直径500km天体に大気、国立天文台など発見…地球から55億km
国立天文台などは、太陽系外縁部に位置する直径約500キロの天体で希薄な大気を発見したと発表した。
大気があるのは惑星など一定の重力のある天体に限られると考えられてきたが、小さな天体でも大気を持ちうることを示した発見という。論文が5日、科学誌ネイチャー・アストロノミーに掲載される。
この天体は、太陽系の八つの惑星より外側に広がる「カイパーベルト」にあり、観測時には地球から約55億キロ離れていた。重力は地球の約100分の1と推定される。
同天文台などは、恒星の前をこの小天体が通過することで光が遮られて暗くなる「掩蔽(えんぺい)」と呼ばれる現象を、京都府や長野県など国内3地点で観測した。小天体に大気がある場合、恒星からの光が大気で屈折するため恒星の明るさはなだらかに変化する。分析により地球の500万〜1000万分の1程度の気圧にあたるわずかな大気があることが分かった。
太陽系外縁の天体では、準惑星の冥王(めいおう)星(直径約2380キロ)に大気があることが知られていたが、重力の小さい小型の天体では大気を保てないとされてきた。
同天文台の有松亘講師は「明確な大気は大きな惑星、準惑星、一部の大型衛星に限られるという従来の常識が成立しない可能性を示したものだ」と指摘。この天体の大気の起源として▽天体内部の地質活動によりガスが放出された▽他の小さな天体と高頻度で衝突して補給された――の二つの説をあげた。極低温の環境のため気体となって大気を作りうるのはメタン、窒素、一酸化炭素などに限られるという。
