インドネシア戦で全得点に絡む大仕事! 2戦連続出場なしに発奮、U-17日本代表“攻撃の切り札”の知られざる胸の内「みんな喜んでいるなかで…」【現地発】
誤解を恐れずに言えば、「何故なんだ」という感情があったとしても不思議ではない。
負けん気が強く、ピッチに立てば結果を残す自信は誰よりもあった。そうした感情が時としてマイナスに働くケースも珍しくないが、2戦連続で出場機会が与えられなかった悔しさを発奮材料にしてMF白男川羚斗(名古屋U-18/3年)が躍動した。
今大会初出場&初先発となったレフティは、3−4−2−1の左ウイングバックに配置されると、持ち前のスピードを活かした仕掛けと左足のクロスでチャンスを演出。28分に得意の高速クロスでMF恒吉良真(名古屋U-18/3年)の先制点をお膳立てした。
1−0で迎えた59分にも左サイドから利き足で速いボールを蹴り込み、GKが弾いたこぼれ球に反応した和田武士(浦和/2年)の追加点に関与。70分に直接FKから1点を返されたものの、直後に三度、白男川が魅せる。CBエゼモクェチメヅェ海(C大阪U-18/2年)からパスを受けると、背番号18は左サイドからまたしても高速クロスを供給。GKとDFの間を抜いてファーサイドに通し、右ウイングバックのMF岡本新大(G大阪ユース/2年)のゴールをアシストした。
終わってみれば、2アシストを含めて全ゴールに絡む大活躍。チームのW杯出場権獲得&首位通過に大きく貢献した。
名古屋U-15からU-18に進み、チーム最年長の早生まれ組として今回のU-17アジア杯に参戦している白男川。大会前から「早く代表に呼ばれないかなと思っていた」というように、23年6月に行なわれたU-15代表の韓国遠征以降は日の丸を背負う機会がなかった。
そして、巡ってきた今回のU-17アジア杯。今秋に開催されるU-17W杯の最終予選を兼ねた今大会で、実に2年11か月ぶりに代表へ復帰。モチベーションを高め、サウジアラビアの地に乗り込んだ。
しかし、開幕後は苦しい状況に立たされる。「ゴールが欲しい場面で使いたい」という小野信義監督の狙いもあり、カタールとの初戦(3−1)もベンチスタートで、0−1の状況だった後半開始早々に一度ウォーミングアップを始めたが、51分に同点に追いついたことでピッチに立たずに終わった。続く第2戦も優勢に進めたため、“攻撃の切り札”に声がかかることなく試合終了。そうした悔しさは第3戦の前日に話を聞いた際にも見てとれた。
「本当に悔しい気持ちが強くて、2試合目に関してはみんな喜んでいるなかで、自分は素直に心の底から喜べないところがあった」
だが、そうした感情を負に持っていかず、ポジティブなマインドを維持。小野監督から第2戦の前日に個別で檄をもらうなど、コーチ陣からもサポートを受けてインドネシア戦の活躍に結びつけた。
インドネシア戦の前日に「2点取ります!」と宣言していたなか、ゴールという結果ではなかったが、全得点に絡んだパフォーマンスは特筆すべきものがある。「長所がはっきりしている」と指揮官が認めたように、左足と局面を打開する力は小野ジャパンでもトップクラス。次なる目標であるアジア王者に向け、一発勝負となるノックアウトステージでも白男川の活躍に期待したい。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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