インドネシア戦で今大会初出場を果たした白男川。全得点に絡む圧巻のパフォーマンスを披露した。写真:松尾祐希

写真拡大

[U-17アジア杯]日本 3−1 インドネシア/5月12日/King Abdullah Sports City Pitch A Stars

 誤解を恐れずに言えば、「何故なんだ」という感情があったとしても不思議ではない。

 負けん気が強く、ピッチに立てば結果を残す自信は誰よりもあった。そうした感情が時としてマイナスに働くケースも珍しくないが、2戦連続で出場機会が与えられなかった悔しさを発奮材料にしてMF白男川羚斗(名古屋U-18/3年)が躍動した。

 5月12日に行なわれたU-17アジアカップのグループステージ最終節。2連勝でインドネシア戦を迎えたU-17日本代表は、引き分け以上でU-17ワールドカップの出場権獲得&首位通過が決まり、敗れたとしても2点差以内であれば自力で2位抜けを決められる状況下だった。その大一番で輝いたのが、白男川だ。

 今大会初出場&初先発となったレフティは、3−4−2−1の左ウイングバックに配置されると、持ち前のスピードを活かした仕掛けと左足のクロスでチャンスを演出。28分に得意の高速クロスでMF恒吉良真(名古屋U-18/3年)の先制点をお膳立てした。

 1−0で迎えた59分にも左サイドから利き足で速いボールを蹴り込み、GKが弾いたこぼれ球に反応した和田武士(浦和/2年)の追加点に関与。70分に直接FKから1点を返されたものの、直後に三度、白男川が魅せる。CBエゼモクェチメヅェ海(C大阪U-18/2年)からパスを受けると、背番号18は左サイドからまたしても高速クロスを供給。GKとDFの間を抜いてファーサイドに通し、右ウイングバックのMF岡本新大(G大阪ユース/2年)のゴールをアシストした。

 終わってみれば、2アシストを含めて全ゴールに絡む大活躍。チームのW杯出場権獲得&首位通過に大きく貢献した。
 
 名古屋U-15からU-18に進み、チーム最年長の早生まれ組として今回のU-17アジア杯に参戦している白男川。大会前から「早く代表に呼ばれないかなと思っていた」というように、23年6月に行なわれたU-15代表の韓国遠征以降は日の丸を背負う機会がなかった。

 そして、巡ってきた今回のU-17アジア杯。今秋に開催されるU-17W杯の最終予選を兼ねた今大会で、実に2年11か月ぶりに代表へ復帰。モチベーションを高め、サウジアラビアの地に乗り込んだ。

 しかし、開幕後は苦しい状況に立たされる。「ゴールが欲しい場面で使いたい」という小野信義監督の狙いもあり、カタールとの初戦(3−1)もベンチスタートで、0−1の状況だった後半開始早々に一度ウォーミングアップを始めたが、51分に同点に追いついたことでピッチに立たずに終わった。続く第2戦も優勢に進めたため、“攻撃の切り札”に声がかかることなく試合終了。そうした悔しさは第3戦の前日に話を聞いた際にも見てとれた。

「本当に悔しい気持ちが強くて、2試合目に関してはみんな喜んでいるなかで、自分は素直に心の底から喜べないところがあった」

 だが、そうした感情を負に持っていかず、ポジティブなマインドを維持。小野監督から第2戦の前日に個別で檄をもらうなど、コーチ陣からもサポートを受けてインドネシア戦の活躍に結びつけた。

 インドネシア戦の前日に「2点取ります!」と宣言していたなか、ゴールという結果ではなかったが、全得点に絡んだパフォーマンスは特筆すべきものがある。「長所がはっきりしている」と指揮官が認めたように、左足と局面を打開する力は小野ジャパンでもトップクラス。次なる目標であるアジア王者に向け、一発勝負となるノックアウトステージでも白男川の活躍に期待したい。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

【画像】イングランドに初勝利の日本は何位? 最新FIFAランク20傑を一挙紹介!王国がトップ5から転落、8年ぶりに首位を奪取したのは…