Image: Aris Suwanmalee G / Shutterstock

やっぱ日本は動きまくってるよね…。

数百万年前、いま皆さんがいる場所は、まったく違う緯度に位置していました。その部屋がある土地は、現在の場所にたどり着くまでに、何千キロもの距離を移動したそうです。新しいデジタルツールを使えば、地球の歴史に沿ってその壮大な旅を振り返ることができますよ。

3億2000万年の移動の歴史をさかのぼれるサイト

ユトレヒト大学(オランダ)の地球変動学および古地理学教授であるDouwe van Hinsbergen氏が率いる国際的な地球科学者チームは、地球上の任意の場所を入力すると、その場所の緯度が過去3億2000万年間にどのように変化してきたかを確認できるウェブサイトを開発しました。

このpaleolatitude.orgというサイトは、ユトレヒト古地理学モデルに基づいて構築されており、超大陸パンゲア時代までさかのぼる地球の構造プレートの動きを再現しています。

van Hinsbergen氏は、米ギズモードの取材に対し、「これを完成させるのに10年の歳月と多くのオタク的な研究が必要でした」と語りました。

彼は、誰でも使えるツールが古地理学への関心を高めると同時に、さまざまな分野の研究にも役立つことを願っているそうです。

paleolatitude.orgにアクセスして、調べたい場所を入力、または地図上でクリックすると、画面の左側にグラフが表示されます。X軸が百万年単位の年代(Ma)、Y軸が緯度の変化になっています。

Image: Paleolatitude.org / Utrecht University
過去3億2000万年における京都市の緯度の変化

青い線をたどると、その地点が地球の歴史のなかでどのように南北に移動してきたかを大まかに把握できます。ただ、東西(経度)の動きはわかりませんし、移動してきた様子をアニメーションで見ることもできません。もしできるようになったら、もっとクールなツールになりますよね。

移動する大陸

およそ3億2000万年前から2億年前にかけて、北米大陸はアフリカ、南米、ヨーロッパと地続きで、パンゲアと呼ばれる超大陸の一部でした。その後、三方向に走る大きな亀裂が、アフリカ、南米、北米を引き裂き、弱体化した地殻をマグマが押し上げることで強力な噴火を引き起こす火山性リフト帯が形成されました。

大陸が離れるにつれ、噴火によって火山灰や噴火堆積物が噴出され、大陸間の広がり続ける隙間が大西洋海盆を形成しました。何百万年もの歳月をかけて、大陸はさらなる分裂、移動、漂流をへて、私たちが知っている現在の世界地図の形になりました。

10年前、van Hinsbergen氏のチームは主要なプレートに関するプレートテクトニクスの再構築モデルを開発しましたが、カリブ海、ヒマラヤ山脈、地中海など、プレート間の激しく変形した領域は含まれていませんでした。

van Hinsbergen氏は、これらの地域は「かつて地球の表面に存在していたが、現在はマントルに沈み込んだプレートの名残」と説明しています。

同氏は、「私と同僚たちは、それらの地域すべてを極めて詳細に再構築しました」と述べました。その結果、洗練された全球モデルが完成し、たとえプレートがマントルに沈んでしまったとしても、研究者は岩石をもともと形成されたプレートに結びつけられるようになります。また、岩石が地質学的スケールの時間をかけてたどった緯度方向の移動経路も追跡可能になります。

分野を越えて活躍する研究ツールに

このツールは、地球の古代の気候を再構築する古気候学者にとって有用です。多くの研究者は地質試料から古気候を読み解きますが、太陽光の角度、それに伴う地域の気候は緯度によって決まるため、再構築の対象期間中にそれらの岩石がどこに位置していたのかを正確に把握する必要があるそうです。

たとえば、ユトレヒト大学の地球科学者たちが研究している、2億4500万年前のオランダの地質構造は、熱帯の海に隣接する砂漠という現代のペルシャ湾に似た古気候を示唆しているとのこと。

van Hinsbergen氏は、次のように説明します。

これは、過去2億5000万年の間に、地球の気候が劇的に変化し、寒冷化したことを意味するのでしょうか? それとも、当時のオランダは紅海、あるいはペルシャ湾の位置にあったのでしょうか? 緯度をたどってみると、当時はペルシャ湾と同じ緯度にあったことがわかります。

加えてこのツールは、古生物学者が地球の歴史を通じて異なる緯度、すなわち異なる気候のなかで生物多様性がどのように発展してきたかを理解するうえでも役立ちそうです。

ユトレヒト大学の古生物学者であるEmilia Jarochowska氏によると、たとえばこのツールを使って化石記録を分析することで、大量絶滅イベント後にどの緯度が生存不可能になり、どの緯度が避難場所になったかが明らかになる可能性があります。

van Hinsbergen氏は、次のステップとして、化石化した種がかつてどこに生息していたか、そしてその分布がさまざまな緯度や気候帯を通じてどのように変化したかを、大陸の移動とセットにして表す地図を作成したいと考えているそうです。

彼のチームがこうしたツールの改良を続けるにつれて、地球の太古の歴史がより詳細に浮かび上がることでしょう。

数百万年後にはすっかり気候帯が変わってしまう地域も出てくるのでしょうか。

Source: Paleolatitude

GIZMODO テック秘伝の書
1,650円
Amazonで見る
PR