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ルノー5 E-テックと実質的には双子のきょうだい

日産の小さなハッチバック、マイクラ(旧マーチ)は、重要な役割を担ってきた。信頼性やコスパの高さを初代から叶え、欧州市場では日本車の定評を築くのに貢献。2代目は英国でも生産され、日産の人気を支えた。

【画像】丸目ボディと上質内装で違いアピール 日産マイクラ(旧マーチ) サイズの近いEVは? 全158枚

21世紀の3代目も、魅力的だった。上品にカーブを描いたスタイリングを、オシャレに感じた人は多かった。ところが日産ジュークの登場で、4代目の市場は奪われる。生産拠点はタイやフランスへ移され、少し迷走している感は否めなかった。


日産マイクラ(旧マーチ) 52kWh(英国仕様)

しかし、歴代初となるバッテリーEVとなって、マイクラは再生を目指す。評判のすこぶる良い、ルノー5 E-テックと技術を共有して。

5代目マイクラも、ルノー・クリオ(ルーテシア)と近い関係にあったが、新世代は更に接近。5 E-テックと、実質的には双子のきょうだいと表現できるだろう。全長や車重は僅かに異なるが、ホイールベースや全高は一致する。

より力強く若者受けしそうなスタイリング

ボディシェルは同一で、ユーロNCAPの衝突安全性テストは、5 E-テックの結果を流用できたほど。それでも、丸いライトやフェンダーの造形、ボディサイドのくぼみなど、特徴的な処理で差別化は図られている。より力強く、若者受けしそうに見える。

バンパーやサイドシル、ホイールアーチには、グロスブラックのトリム。使い勝手重視な、ツールのような雰囲気も生み出されている。


日産マイクラ(旧マーチ) 52kWh(英国仕様)

それでも、ステランティス・グループの技術を共有するモデル群と比べると、既視感が強いことは事実。その結果、マイクラの存在感が薄まったことは否定できないだろう。技術的な功績の中心役はルノーだったのか、日産だったのかは想像するしかないが。

シャシーはスチール製モノコック。フロントに122psか150psの他励同期モーターを搭載する前輪駆動で、駆動用バッテリーはLFPセルの40kWhか、NMCセルの52kWhかを選べる。サスペンションは、前後とも独立懸架式となる。

従来的で上質な印象のインテリア

インテリアも、ダッシュボードの素材が異なるものの、概ね5 E-テックと共通。筆者は既にルノーのきょうだいへ試乗していたから、目新しく感じる部分は多くなかった。とはいえ、マイクラの方が従来的で上質な印象を受ける。

上位グレードの場合、グレー単色ではなく、オーディシャス・ブルーの人工皮革内装を指定可能。間接照明も、効果的に雰囲気を引き立てている。


日産マイクラ(旧マーチ) 52kWh(英国仕様)

運転姿勢は、このクラスのハッチバックとしては優秀。座面は高すぎず、シートの調整域は広い。シフトセレクターがステアリングコラムから伸び、回生ブレーキ用パドルがステアリングホイールの裏にあり、操縦系の配置も望ましい。

ステアリングボス周辺には、ドライブモードとオーディオ、クルーズコントロール用のボタン。運転支援システムのカスタム設定ボタンや、エアコンの操作パネルも独立し、物理スイッチで操れるのがうれしい。

タッチモニターのシステムはベストの1つ

そのため、10.1インチのタッチモニターへ触れる機会は殆どないが、システム自体の仕上がりも優秀。このクラスでは、ベストの1つに数えられる。ナビゲーションバーが画面の端へ表示され、主要な機能を見つけやすく、反応も良い。

もっとも、これらは5 E-テックでも同じ。独自のグラフィックは得ているけれど。


日産マイクラ(旧マーチ) 52kWh(英国仕様)

後席側の空間は、シトロエンe-C3の方が広い。同クラスのハッチバックの場合、専ら座るのは子どもで、荷物置き場になることも多いはずだが。他方、荷室はe-C3より広く、容量は326L。後席を倒せば、1106Lへ拡大できる。

気になる走りの印象とスペックは、日産マイクラ(マーチ) 52kWh(2)にて。