【木村 隆志】「イイじゃん」「爆裂」「滅」だけじゃない…なぜ「M!LK」はテレビに出まくっているのか?業界人が知る「本当の評判」

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右肩上がりで増える番組出演数

『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)、『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)、『STAR』(フジテレビ系)の音楽番組はもちろん総ナメ。

さらに『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)、『プロフェッショナルランキング』(TBS系)、『王様のブランチゴールデン』(TBS系)、『テレビ×ミセス』(TBS系)、『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)、『秘密のケンミンSHOW極』(読売テレビ・日本テレビ系)、『ナゾトレMAXXX』(フジテレビ系)、『超調査チューズデイ』(フジテレビ系)、『ニノなのに』(TBS系)、『プレバト』(MBS・TBS系)。

これらはすべて4月にアイドルグループ・M!LKが出演したゴールデン・プライムの番組であり、5月に入っても『チコちゃんに叱られる!』(NHK総合)、『逃走中』(フジテレビ系)などへの出演が予告されている。

それ以外の時間帯でも、朝の『ラヴィット!』(TBS系)、昼の『ぽかぽか』(フジテレビ系)、夕方の『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(NHK総合)、深夜の『限界突破!やってM!LK』(TBS系)、さらに『ひらめきコンボ』(日本テレビ系)、『全力チャンプ』(日本テレビ系)、『上田と女がDEEPに吠える夜』(日本テレビ系)、『よるのブランチ』(TBS系)、『ニカゲーム』(テレビ朝日系)など、一日中くまなく出演していることに驚かされる。

その出演頻度と伸び率は男性アイドルグループだけでなく、女性アイドルグループ、芸人、アーティストなどを含めてもトップだろう。つまりそれだけ民放各局から引っ張りだこということだが、M!LKは昨年「イイじゃん」がバズったことで大みそかの『第76回NHK紅白歌合戦』に出演したように、「昨年のブレイクアイドル」とみなす向きもあった。

なぜ彼らは今年に入って急激にメディア露出が増えているのか。昨年から今年にかけて見聞きしてきた業界のリアルな評価や可能性などを含め、躍進の背景を掘り下げていく。

ブレイクまで10年強を要した苦労人

あらためて彼らの歩みを振り返ると、M!LKの結成は2014年11月。芸能事務所・スターダストプロモーションの若手俳優集団EBiDANの冠番組『EBiDANアミーゴ!』(BS日テレ)の企画から誕生した。

2015年3月にインディーズファーストシングル「コーヒーが飲めません」をリリースし、同年ライブツアーを行うなど順調なスタートを切ったように見えたが、メジャーデビューシングル「Ribbon」のリリースまで、結成から7年もの時を要してしまう。

その後もジワジワとファンを獲得しながらもヒット曲に恵まれず、俳優としての地位を着々と上げていく佐野勇斗とは裏腹にグループの知名度は上がっていかなかった。

しかし、2025年に入るとセカンドアルバム「M!X」が各チャート1位を記録したほか、ついに『ミュージックステーション』への初出演を果たす。その背景にはSNSでの大反響があり、『第67回日本レコード大賞』優秀作品賞、『第76回NHK紅白歌合戦』初出場、『第98回選抜高校野球大会』の入場行進曲に「イイじゃん」が起用されるなどの結果につながった。

結成からブレイクまでに要した時間は10年強に及び、この間メンバーの入れ替えもあるなど、彼らが苦労人であることは間違いないところ。しかし、それを忘れさせるような底抜けの明るさが一般層だけでなくメディア関係者の心をつかみはじめている。

底抜けに明るいキャラクターと楽曲

そんな底抜けの明るさを象徴しているのが「イイじゃん」「爆裂愛してる」「好きすぎて滅!」らの楽曲。

どこまでも明るく楽しく、時に笑いを誘うほど振り切った楽曲が受け入れられ、それを照れることなく全力でこなすパフォーマンスが業界内で評価されている。あの秋元康も「M!LKはめちゃめちゃ曲がいい」などと語っていたが、覚えやすさや親しみやすさなどの大衆性が彼らの魅力とシンクロしているのだろう。

そしてこの点については業界内で「かつてのジャニーズアイドルもそうだった」という声も多い。わかりやすい例で言えば、シブがき隊の「NAI・NAI16」「スシ食いねェ!」、SMAPの「$10」「Hey Hey おおきに毎度あり」、TOKIOの「LOVE YOU ONLY」「SoKoナシLOVE」あたりだろうか。これら以外にもジャニーズ勢は底抜けの明るさを感じさせ、愛を声高に叫ぶような楽曲が多かったが、時代の変化とともに減り、「カッコイイ」が優先されていた。

このところ底抜けの明るさを感じさせ、愛を声高に叫ぶ楽曲は女性アイドルグループの専売特許というムード。男性グループの中心がダンス&ボーカル系に移り、アイドル性を後ろ回しにするようなプロデュースが続いていることで、「不在となっていたポジションにM!LKがハマった」とみる業界関係者は多い。

現在、前述した3曲はカラオケランキングの上位に位置しているが、この現象は彼らの熱心なファン層だけでは不可能。多くの男性を含む幅広い層から親しまれていることの証に見える。

ダンス&ボーカルの隆盛に待った

さらにM!LKは音楽番組だけでなく情報番組やバラエティへの出演時も、底抜けの明るさは変わらず、常に笑顔で仲の良い姿を見せている。この半年あまりネット上には、ファンではないと思われる人々からの「彼らを見ているとこちらまで楽しくなる」という反応が増えていた。

元気で反応がいいのは若手芸人と似た特徴だが、M!LKのメンバーは仲間や共演者への気遣いがにじみ、誰かを押しのけて前に出たり、構えすぎてチャンスを逃したりすることはない。そんな押しつけがましさのない明るさや元気があるから、特別に面白いことを言わないときですらその姿に笑みを誘われるのだろう。

昨年のブレイク以前から応援してきたファンたちはライブやTikTok などのSNSなどを通じてそんな魅力を知っていたが、テレビ出演の増加によって一般層にも広がった。

一度見たら好感を持ってしまう屈託のなさ、嘘のなさそうな仲の良さを見せながら、楽曲のパフォーマンス時には別次元から来たようなキラキラのアイドルとして君臨する。そんな振り幅の大きさは単に彼らのサービス精神だけでなく、結成から10年以上雌伏の時を過ごしながら蓄積したエナジーの強さによるものかもしれない。

振り返ると2000年代は「強烈な個のぶつかり合い」と言われたSMAPがアイドルシーンを席巻し、2010年代は仲の良さを前面に押し出した嵐が支持を集めて時代の変化を感じさせた。さらに2020年代前半は技術を押し出したダンス&ボーカルグループが台頭したが、2020年代後半は嵐のような仲の良さに底抜けの明るさを加えたM!LKのようなアイドルが台頭するのではないか。

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【つづきを読む】次世代のSMAP、嵐となるか?バラエティでも大ブレイク「M!LK」に出演オファーが殺到する理由…各局テレビマンの本音は

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