新日本プロレス・棚橋弘至社長が始めた“ランチミーティング”の真の目的。社員50人と向き合って見えてきた「会社が加速する鍵」とは
新日本プロレスの人気プロレスラーにして「100年に一人の逸材」と言わしめ、プロレスラーを引退したばかりの第11代社長(’23年12月就任)棚橋弘至が、日々の激務のなかでひらめいたビジネス哲学を綴っていく。今回は4月から始めた「ランチミーティング」について。棚橋社長はいったいどんな結論に至ったのか。(以下、棚橋弘至氏の寄稿)
◆vol.71「棚橋社長ランチミーティング」で、目指すゴールとは
僕自身も、プロレスラーを引退して社長専業となり、早いもので4か月がたとうとしています。
この期間に改めて思ったことは「武器が要る」ということでした。
その「武器」とは何か……大きい意味で言いますと「個性」というか。具体的に言うと「特技」とか「得意分野」とかですね。
なかなか、日常生活を送っていて自分から言い出すことではないのかもしれません。
こうしてコラムを書いている僕でさえ「特技はありますか?」と聞かれたら、困ってしまいます。
僕はあまりクセがない人間ですからね(自分ではそういう認識)。
しかし「得意分野」と言われたらどうでしょう?
範囲が広がるので、少しは思い当たるところもあるのではないでしょうか。
生かしましょう。ぜひ生かしましょう。
でも、どこでどう生かすか? これが重要です。
そのために我が社では、4月から「棚橋社長ランチミーティング」を始めました。
社員3人ずつと会社近くのお店で、お昼ご飯を食べながら話をします。初めて深く話す社員もいるので、とても興味深いです。
そうした交流の中、場が和んで(アイスブレイク)、ランチを食べ終えた頃合いで、本題に入ります。
まず「今の業務内容」をそれぞれの社員に聞きます。
そして、その後で「本当に自分がやりたいこと・得意分野」を聞きます。
働く側からすると、この2つの間にズレがないほうがいいですよね。なので、僕がするべきことは、社員みんなの今の業務とやりたいことを近づけること。
新日本プロレスは、部署ごとの専門性が高いので、なかなかすぐ担当業務を変えるのは難しいですが、みんなが持っている能力を最大限に引き出したいのです。
そのみんなのエネルギーのベクトルが同じ方向を向いたとき、新日本プロレスはさらに加速できます。
で、棚橋は何をするのかって――?
それは、そのベクトルの先にあるビジョンを語り、未来をイメージさせること。「頑張って!」と言うのであれば、ゴールを決めないとスタートも切れませんからね。
「プロレスで楽しんでいただき、そこで得たエネルギーを、生活に生かしてもらえるような新日本プロレスでありたい」と、伝えています。
今、9人の社員とランチミーティングを終えましたので、残るは41人。
やり終えた先には、きっと、活力に溢れた新日本プロレスと、体重がさらに増えて、貫禄がついた僕が待っていると思います(笑)。
◆今週のオレ社訓 〜This Week’s LESSON〜
社員のエネルギーの、ベクトルを同じ方向へ。それが会社が加速する鍵!
<文/棚橋弘至 写真/©新日本プロレス>
―[新日本プロレス社長・棚橋弘至のビジネス奮闘記〜トップロープより愛をこめて]―
【棚橋弘至】
1976年生まれ。新日本プロレスの第11代社長(’23年12月就任)。’26年1月4日を以て現役を引退。キャッチコピーは「100年に一人の逸材」
