31日のキリンチャレンジカップ・アイスランド戦限定での日本代表復帰を果たしたDF吉田麻也(LAギャラクシー)は合宿初日に話した「お客さんとして来ているわけじゃない」との言葉どおり、練習でのパフォーマンスでもって北中米W杯への準備を進めるチームを大いに盛り立てている。

 28日のトレーニングではスローイン起点のポゼッション練習、ビルドアップからシュートまでのパターン練習、40mコートでのミニゲームでそれぞれCBを担当。メニューごとにDF渡辺剛(フェイエノールト)やDF冨安健洋(アヤックス)とコンビを組み、持ち前のフィジカルを活かした迫力ある守備で存在感を見せていた。

 他の選手はW杯に向けたコンディション調整の最中。吉田は「ヨーロッパの選手たちはシーズンが終わって帰ってきたばかりなので多少疲れもあるのかなと思う。ここでしっかり身体を作り直して、モンテレイに行って、本格的に身体を作っていい状態で初戦を迎えられるようにすべきだと思うし、今のところはいい感じかなと思う」とW杯メンバーへの配慮を口にする。

 だが、吉田自身は至って本気で目の前のトレーニングと向き合っている。

「ここで良くないと意味ないでしょ。僕にとってはこの合宿がW杯みたいなもので、日曜日が僕にとってのW杯。もう今日が終わって『もうあと2回しかトレーニングできないな』って思いながら、噛み締めながらやっています。その中で遠慮して行くとお互いにとって良くないのでいつも通りやってますね」

 前回のカタールW杯後、吉田は世代交代に伴ってA代表から離れており、代表活動は3年半ぶり。プレースピードへの適応力が問われそうなブランクだが、スモールコートかつタッチ制限付きのメニューにも十分に順応している。

 日本代表のプレー基準については事前にDF長友佑都(FC東京)ともコミュニケーションを交わしていた様子。「普段やっていないと身体もそうだし、目も慣れていかなきゃいけない。もともと佑都ともその話をしていた。僕としてはすごく楽しいですね。いつもより違う刺激が体に入って、佑都も言っていたけど、本当に一つひとつの細胞が若返っているような気持ちになっている」。練習後にはハイスプリントも欠かさず行い、この環境に戻ってきた充実感を胸に毎日を過ごしているようだ。

 そんな吉田にとって気になるのが森保ジャパン発足当時から気にかけてきた冨安の存在だ。冨安自身も長期の負傷離脱から復帰したばかりで、この日が2年ぶりの代表合流。吉田は「彼の能力はみなさんご存知の通りで、一番(の願い)はケガをしないこと」と初招集当初から強調していた言葉をあらためて口にしつつ、愛のあるメッセージを送った。

「冨安に関してはコンディションがいいって言っている時が一番『大丈夫か?』って(苦笑)。(大会まで)まだまだ時間があるので、焦らずにコンディションをベストに持っていってほしいし、彼がいるといないとでは後ろの戦力が大きく変わってくるので、心配はしている」

 吉田にとって冨安、DF板倉滉といった頼れる後継者の活躍は長年の悲願。アイスランド戦では往年の「22番」を背負って好パフォーマンスを見せ、本大会で「22番」を受け継ぐ愛弟子への何よりのエールとするつもりだ。

(取材・文 竹内達也)