元ロコ・ソラーレ吉田知那美さんプロカーラーとして新たなステージへ ~ 長野智子アップデート

文化放送で平日午後3時から生放送「長野智子 アップデート」
5月5日の放送にカーリング女子で3月いっぱいでロコ・ソラーレを退団し、プロカーラーの道を歩み始めた吉田知那美さんをゲストにお迎えして、現在の思いをたっぷり語って頂きました。

長野智子
吉田知那美選手がスタジオにお入りになった時に「よろしくお願いします」とおっしゃったんですよ。
声の出し方が凄いというか、ラジオのマイク通りが良い声なんじゃないかしらと思ったんですが、そういえば、カーリングって大声で指示とか出しますよね?
吉田知那美
「よろしくお願いします」の一言で、声の通りがラジオ向きですねって言われたことがなかったので、ラジオとカーリングの親和性がそんなところにあるんだなとびっくりしております。
確かにすごく遠くに指示飛ばしているので、ものすごい大きな声で発声していますね。
40メートル先にいる人に向かって、大きな物音が立っている中で、言葉を届けるのがカーリングのコミュニケーションなんです。
声を通らせるっていうのは、カーリングに大切な仕事の一つだと思っています。
鈴木敏夫
実際にこんなに大きな声を出すウインタースポーツって他に無いですよね。だって40メートル先ですよ!
吉田
40メートル先に向かって、およそ4時間、大きな声で指示を出したり、コミュニケーションを取ったりし続けてます。
「そだねー」「そだねー」って(笑)
鈴木
カーリングのいろいろなチームがありますが、ロコ・ソラーレの皆さん、特に声が元気、大きいというイメージがありますが。
吉田
はい、私たちは特にそのコミュニケーション言葉を通すのをすごく重要視していたチームでもあったので、なるべく短く、早く、大きく意思を伝えるのに「そだねー」が「いいよ、もう、それで完璧」ということで使っていたんです。
意思の疎通としては、一番通りやすくて、一番前向きになる言葉だったので使っていました。
長野
それが一般の方や、視聴者にも届いて流行語大賞を受賞しましたね。
鈴木
改めて吉田知那美選手のプロフィールをご紹介します。
北海道北見市常呂町、まあ、あの北見市に合併されましたけど、もともと常呂町のお生まれですよね。
小学校2年生からカーリングを始め、中学生時代から頭角を現しました。
2011年に北海道銀行フォルティウスに入団、2014年にソチオリンピックで5位入賞を果たしました。 その後2014年の6月に地元を拠点とするロコ・ソラーレへ移籍をしてサードとして活躍。
2018年に平昌オリンピック、日本カーリング史上初めてとなる銅メダル、2022年は北京オリンピックで銀メダル獲得と、まさに国民的注目を集める存在となりました。
今年の3月に12年間在籍したロコ・ソラーレを退団し、プロ選手に転向。
4月にカナダのトロントで新設された初のプロリーグ「ロックリーグ」に参戦。
「タイフーンカーリングクラブ」のキャプテンとして、新たなキャリアを築く傍ら、競技文化の普及活動にも精力的に取り組んでいらっしゃいます。
長野
12年間在籍したロコ・ソラーレを退団されて、プロ選手として出発する決断のきっかけとか経緯ってどういうものだったんですか?
吉田
退団する決断にあたって理由は一つじゃなかったので、すんなりと自然に決断できたというところがありました。
まずは私達カーリング選手って、だいたい9月から4月までの6カ月、7カ月間をカナダを拠点に生活をしているんですけど、次の4年を考えたときに、こんなにたくさんオリンピックに出場させて頂いて、メダルも獲って、悔いなくオリンピックの道は過ごさせて頂いたので、もう少し家族といる時間を作りたいなあっていう思いがありました。
それとプロ選手として他の国の選手たちとチームを組んで、カーリングをするっていうところに魅力を感じていました。
あとはカーリングを伝えることや普及をこれからのカーリング界にとって、私ができる恩返しの一つなんじゃないかなと考えたので退団を決断しました。
長野
ロコ・ソラーレのメンバーに退団を伝えた時の皆さんはどんな反応でしたか?
吉田
チームに退団を伝えたのは2025年の春ぐらいでした。
「このオリンピック周期(※2026年ミラノ・コルティナオリンピックまで)を以ってロコを退団しようと思う」と伝えたら「えー、寂しい」って(笑)
でも私たちはもうずっと長くカーリングをしていく中で、アスリートっていうのは、必ずいつか終わりが来るっていうのは、絶対的に分かっている未来であり、その終わりがいつかが違うだけっていうのは、チーム内でずっと話してたことでした。
なので寂しいけど、今シーズンは結果だけじゃなく、たくさん良い思い出を作ろうと過ごした2026年カーリングシーズンでした。
長野
吉田知那美選手はInstagramで本当に素敵な発信されているので、是非皆さんにも見て頂きたいんですが、この3月31日のInstagramで退団発表された時に「50歳での再集結までしばしのお別れです」と書いていますが、これはどういう意味なんですか?
