【木村 隆志】次世代のSMAP、嵐となるか?バラエティでも大ブレイク「M!LK」に出演オファーが殺到する理由…テレビマンの本音は
2014年の結成から10年強、長い下積み時代を乗り越えたM!LKが今、メディアを席巻している。4月だけでゴールデン・プライム帯に10本以上出演し、その頻度は男女アイドルや芸人を含む全ジャンルでトップクラス。
「イイじゃん」「爆裂愛してる」「好きすぎて滅!」などリリースした楽曲はカラオケランキングの上位を占め、オリコン週間ストリーミングランキングでは史上5組目となる1・2位独占を達成した。
そのパフォーマンスは、ダンス&ボーカル系のグループが急増するなかで「空白となっていたポジション」を埋めるものとして業界内でも高く評価されている。では、なぜ彼らはバラエティでもこれほど重宝されるのか?
前編記事『「イイじゃん」「爆裂」「滅」だけじゃない…なぜ「M!LK」はテレビに出まくっているのか?業界人が知る「本当の評判」』より続く。
メンバー全員地方出身のテレビっ子
もうひとつM!LKの躍進を語る上で重要なのは、「こんなにバラエティ対応がうまいアイドルグループはいなかった」という高評価の声。
男女を問わずアイドルは「MCからアイドルとしての扱いを受けなければバラエティで輝けない」という人が大半を占めている。バラエティ慣れした芸人などと比べると、反応は鈍く、声は小さく、話は長く、笑いどころが少ない。MC以外の共演者と絡むことも難しく浮いたポジションになりやすいため、ファン以外からは冷めた目で見られやすいところがある。
アイドルのバラエティ進出における先駆けのSMAPですら当初はこれらを指摘されていたほか、TOKIOは「内輪ウケ」、V6は「学生ノリ」、嵐は「グダグダ」などの辛らつな声があがっていた。もちろんそれらの課題を克服した彼らの努力は称えるべきだが、圧力や忖度が渦巻く業界で「ジャニーズ1強だった」という背景が味方していたことも確かだろう。
その点、M!LKはその何倍も時間をかけながら個人とグループそれぞれの活動で地道にバラエティ対応力を磨いていった。なかでも共演者を問わない対応力は驚きのレベルにある。「ライバル関係にある男性グループとの共演ですら嫌味なくこなし、相手ファンから批判の声をあまり受けない」という男性アイドルはこれまで見たことがない。
特に熱心なファンが多いためセンシティブなSTARTO勢との共演では彼らの強みを感じさせられる。実際、4月27日放送の『テレビ×ミセス』では塩粼太智がSnow Man・宮舘涼太や中島健人、さらにアーティスト界のアイドル的なMrs. GREEN APPLEとの共演をそつなくこなしていた。
佐野勇斗(28歳)、吉田仁人(26歳)、塩粼太智(25歳)、山中柔太朗(24歳)、曽野舜太(23歳)の5人全員が、謙虚で、人懐っこく、度胸があり、体を張れる。さらに苦労や実力がベースにあるため、一般層から「嫌われづらい」「叩かれにくい」というバラエティタレントの必須条件を満たしていることもポイントの1つ。何より芸人だけでなく他事務所のアイドルからもツッコミを入れてもらえるところに彼らの魅力が表れている。
最年少の曽野はバラエティでの活躍について「東京生まれがいなくて、田舎の人ばかりでテレビを見て育ってきたのでバラエティ大好きなんですよ」と語っていた(佐野は愛知県岡崎市、吉田は鹿児島県霧島市、塩粼は和歌山県和歌山市、山中は栃木県足利市、曽野は三重県伊勢市の出身)。
そんなテレビ愛は共演者だけでなくテレビの作り手にも、テレビの視聴者にも伝わるからこそオファーが増えていくのだろう。
ジャニーズ1強の再来は避けたい
一方、各局の制作サイドにしてみれば、メンバー1人1人がバラエティで結果を出せる上に共演者を選ばないため、安心してオファーを出すことができる。
2016年秋のドラマ『砂の塔』(TBS系)で継母・菅野美穂、実母・松嶋菜々子の高校生を演じて以降、佐野の知名度が上がり続け、「M!LKは佐野勇斗のグループ」という印象を持たれ続けていた。
しかし、昨年後半から今年にかけて、むしろ佐野が目立たないほど他のメンバーが躍進し、特にバラエティに引っ張りだこの塩粼と曽野は急激に知名度と好感度を上げ、「スケジュールを押さえるのが難しい」という段階に突入している。
各局のテレビマンに話を聞くと、「Snow Man、SixTONES、timelesz、Travis JapanらSTARTO勢は極めて重要」ながら、かつてのような「STARTOの1強状態は避けたい」のが本音。それ以前に彼らのスケジュールはすでに多くが埋まっているだけに各局としては数字が取れる他事務所のスターがほしいと感じている。
また、他の芸能事務所に目を向けると、BMSG、LAPONE、LDHを筆頭にボーイズグループは多いが、その多くはアーティスト志向が強い。バラエティへのモチベーションと対応力は微妙なラインであり、深夜帯の冠番組や有料の配信番組ならいいが、ゴールデン・プライム帯での活躍は現実的ではない。
その点、M!LKのスターダストは超特急、SUPER★DRAGON、ONE N' ONLY、原因は自分にある。、BUDDiiSなどがいて、俳優として活躍中のほかバラエティ進出を狙っているメンバーも多く、事務所全体への期待感もあるという。
ゴールデン冠番組が現実的な目標に
「STARTO1強を打ち破り、スターダスト勢の道を作り、バラエティアイドルの可能性を広げる」などの点でM!LKへの期待値は大きい。
先月末に話した民放のあるテレビマンは「M!LKはSnow ManやSixTONES、FRUITS ZIPPERやCANDY TUNEなどの苦労人がブレイクする流れにも乗っている」「彼らこそジャニーズ1強だった昭和・平成の男性アイドルシーンを変える令和のシンボル」などと熱弁していた。
現在、M!LKは「1人か2人での活動が活発化し、その成果をグループに持ち帰ってスケールが増していく」という、かつてのSMAPや嵐のような好循環に入っている。
このままスキャンダルさえなければ彼らがゴールデン・プライム帯で冠番組を持つ日も遠くないのかもしれない。もしそうなれば、旧ジャニーズ、現STARTO以外では異例であり、本当の意味で国民的アイドルになっていくのだろう。
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