日本がビジネス上の「オワコン」であると断言できる、3つの理由
本記事では、佐野 Mykey 義仁氏の著書『ずる賢い人のための億万長者入門 成功者の9割は性格が悪い』(KADOKAWA)より、日本の実態と、海外を視野に入れてビジネスを展開することの合理性を見ていく。
ビジネスや投資で成功したいなら「海外で」
断言する。ビジネスや投資で成功したいなら、日本から出て、海外でやれ。あるいは、百歩譲って日本国内にとどまるとしても、海外に向けた事業や投資をしろ。これが「億万長者になる」ための大前提である。
日本でお金を稼ぐことがいかに非合理であるか、「海外展開がマスト」であるかを自覚してもらいたい。日本が嫌いで言っているわけではない。生まれ育った国だし、愛着も多少はある。だからこそ、厳しいことも言わなければならない。
愛国心に満ち溢れた読者にとっては、つらいことかもしれないが、この国のためにも事実から目をそらしてはいけないのだ。まず、なぜ日本がビジネス上の「オワコン」であるのか、3つポイントを伝えよう。
1.人口ボーナス
1つ目は、「人口ボーナス」である。日本の人口は約1.2億人で、世界の人口は約82億人だ。このとき、1.2億人に売れる物をつくるよりも、82億人に売れる物をつくるほうがはるかに稼げるのは当然のことだ。
今後日本の人口はますます減少し、世界の人口はますます増加する。となれば、世界に展開するビジネスを構築することが必須命題になる。
2.上がらない給料・単価
2つ目は、「給料」「単価」の問題である。ここ数十年、日本は経済成長せず実質賃金はほとんど上がっていない。だから優秀な人材は集まらないし、物の値段もほとんど上がってこなかった。現在のインフレはコストプッシュ型なので、経済が成長しているわけではない。ずっと「横ばい」を続けている国でビジネスをすることに戦略的合理性はない。
海外では賃金が上がり継続的にインフレが起こっている。だから物の値段を10〜15%上げてもなんら問題ない。値上げをしやすい環境で物やサービスを販売したほうが、ビジネスするのは楽だし有利に進められる。
3.円の弱さ
3つ目は、「円の弱さ」だ。円の価値がどんどん下がっているので、同じ物やサービスを売るにしても、円よりドルで稼いだほうが、はるかに稼ぐことができる。外貨を稼いで日本に持ってくれば、結果として日本の国力アップに貢献できる。円で稼ぐ理由は1つもない。
僕はときどき「マイキーさんは日本が嫌いですよね」と言われることがある。そんなことはまったくない。海外で外貨を稼いだほうが合理的なだけだし、それは最終的には日本にも恩恵をもたらすものと考えている。
NBA選手になりたければ、日本の大学に行くよりも、アメリカの大学に行ったほうが有利だ、といった感覚に近いかもしれない。次項より、詳細なデータから日本のオワコンぶりを見ていくことにしよう。
30年で実質賃金が下がった日本
日本のスタートアップでユニコーン企業(創業10年以内で時価総額10億ドル以上の未上場のベンチャー企業)は、2025年現在、たった9社しかない。
世界には1500を超えるユニコーン企業があり、そのうちアメリカが758社、中国が343社程度を占めている。日本のユニコーン数は世界14位、というのが現実である。
[図表1]国別のユニコーン企業数(2025年) 出典:Hurun Global Unicorn Index 2025
都市別のユニコーン数ランキングでも、トップ30の中に東京は入っておらず圏外だ。これでは事業を立ち上げたとしても、世界的に評価される会社に成長させるのは難しい環境だと言わざるをえない。
次に、日本の賃金の現状を見てみよう。図表2を見ると、1995年の実質賃金を100としたとき、他国は軒並み実質賃金が増えているというのに、日本だけが落ち込んでいることがわかる。
[図表2]実質賃金指数の推移の国際比較(1995年=100) 出典:厚生労働省
図表3・4を見ると、日本だけ平均賃金(年収)が横ばいで韓国にも抜かれ、1人あたりのGDPは韓国と台湾にも抜かれてしまったことがわかる。
[図表3]主要国の平均賃金(年収)の推移(OECD調べ) 出典:OECD
[図表4]韓国・日本・台湾の1人あたり国内総生産(GDP)推移 出典:日本経済研究センター
日本は大都市でも、相対的に給料が少ない国
そして驚くべきは、47都道府県の中で、東京や大阪の可処分所得が相対的に少ないことである。東京は42位、大阪は44位なのだ。支出が他県に比べて多いとはいえ、相対的に可処分所得が、つまり給料が少なすぎるのである。日本は都市に貧乏人が集まってきている国なのだ。
東京や大阪は、外国の「スラム街」と同じだと言っても過言ではない。日本はセーフティネットが発展しているので、現実にはスラム化していないが、貧乏レベルはスラム街と同様なのである。
また、図表5は2010年から2022年までの「円の実質実効為替レート指数」を表している。実質実効為替レートとは、貿易量や物価水準をもとに算出された通貨の購買力を総合的に測る指標だ。「円の強さ」がわかるものである。
[図表5]円の実質実効為替レート指数 出典:日本銀行
これを見ると、2010年=100としたとき、2012〜14年の第二次安倍政権を経て、40%も落ちてしまっているのである。これは1000万円預けていたお金が、海外から見れば600万円の価値になってしまったことを意味する。
ウクライナ戦争でロシアが経済制裁を受けたことは記憶に新しいが、ロシアルーブルよりも日本円の価値のほうが自然と落ちてしまっているのだ。
こうなってくると、日本円を稼ぐ意味はなくなる。同じ100万円を稼いだとしても、1年後に10万円になっている通貨より、1年後に200万円になっている通貨を稼いだほうが、どう考えても合理的だ。
100万円持っているなら、50万円は「ドル」に
次に、2020年=100として、もう少し時間軸を広げて見てみよう。実質実効為替レートは、1995年の1ドル80円のとき、最高値で193.95ポイントまで上がっていた。しかし、リーマン・ショックを経て、2025年12月時点で68.82ポイントまで落ち込んでしまった。これは1970年当時、すなわち日本が発展途上国から抜け出す時期よりも低いポイントなのである。「円? そんな安いお金いるか!」と思わない人は謎すぎる。
こういった日本の現実があるため、僕は海外でビジネスすることを強く勧める。国内で海外向けのビジネスを展開することもできるが、国内にいると、国内の情報しかとれなくなって情報の質が低くなる懸念がある。だから実際海外に行き、そこで事業を拡大していくほうが手っ取り早い。
「自分にはそれができない、どうしても日本国内でやりたい」という視野の狭い人向けの話もしておこう。最低でもドルと円は半分ずつ保有しておくべきだろう。100万円持っているとしたら、50万円はドルにして持っておくのだ。
こうしておけば、円の価値が下がればドルの価値が上がり、円の価値が上がればドルの価値が下がって、結果トントンになる。為替レートによる価値の目減りを回避することができるのだ。1ドル100円が150円になると、お金の価値は減ったように感じるが、世界から見たら1ドルは1ドルなのだから。
とはいえ、それはあくまで自衛の手段にすぎない。日本人が手持ちの外貨を増やしたとしても、海外で外貨を稼いでくる日本人が増えなければ、日本は本当に発展途上国に戻ってしまうかもしれない。
