「年利12%」うたい海外金融商品への出資870億円集めたか、6人逮捕…勧誘役の「会員」1000人
海外の金融商品への出資を無登録で募ったとして、警視庁は14日、東京都港区の情報提供会社「グローバルインベストメントラボ」(清算)の実質的経営者で、同区、会社役員の男(50)ら男女6人を金融商品取引法違反(無登録営業)容疑で逮捕したと発表した。
同庁は、6人が2014〜24年に国内や海外の投資家ら約7300人から計約870億円の出資金を集めたとみている。
他に逮捕されたのは、会社役員の男(65)(中央区)、会社役員の男(39)(住所不詳)ら5人。逮捕は13日。
発表によると、6人は共謀して18年5月〜23年10月、国の登録を受けず、大阪府内の会議室などに男女14人を集め、「年利12%を支払う」などと語って、海外法人が運用する金融商品への出資を募った疑い。14人は9都府県に住む20〜60歳代で、計約5億4000万円を出資していた。
グローバル社の実質的経営者の男は、内部で「スーパーバイザー」と呼ばれる立場で、出資を勧誘する会員約1000人を管理していた。会員らが出資者を獲得すると報酬を得られる仕組みで、成績に応じて上位から下位まで資格が分かれていた。会社役員の男2人は最上位の会員で、実質的経営者の男に次いで高い報酬を得たという。
会員らはSNSや投資セミナーで、「海外銀行の信託口座に金を預ければ、銀行の債券などの運用で年利12%の配当を出す」などと金融商品への出資を呼びかけていたという。1人あたりの最高出資額は3億3000万円だった。
同庁は、出資者から集めたとみられる約870億円のうち、実質的経営者の男に65億円、65歳の男に11億円、39歳の男に10億円が渡り、高級外車やブランド品の購入などに充てられたとみている。今後、出資金の運用実態についても調べる。
同社は24年10月、証券取引等監視委員会の申し立てを受けた東京地裁から、出資募集の禁止・停止命令を受け、昨年1月に清算手続きが完了している。同庁が同6月、同社の本社建物を捜索し、勧誘の実態などを調べていた。
知人介し390万円「許せない」
「グローバルインベストメントラボ」が扱う金融商品に390万円を投資した東京都内の40歳代の自営業男性が取材に応じ、「信じた気持ちを踏みにじられた」と悔しさをにじませた。
男性は2022年春、知人男性がフェイスブックに「安心安全の投資を教える勉強会をやっている」と投稿しているのをみて、連絡を取った。知人は投資の仕事をしていて、10年来のつきあいがあった。
知人は、「富裕層しか開けない英領バージン諸島のプライベートバンクに口座を持てる」「海外への分散投資は安全」と説明。投資する商品は「年利12%」と聞き、男性は将来の資産形成に役立てばと決断した。
知人から「口座が開設できた」と連絡があったのは、同年7月頃。専用のホームページに表示される資産の残高は毎月1%ずつ増えていったが、24年6月、「監査が入った」として突然配当が止まった。
知人に解約の意向を伝えても「口座が一生開けなくなる」「元本が毀損(きそん)する」などと言うばかりで、これまでに引き出せたのは配当金の一部の約50万円にとどまる。
知人は「俺は紹介しただけ。自分も被害者」と取り合ってくれない。知人とグローバル社のつながりはわからない。男性は「こんな商品を紹介されるとは。許せない」と語った。
