「X11L」シリーズ

TCLジャパンエレクトロニクスは、スーパー量子ドット(SQD/Super Quantum Dot)技術を採用し、全画面でBT.2020色域を100%再現した4K液晶テレビ「X11L」「C8L」「C7L」シリーズを5月21日より順次発売する。価格はオープン。サイズと市場想定価格は以下の通り。

4K液晶テレビ「X11L」シリーズ (SQD×ミニLED)
・98型「98X11L」 200万円前後 5月21日発売
・85型「85X11L」 130万円前後 同上
・75型「75X11L」 90万円前後 同上

4K液晶テレビ「C8L」シリーズ (SQD×ミニLED)
・98型「98C8L」 100万円前後 5月21日発売
・85型「85C8L」 60万円前後 同上
・75型「75C8L」 45万円前後 同上
・65型「65C8L」 35万円前後 同上
・55型「55C8L」 26万円前後 同上

4K液晶テレビ「C7L」シリーズ (SQD×ミニLED)
・85型「85C7L」 44万円前後 5月21日発売
・75型「75C7L」 33万円前後 同上
・65型「65C7L」 26万円前後 同上
・55型「55C7L」 22万円前後 同上

アンバサダーとして山粼賢人氏が起用された

写真左から、TCL JAPAN ELECTRONICS マーケティング戦略本部 本部長 久保田篤氏、山粼賢人氏、TCL JAPAN ELECTRONICS 副社長 西山隆信氏

2025年に発売した、量子ドット×ミニLEDバックライト搭載「X11K」「C8K」「C7K」シリーズの後継機。

3シリーズすべてに、スーパー量子ドット技術を導入。新たに開発したカラーフィルター技術も組み合わせることで、長寿命と高い色再現性を実現した。加えて、高効率な1チップ発光でより多くのローカルディミングを実現。引き締まった黒と高いピーク輝度を可能にした。

同社は、これらSQD技術を採用した新世代液晶テレビを“SQD-Mini LED”とネーミング。TCLのフラッグシップ技術として展開する。

25年モデル同様、オーディオブランド「Bang & Olufsen」と共同開発したオーディオシステムを採用。Dolby Atmosのほか、テレビでは対応数が少ないDTS:Xもサポートする。

X11L、C8L、C7Lの違いは、パネル性能やピーク輝度・分割数、HDMI入力端子数など。映像エンジンやGoogle TV機能、チューナー数などは変わらない。

SQD 黒枠 HVA
パネル 最大
輝度
(nits) 最大
分割数 エンジン B&O HDMI
入力 X11L 〇 無 WHVA
2.0
Ultra 10,000 20,000
以上 TSR AiPQ 〇 4 C8L 無※ WHVA
2.0
Ultra※ 6,000 4,000
以上 3 C7L 有 HVA
2.0
Pro 3,000 2,000
以上

※55型「55C8L」除く

なお、同時発表のRGB LEDモデル「RM7L」シリーズや、低価格な量子ドット搭載モデル「A400M/A400」「T6D」シリーズは別記事で紹介している。

バックライトとパネルを改善した“SQD-Mini LED”テレビ

85型「85C8L」

X11L・C8L・C7Lシリーズは全サイズ、4K/3,840×2.160解像度の倍速液晶パネルが使われている。

最大の特徴が、前述したスーパー量子ドット技術の搭載。

量子ドットは数ナノメートルサイズの半導体微粒子で、光を照射すると、微粒子のサイズに応じて異なる色(波長)に変換する特性を持つ。現在発売されている“量子ドット搭載テレビ”は、シート状にした量子ドットをパネルに組み込み、青色ミニLEDの光を変換して純度の高いRGBの波長を作ることで、一般的なテレビよりも広い色再現を可能にしている。

今回のスーパー量子ドットは、従来の量子ドット材料を改良したもの。新しい発光素材に対し、電子層、合金バリア層、保護層などでコーティングすることで、従来比69%もの色再現精度の向上と、素材の品質安定化に成功した。

また、青色光の強度を抑える独自設計により、ブルーライトの強度がキープされる他方式と比べて目への負担も軽減している。

TCLスタッフによれば、品質の安定化は重要だったとのこと。「TCLはアジア、ヨーロッパ、北米、南米などに製造拠点を分散させており、熱帯・寒冷地域といった過酷な輸送環境においても品質を維持する必要があった。SQD技術は、70度からマイナス30度の輸送環境をクリアし、世界中のあらゆる気候・環境で最高の画質を実現できる」と話す。

新しい量子ドットとあわせ、ガラス基板に形成するカラーフィルターにも手を加えた。

工程の80%でナノレベル精度が求められるカラーフィルターの製造プロセスを見直したほか、材料となるカラーレジストの中核“キサンテン染料”の分子構造を最適化し、より狭いスペクトル帯域を実現。不要な光の損失を抑え、カラーフィルターの透過率を向上させることで、従来のカラーフィルターよりも33%の色域拡大を実現した。

このバックライトとパネルの改善により、全画面でBT.2020色域を100%再現。深紅やクリスタルブルーのような単色だけでなく、様々な色が混在したカラフルな画像においても「全画面で、つねに安定した色彩美が可能」としている。

カラーフィルターの材料を見直し、透過率を向上。カラーフィルターでの色域を33%アップさせた

RGB LEDの方な光源部分でのクロストークがないため、カラフルな画像でも、全画面でBT.2020色域を100%再現できるという

調光ゾーンの明るさをより均一にする凝縮マイクロレンズ、レンズとパネル間の距離を最小限まで短くすることで光の拡散を抑制するスーパーマイクロOD、高度な光制御を実現するDLBアルゴリズムなど、複数の独自技術を組み合わせることでハローを抑制する「TCL全領域ハロー制御テクノロジー」も搭載。

