米国と中国の国旗=AP

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 【北京=照沼亮介、坂本幸信】米中首脳会談で両国が相互に一部品目の関税を引き下げることで合意したのは、ともに国内経済に不安要素を抱え、実利を優先させたためだ。

 対象品目は農産物などが念頭にあるとみられ、両国で協議する。

 首脳会談は北京で14〜15日に行われた。中国商務省の報道官は「農産物を含む分野における双方向の貿易拡大を推進する」と説明している。

 ロイター通信は13日、米中が相互に300億ドル(約4兆7000億円)規模の関税引き下げなどを行う予定だと報じていた。ただ、商務省は引き下げの規模を明らかにしていない。

 米通商代表部(USTR)のグリア代表も15日、米ブルームバーグ通信のインタビューに、ハイテク製品や重要インフラ以外の「敏感ではない分野」が対象になるとしていた。日用品も含まれる可能性がある。

 トランプ米大統領は11月の中間選挙に向け、インフレ(物価上昇)対策が大きな課題となっている。引き下げで日用品などの輸入品が値下がりすれば、国民の不満が和らぐ可能性がある。一方、習近平(シージンピン)国家主席は、不動産不況の長期化による内需低迷に見舞われており、米国の関税で落ち込んだ米国向け輸出を回復させる狙いがあるとみられる。