鹿児島市が整備を目指すサッカースタジアムについて、市がスタジアム本体の整備費としておよそ200億円を想定していることが、関係者への取材でわかりました。

鹿児島市は、サッカースタジアムについて、鹿児島サンロイヤルホテルの跡地と、県立鴨池庭球場の2か所が「候補地になり得る」として、スタジアムの配置案や整備費の算出などを比較する調査を行いました。

スタジアムの本体整備 いくらを想定?

複数の関係者によりますと、調査では鹿児島サンロイヤルホテル跡地に整備した場合、鴨池庭球場よりも数十億円多い費用が見込まれ、工期も数年遅れることが見込まれるということです。

また、スタジアムの本体整備におよそ200億円を想定していることが新たにわかりました。

市議会や県議会を経て 県と協議か

市は今月29日、鹿児島市議会の委員会で調査の結果を説明し、今後は市議会や県議会での議論を踏まえた上で、スタジアム建設に向け、県と協議に入るとみられます。

「時間軸」や整備費など比較 【スタジアム解説】

鹿児島市がめざすサッカースタジアム整備。あらためてこれまでの経緯も踏まえて見ていきます。

候補地選びが始まったのは2017年。議論が一時停滞したこともありましたが、去年11月、塩田知事と下鶴市長のトップ会談で、本港区への移転を計画する鹿児島サンロイヤルホテル跡地と、白波スタジアム横の県立鴨池庭球場の2か所が「候補地になり得る」と発表されました。

(塩田知事)「鹿児島サンロイヤルホテル敷地等と県立鴨池庭球場敷地がスタジアムの候補地となり得るか調査する」

(下鶴市長)「ここに至るまで一緒になって検討を重ねていただいたことに、あらためて感謝する」

関係者への取材まとめ サンロイヤル跡地と鴨池庭球場、2候補地の比較は

鹿児島市は1600万円あまりをかけて、2か所の候補地の調査を今月まで行っていました。今回、MBCが複数の関係者に取材した情報をまとめます。

スタジアム本体の整備費はおよそ200億円で、どちらも同じですが、2つの場所にはそれぞれに課題がありそうです。

「サンロイヤルホテルとその周辺は、そばに飲食店などがあります。こうした土地を取得する費用が必要になります」

サンロイヤル跡地は土地取得に数十億円

サンロイヤルホテル跡地に整備する場合は、土地の取得費が数十億円程度かかる見込みです。

一方、県立鴨池庭球場の敷地に整備する場合、市の土地のため取得費は別途かかりませんが、庭球場の移設費用が発生します。

金額はわかっておらず、移設費をどこが負担するか、これまで県と市の足並みがそろっているとは言えません。

「県としては鹿児島市に負担してもらいたい」

【去年12月 県議会】

(県観光・文化スポーツ部 桑代毅彦部長)「鴨池庭球場を移設する費用については、県としては鹿児島市に負担してもらいたい」

(鹿児島市 堀之内勇 観光交流局長)「庭球場の移設費用についても調査結果を踏まえ、今後、県と協議したい」

このように移設費をどこが負担するかは課題となっています。

国の交付金も

巨額の整備費に活用できる国の交付金もあります。公園施設として整備する場合は、国の「社会資本整備総合交付金」で、整備費の最大2分の1をまかなうことができます。

代表的なものとしては広島市にあるエディオンピースウイング広島があります。総事業費286億円のうち、国の交付金や補助金がおよそ101億円充てられました。

様々な条件がある中、決め手になりそうなのは「時間軸」です。

決め手は時間軸

【今年1月】

(下鶴市長)「建築費の高騰が続く中、時間軸を意識し、早期実現に向けた取り組みが必要」

下鶴市長はこれまで再三「時間軸」という言葉を使って、早期整備を訴えてきました。長引く建築費の高騰に加え、中東情勢が追い打ちをかける中、費用を抑えるには早期の整備が必要とされています。

住吉町への移転を計画中のサンロイヤルホテルは、2032年の供用開始を予定しており、庭球場敷地への整備と比べて数年単位での遅れが予想されます。

県は多額の費用負担に難色か ユナイテッドFCにはJ1クラブライセンス付与

なお、鹿児島ユナイテッドFCには、来シーズンのJ1クラブライセンスがきょう5月26日に付与されました。

ただし、白波スタジアムは施設基準を満たしておらず、基準を満たすための計画や構想を、今年7月末までにリーグに提出しなければなりません。

整備費だけで200億円ほどを見込む大型事業。

関係者によりますと、県は多額の費用を負担することに難色を示しているとみられ、今後は、巨額の整備費を市と県に加え、民間も交えてどう負担しあうのかが焦点となります。

下鶴市長「オール鹿児島で費用負担が必要」

巨額な費用負担について、鹿児島市の下鶴市長は27日の定例会見で、「県、市、民間のオール鹿児島での費用負担が必要」との認識を改めて示しました。

(鹿児島市下鶴隆央市長)「我々としては、この調査結果は、市民の代表である市議会に対して説明をしたいと考えていて、29日に市議会の委員会において報告する予定」

費用については県、市、民間で負担するという考えを改めて示しました。

(鹿児島市下鶴隆央市長)「スタジアム検討のそもそも前提がオール鹿児島の枠組みなので、県・市・民間それぞれオール鹿児島での費用負担が必要であると考えている」