教育業は“時給3000円超”!? 65歳まで「嘱託社員」を全う、来月から「パート」で家計を支えようと思っています。「シニアでも稼げるパート」ってどんな業種でしょうか?

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先行きの見えない現代社会において、物価高などの影響もあり、老後のことが心配になる方もいるのではないでしょうか。年金もあてにならないとい言われる中、定年後も働こうと考える高齢者もいるかもしれません。   本記事では、シニアでも稼げるパートにはどのようなものがあるか紹介します。また、パートだけで老後の生活を支えていけるのかどうかについても解説します。

「65歳の短時間労働」で“時給”が高い業種は?

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」短時間労働者の学歴、年齢階級別1時間当たり所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 によると、10人以上の企業規模における65~69歳の平均時給は以下の通りです。
 

1位 教育、学習支援業:3370円
2位 金融業、保険業:2225円
3位 学術研究、専門・技術サービス業:1991円
4位 情報通信業:1822円
5位 医療、福祉:1816円

1位は「教育、学習支援業」で2位の「金融業、保険業」よりも1000円以上高い時給でした。
ちなみに、同調査の「業種別主な職種早見表」においては「教育、学習支援業」として「学校教員」「個人教師」以外にも「学校用務員」「スクールバス運転手」「スクールカウンセラー」などが挙げられています。直接的に学業に関わる分野以外の職種であっても、専門知識や経験を生かして働くことができる職種があるようです。

「65歳の短時間労働」で“月収”が高い業種は?

前記の時給と同資料にある「1日あたり所定内労働時間」「実労働日数」を掛けたものを月収として算出すると、順位は以下のように変化します。
 

1位 金融業、保険業:約19万8248円
2位 学術研究、専門・技術サービス業:18万1181円
3位 教育、学習支援業:約17万9823円
4位 鉱業,採石業、砂利採取業:約16万9957円
5位 情報通信業:約16万8462円

月収ベースでは、「金融業、保険業」が1位になった一方で、「教育、学習支援業」は3位に位置しています。これは、「教育、学習支援業」の1日あたり所定内労働時間が「4.6時間」と短めであることが理由のひとつと考えられます。
また、時給ベースでランク外であった「鉱業,採石業、砂利採取業」については、「7.2時間」と長い労働時間の影響で4位にランクインしました。従事する職種にもよりますが、65歳以降という年齢を考えると、体力との兼ね合いを考え、労働時間の長さも考慮したほうが良さそうです。

“高時給パート”ならシニアでも働き続ければ家計を支えられる?

総務省統計局の「家計調査(家計収支編)二人以上の世帯 2025年」 によると、65歳以上の夫婦一組の無職世帯におけるひと月の収支は4万2434円の赤字であることが分かります。計算式は以下の通りです。
 

・実収入-(消費支出+非消費支出)
 25万4395円-(26万3979円+3万2850円)=マイナス4万2434円

仮に年金を65歳で受け取らず、パート収入19万8248円(前章で計算した「金融業、保険業」の平均月収目安)のみで生活を支えようとした場合、月々の不足額は9万8581円にまで膨らんでしまいます。たとえ高時給な業種であっても、パート代だけで老後の全支出を賄うのは現実的ではなく、やはり年金や現役時代からの備えが不可欠でしょう。

まとめ

このように、平均的な数値を見る限りでは、老後の家計をパートの収入だけに頼るのは現実的ではないようです。
稼げる業種としては、「教育、学習支援業」「金融業、保険業」「学術研究、専門・技術サービス業」などが挙げられますが、どれも平均的な月収では、家計を支えるほどの収入にはならない可能性があります。
預貯金や年金にも頼らざるを得ないのが実際のところでしょう。老後の年金額は、ねんきん定期便などで確認できるので参考にしながら収支計画を立てたほうがよいと考えられます。
 

出典

e-Stat政府統計の総合窓口 厚生労働省 賃金構造基本統計調査/令和6年賃金構造基本統計調査 短時間労働者 産業大分類 表番号1 短時間労働者の学歴、年齢階級別1時間当たり所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 業種別主な職種早見表
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査/家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 2025年 表番号3-12 表分類 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 (高齢者のいる世帯)世帯主の就業状態別
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー