「じゃ、また来るわ」自宅まで借金の取り立て→恐怖で号泣…借金3億円超を抱えた元TBSアナ・木村郁美(53)が、“詐欺師の元夫”との離婚を決意した“きっかけ”
〈「僕が貯金を全額預かる」「現金で引き出して」元夫から“結婚詐欺”→借金3億円超を背負った元TBSアナ・木村郁美(53)が語る、入籍直後に始まった“異変の数々”〉から続く
現在はフリーとして活動する、元TBSアナウンサーの木村郁美(53)。TBS時代、レギュラー9本を抱えるアナウンサーとして忙しく動き回る裏で、“悪魔”と呼ぶ元夫から預金を奪われ、連帯保証人にされた結果、計3億4000万円もの借金を背負うことになったという。
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そんな彼女に、連帯保証人にされるまでの経緯、両親の助けを得て実行した元夫からの逃亡、カラオケボックスでの離婚届の押印などについて、話を聞いた。(全6回の5回目/6回目に続く)

木村郁美さん ©石川啓次/文藝春秋
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「夫はいないです」「じゃ、また来るわ」自宅に借金の取り立てが来て号泣
――3億4000万円もの借金の連帯保証人にされていたことを知ったのは、いつ頃ですか。
木村郁美(以下、木村) 入籍して1年もたたないぐらいですね。「どこで借りたんだろう」と調べたら、某メガバンク某支店の支店長まで行きついたので話を聞きに行ったんです。そこで書類を見せてもらって。
――ハンコを押したときの状況は覚えていましたか。
木村 当時は、銀行外でもハンコを押せたんです。悪魔に「ハンコ持ってきて」って言われて、「結婚したばっかりでハンコなんてない」と言ったら、「うちの会社に自分の名前のハンコがゴロゴロあるから、それを使ってくれればいいよ」って。
そこで根掘り葉掘り聞けばよかったんですけど、詮索して信用してないと思われるのも嫌だなと思って。で、会社に行ったら銀行員の人がいて、その人が「僕のかみさんが郁美さんのファンなんでサインください」って色紙を持って立ってて。
それでワーッてサインを書いて、その流れでワーッてハンコを押してしまって。和気あいあいとした雰囲気だったんですよ。「じゃあ僕は仕事に戻るね」「いってらっしゃい」みたいな。そんな大それたことが起きてるとは、まったく思わなかったんです。
――1人でいるときに取り立てが来たそうですね。
木村 結婚生活中に来ました。すごい怖いですよ。ピンポーンと鳴って、モニターに映ってるんですよ。それを見て怖すぎて、膝から崩れ落ちて号泣でした。「夫はいないです」と言ったら、「じゃ、また来るわ」って。それっきり来ませんでしたけどね。
「一体何が起きてるんだ?!」元夫がいない隙を狙って父と母と家出
――たしかTBSにいるときにも。
木村 悪魔から電話がかかってきて、「ちょっと赤坂の駅のほうに来られない? 10分でいいから」って言われて。行ったら車が停まっていて、「挨拶しなきゃいけないんだ」と。そうしたらピンク色のスーツ上下を着た、もう絵に描いたような……そっち系の方が。
「はー、いつも主人がお世話になっております」って言いながら。あらゆる点と点がどんどんどんどんつながっていく状況で。それでたまらなくなって、家を出るんです。
――夜逃げのような形で?
木村 日中ですけどね。彼からしたら寝耳に水状態だったと思います。特に争うこともなく、普段通りに「いってらっしゃい」と彼を見送ったあとに、所沢から父と母に来てもらって。
――お父様は、そこで初めて事情を?
木村 母には話してたんですけど、父には話してなかったんです。母が「郁美と3人で遊びに行きましょうよ」と父に言って車を出してもらって。
父は何も知らないからルンルンでやってくるんですけど、私がスーツケースやら荷物をいっぱい抱えて立っているもんだから「何? 何なの?」って。
「とりあえず車を出して。全部話すから」って車の中で話したら、父も驚愕してましたね。「一体何が起きてるんだ?!」って。
「家具も何もない状態」の家を借りて別居生活
――そのまま実家で暮らすように?