X11L・C8L・C7Lシリーズの分割数とピーク輝度(HDR時)は以下の通り。X11Lの最大ピーク輝度10,000nitsは、業界最高値となる。

シリーズ インチサイズ 分割数 ピーク輝度 X11L 98 20,736 約10,000nits 85 14,400 約10,000nits 75 11,520 約9,000nits シリーズ インチサイズ 分割数 ピーク輝度 C8L 98 約4,000 約6,000nits 85 約3,200 約6,000nits 75 約2,600 約6,000nits 65 約2,000 約5,500nits 55 約1,000 約3,000nits シリーズ インチサイズ 分割数 ピーク輝度 C7L 85 約1,600 約3,000nits 75 約1,350 約3,000nits 65 約1,150 約3,000nits 55 約800 約2,700nits

X11LとC8Lシリーズ(55型除く)には、TCL CSOTが開発した「WHVA 2.0 Ultra」パネルを使用。

これは、液晶分子に高分子材料ポリイミドを添加し、分子を約89度のバタフライ状に配列させたHVA(VAタイプの一種)のフラッグシップグレードのパネル。7,000:1の高いネイティブコントラスト比、0.5%の超低反射率コート、178度の広視野角、そして極薄ベゼルに黒枠・すき間をほぼ無くしたVertually ZeroBorderなど、最新のパネル技術を採り入れている。

なおC7Lシリーズと55型「55C8L」には、反射率やベゼル部が異なる「HVA 2.0 Pro」パネルが採用されている。

85型「85X11L」

3シリーズとも映像エンジンは共通で、AI技術を搭載した「TSR AiPQプロセッサー」。

画像の奥行き情報を検出して各レイヤーのコントラストを最適化する「Ai-コントラストマスター」、各オブジェクトを検出して色調・色彩を個別に最適化する「Ai-カラーマスター」、画像の特徴を分析してノイズ低減・精細感を向上する「Ai-クラリティマスター」、動きの軌道を検出・予測して揺れやボヤケ、遅延やティアリングを軽減する「Ai-モーションマスター」など、様々な映像処理機能を実行する。

対応するHDR規格は、HLG、HDR10、HDR10+、Dolby Vision IQ。映画制作者が意図した画像を表示するFILMMAKER MODEのほか、IMAX Enhanced認証も取得している。

Bang & Olufsenと共同開発した音響システム

サウンドは、Bang & Olufsenと共同開発した音響システムを搭載。繊細な音のニュアンスを描き出すチューニングと空間全体を包み込む立体的な音場表現を目指した。

「映画・音楽・ゲームのあらゆるコンテンツを制作者の意図どおり自然で没入感のある、解像感・広がり・質感を高次元で兼ね備えたサウンド体験として綺麗に表現する」という。

Dolby Atmos、DTS-Xを両サポート。TCL製のサウンドバーと組み合わせることで、より立体的な音響空間を作ることができるTutti Choral機能にも対応する。

26年夏のアップデートで「Google TV with Gemini」対応に

OSはGoogle TV。インターネットにつなぐだけで、NetflixやAmazon Prime Video、dTV、Huluといった動画配信サービスやゲームなどのアプリが楽しめる。

リモコン下段には、8つの動画サービスダイレクトボタンを搭載。ダイレクトボタンを押せば動画サービスをすぐに起動できる。ダイレクトボタンはNetflix、Hulu、U-NEXT、ABEMA、YouTube、FOD、Prime Video、TVer。独自コンテンツのTCL CHANNEL、任意の動画サービスを割り当てることができるアプリボタンも備える。

AppleデバイスやAndroidデバイスを表示するAirPlay 2、Google Cast機能も利用可能。

2026年モデルの進化ポイントは、Googleの生成AI「Gemini」のサポート。テレビと会話しながらお気に入りの映画や番組を検索したり、気になる疑問や学習に関する疑問を対話形式で答えてくれる。また対応するスマート家電を発話でコントロールすることも可能。アップデートは2026年夏を予定している。

また、映像を表示していない場合など、世界の名画やAIが生成したアートを表示してくれる「AIアートギャラリー」機能も加わった。思い出の写真を表示したり、大画面のデジタルクロックを表示することもできる。

75型「75C7L」

搭載チューナーはBS/110度CS 4K×2基と、地上/BS/110度CS×2基。別売りの外付けUSB HDDを接続することで、4K/HD放送の裏番組録画や連ドラ予約が可能。外付けHDDは最大8TBまで。

HDMI入力は、X11Lシリーズが4系統で、C8L・C7Lシリーズが3系統。全端子で4K/144Hz VRRのハイフレームレート信号に対応。解像度を2Kに落とせば、288Hzの表示も行なえる。Dolby Vision Gaming、ALLMのほか、AMD FreeSync Premium Pro認証も取得している。

スタンド込みの外形寸法と重量は以下の通り。

外形寸法(幅×奥行き×高さ)/重量
・98型「98X11L」 2,168×420×1,313mm/67.5kg
・85型「85X11L」 1,880×380×1,150mm/52.6kg
・75型「75X11L」 1,658×380×1,024mm/40.5kg

・98型「98C8L」 2,166×420×1,302mm/58.5kg
・85型「85C8L」 1,880×379×1,142mm/41.6kg
・75型「75C8L」 1,658×368×1,016mm/30.4kg
・65型「65C8L」 1,434×368×890mm/23.1kg
・55型「55C8L」 1,224×270×790mm/14.5kg

・85型「85C7L」 1,888×379×1,154mm/36.6kg
・75型「75C7L」 1,666×367×1,025mm/26.6kg
・65型「65C7L」 1,444×369×899mm/21.1kg
・55型「55C7L」 1,224×270×790mm/14.5kg