幅に性能強化が図られた「Liberty 5 Pro」シリーズ。音質面でも、その恩恵は大きく、Liberty 5よりもバランスの整ったサウンドに感じられた。

ノイズキャンセリングもLiberty 5から強化され、他社の上位モデルにも迫るパフォーマンスになっている。

一方で気になるのは、やはり価格。2025年5月発売のLiberty 5が14,990円に対し、Liberty 5 Proが26,990円と1万円以上アップ。Pro Maxは36,990円と、アップルの「AirPods Pro 3」(直販39,800円)や、ソニー「WF-1000XM6」(直販39,600円)などと変わらない価格帯になった。

もちろん、Pro Maxはケースにディスプレイを備え、AIボイスレコーダー機能も利用できるなど、他社にはない機能も備えており、昨今の物価上昇も踏まえると致し方ない部分もある。

ケース周り以外のスペックは、ProとPro Maxで大きな違いはないので、“他社フラッグシップ級の性能”をコスパよく手にしたい人はPro、レコーダー機能も使いたいビジネスユーザー、ディスプレイ付きケースを推し活などガジェット的に活用したい人はPro Maxなど、自分の使い方に合わせた選択がベストだろう。