吉田
私たちはずっとオリンピックでのメダルであったり、世界一ということを目標に戦ってきましたが、もう一つ「裏目標」がありまして、それがシニアで世界一になることなんです。
カーリングにはシニアカーリング選手権というものがありまして、シニアと認定されるのが50歳からなので、私たちがシニアになる50歳で再集結をして、もう一度世界一を目指そうぜ!と私たちはずっと話をしていたんです。
50歳までの道はバラバラになるけれども、一緒にカーリングを楽しんで、また会おうねっていう気持ちで一文綴りました。
長野
ということは、私たちはシニアのロコ・ソラーレが見られるわけですね。
吉田
かもしれないですね。
なので、みんな膝と肘と腰の怪我だけには気を付けて過ごして欲しいですね(笑)
長野
ロコ・ソラーレって本当に素敵なお仲間ですよね。ロコ・ソラーレでの一番の思い出って何ですか?
吉田
もう本当に一番決められないぐらい12年間でたくさんの思い出があるんですが、やはり2022年の北京オリンピックだったなと思います。
コロナ禍で大変だった中で、私たちが元気に戦っている姿を見せることが地元常呂町の皆さんへの一番の恩返しだと思っていまして「届け!日本にこの元気!」って思って戦ってました。
結果として、目指していた金メダルではなく銀メダルでしたが、私としては、本当に最高のオリンピックでした。
それで今、悔いなく、こうして次のステージに行こうって決断が出来たのかなって思います。
長野
カーリングって他の競技と違って、各チームの強い人たちが選抜されて出るのではなくて、チームが日本代表として出るじゃないですか。理由は何なんですか?
冬のオリンピックでカーリングを見るたびに私の疑問がありまして。
吉田
すごくいい質問ありがとうございます。
日本はチームを日本代表として送り込むっていうスタイルを取っていますが、実はサッカーやバレーボールのように個人を選抜して国の代表にしている国もあります。
私たちが出場した2022年の北京オリンピックの優勝したイギリス女子チームが個人選抜制でチームを作っていました。
それが可能な理由としては絶対的な司令塔であるイブ・ミュアヘッド選手という核になる選手が居たからです。
そして彼女にフィットする残りのポジション、リード、セカンド、サードを選ぶという名目のもと1年半くらいの時間を掛けてトライアウトを開催してチームを結成しました。
そのやり方が可能だったのは、選手を選ぶことができるヘッドコーチがいたことですね。
長野
そうなんですね。
でも、イギリスみたいに環境が整ったら、個人で日本代表というのもあり得るんですか?
吉田
今の日本でもジュニアやユースの選手はピックアップでチームを結成していたりするんですけれども、カーリングは実業団チーム、クラブチームが多くて、チームごとに活動することが多いので、日本代表はチーム選抜の方が絶対的にチームは作りやすいと思います。
あとカーリングは20人とかではなくて4人っていう絶妙な人数ですよね。
チームダイナミックスであったり、チームビルディングの方法だったりが独特なので、チームで選抜した方がチームを作りやすいっていう意見があります。
もちろんピックアップ(選抜方式)も良いんじゃないかと意見もあります。
カーリングチームの魅力は(ロコ・ソラーレみたいに)4人のキャラクターの化学反応だったりもするので、そういった意味では一長一短なのかなと思っています。
長野
これからプロの人生を歩まれますが、先日までプロリーグ「ロックリーグ」で試合をされてました。
これはどういうリーグなんですか?
吉田
カーリング界で初めて開催されたプロリーグなんですが、世界から選抜された60名の選手が各チーム10名の6チームに分かれて戦うリーグです。
私のチームのメンバーは、日本人、韓国人、中国人、スコットランド人、スウェーデン人、ニュージーランド人、そしてヘッドコーチがカナダ人と7カ国で構成されているチームですが、初年度準優勝することが出来ました。
長野
「タイフーンカーリングクラブ」とチーム名ですよね。
Instagramで写真を沢山拝見しましたが、凄く明るいチームで素敵ですね。
吉田
私達は7カ国の国籍の方が所属する多国籍チームなので、チームを作るにあたって、沢山ミーティングをしてコミュニケーションを取りました。
このメンバーで勝つにはどうしたら良いのかを、すごく試行錯誤した1週間でしたが、良さそうな雰囲気がInstagramから受け取ってもらえて嬉しいです。
鈴木
掛け声は何語なんですか?
吉田
それも嬉しい良い質問です(笑)
すべてのミーティングは英語で行なっていますが、試合中はどの言語が一番という優位性を付けずに、一番早く発音しやすく、伝わりやすい言語を使用するということにしました。
英語以外にも、この掛け声は日本語で行こう、これは韓国語の方が言い易いね、これはスウェーデン語使っていいよとか。
でも一番多用したのはボディランゲージでした(笑)
長野
これまでと何か違うところはありましたか?
吉田
今までは同じ国の選手としかチームを組んだことが無かったので、今回はみんなの言語、文化、国そのものを理解するために、事前にいろいろ調べました。
そのうえで私たちがどういうふうに勝っていく道に乗るのかを考えるなど今までやったことないプロセスを踏みました。
でもこれが一番のスポーツの魅力なんじゃないかなと思いました。
長野
これから普及活動も熱心にされて行くということですけれども、リスナーの皆さんにカーリングの魅力を伝えて頂けますか?
吉田
私は、12年所属したロコ・ソラーレを退団してプロになりました。
タイフーンカーリングクラブに所属して試合をしていきますが来シーズンの開幕は、2027年1月です。
私は居ないですが、ロコ・ソラーレは今も頑張って活動しております。
6月に横浜で開催される日本カーリング選手権に新しいチームとして参戦するので、ロコ・ソラーレ、そして他のチームの応援も是非宜しくお願い致します。