木村 自分で次の家を探して。私、スピリチュアルなほうではないんですけど、その時だけはわらにもすがる思いで風水を見てもらって。
「この方角に、何月何日までに引っ越して」って言われて、ギリギリで見つけて。もう家具も何もない状態で借りておいて、そこに全部荷物を運びました。
――その別居は、結婚してどれくらいのことですか。
木村 2年半ぐらいですかね。父親は怒りまくりでしたね。「お前も悪いんだ!」って。でも、弁護士とやり取りしてくれたり、いろいろ助けてくれましたね。
ただ、夜中の3時とかに父からガンガン電話がかかってくるんですよ。「明日生放送があるんで、寝させてもらえませんかね」「お前のことだろう!」「確かにそうですよね」みたいな。
「隣の部屋には父がスタンバっていた」離婚するために、カラオケボックスに元夫を呼び出して…
――あちらは離婚にすんなり応じてくれたのですか。
木村 弁護士さんには「彼はあなたの肩書きがまだほしいから、絶対離婚しないよ」って言われてたんですけど、「ワンチャン、トライしてみます」と。
赤坂のカラオケボックスを予約して、そこへ来てもらったんです。人目があったほうがいいけど、ガッツリ見られるのは嫌じゃないですか。監視カメラもあるし。それでカラオケボックスにしたんです。さらに、隣の部屋には父がスタンバっていてくれて、何かあったら助けに来てくれるようにして。
そうしたら、ハンコを押してくれたんですよ。父からもギャンギャン言われてたので、彼も相当参っていたところがあったみたいで。結婚から3年でようやく。「良かった〜」となりましたね。
――離婚はできても、連帯保証人の問題が。
木村 離婚でお世話になった弁護士さんに、そちらもお願いしていたんですけど、専門ではなかったので途中でやめてしまって。
そこで今の主人が。彼も経営者で、企業再生なんかもやったことがあったらしくて、借金を圧縮できることなどを教えてくれたんです。
「最後は毎月1万円ずつ返して…」現在のパートナーの手助けもあり、借金を完済
――現在のパートナーとの出会いは、その頃だったのですか。
木村 離婚して、借金のことで戦ってる最中ですね。私と弁護士さんが四苦八苦しているのを、横から見ていて歯がゆい思いをしてたらしくて。
でも、まだお付き合いする前なので、自分が乗り出して借金返済の師匠と弟子みたいになるのは避けたいとのことで傍観してくれていたのですが。
でも、見るに見かねて「そろそろ俺も動いていいかな」って。こちらはもう「お願いします!」でした。
――具体的に某メガバンクとはどんな交渉を。
木村 近年の融資の流れと比べると緩い感じで契約が進んだこととか、「担保なしで、なんでこれだけ貸したんだ?」とか、突っ込みどころが満載だったらしくて。あと、最初にまとめて払うからとか。いろいろなやり方で、だいぶ減らしてくれて。
――最終的な返済額は?
木村 それでも1億円以上ありましたが、最終的には数千万に圧縮してくれて。更にまとめて返済することで最後は毎月1万円ずつ返して、ようやく自力で完済しました。
――自己破産は考えなかったのですか。
木村 自己破産をすると社会的なイメージが悪くなるので……。それだけはしたくなくて。本当にどうにもならなくなったらそれしかないけど、ニュースに出るじゃないですか。「木村郁美、自己破産」とか。「さすがにそれは精神的に無理かも」ということで、できるだけ圧縮して、なんとか自力で返済していこうと。
離婚するまでの3年と6日の間のお給料は、まるまる私のところに残ってたので、そこからまた返済していきました。
「私、実はめちゃめちゃ借金背負わされて」デート中に告白、そのとき現在のパートナーが見せた“意外な反応”
――現在のパートナーとは、どうやって出会ったのですか。
木村 後輩の久保田智子と会食することになって、そこに主人がやってきたんです。私以外の人たちはマラソンをやっているので、マラソンの話題になってしまうんですよ。
私は走らないし、ご飯を食べられればよかったので、「へー」とか言いながら食べていたんですけど、主人はとても気を使う人で、なにかと話を振ってくれるんですよ。
こっちとしては「いえいえ、そんな気を使わなくていいのに」でしたけど、非常に好印象で「前の夫とは全然違う」って。
――そこから交際へ。
木村 主人とメールのやり取りをする中で、私が食べるのが好きなので、彼が知らないレストランを紹介したりして。それで「じゃあ行きましょう」となって、2人で食事に行ったのが最初のデートです。
そこでやっぱり素敵な人だなと思って、好きになっちゃうような予感がしたんです。そうなった場合、彼からしたら私なんてTBSアナウンサーって肩書きだけしか見えてないかもしれないから「私、実はめちゃめちゃ借金背負わされて、貯金もゼロですし。とんでもない状況なんです」と。
その1回目のデートで行った2軒目のお店で全部お伝えして。聞いたら大体引くじゃないですか。「でもそれで会わなくなったら、こっちも好きになることもないか」って考えてたんですけど。
――向こうは引かなかった。
木村 「いやいやいや、全然。何億なんて借金、大丈夫ですよ。人生それで終わるわけないし。僕もね、離婚歴があるんですよ」みたいな話で盛り上がってしまって。
ただ、もう結婚はこりごりだったので、思わず「一緒にご飯食べに行ったりするのはいいけど、お付き合いとかその先の結婚は考えてません」って言ってしまって。そこから1年半ぐらい、なんにもなく。普通にご飯仲間。当然、手なんか握ることもなく。
結婚が見えてきた矢先にパートナーが心肺停止に
――でも、気持ちに変化が。
木村 だんだんと好きになって、「告白してくれないかな」と期待するようになって。その気配はまったくなかったんですけど、そうやって徐々にもう一回、人を好きになることができて、一緒にいたい思いが出てきたんですね。で、必然的に「じゃあ結婚だね」っていうのが見えてきたんです。
――そのパートナーが心肺停止に。
木村 向こうのご両親にも会って、「そろそろ結婚だね」と話してた矢先に。先天的に心臓の近くの血管がひしゃげていたんです。それでジムで運動していたら、パーンッと倒れたんです。
病院に駆けつけたら意識不明でした。お医者さんから「このまま意識が戻らないか、意識が戻ったとしても重度の後遺症が残る感じですね」と言われてしまって。
撮影=石川啓次/文藝春秋
〈「私がニュースを読む担当だった」生放送中に“詐欺師の元夫”が逮捕…借金3億円を背負った元TBSアナ・木村郁美(53)が明かす、その時スタジオで起きていたこと〉へ続く
(平田 裕介)
