朝日に照らされる首里城。沖縄を象徴する首里城正殿の復元に向け、多くの人たちが復興に携わる(那覇市で)

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 沖縄のシンボル・首里城(那覇市)が、夜明けとともに姿を現した。

 2019年の火災で焼失した正殿などの復元工事が今秋の完成を目指して進められる中、正殿を覆っていた「素屋根(すやね)」は既に解体され、上空のドローンから見ると、鮮やかな赤色の宮殿がくっきりと浮かび上がっていた。

 14世紀頃に築かれ、琉球王国の政治や外交、文化の中心として繁栄をもたらしたと伝えられる首里城。琉球王国時代や太平洋戦争中に破壊、焼失が繰り返されたが、そのたびに再建を果たしてきた。2000年12月には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界文化遺産に登録され、現在も「見せる復興」をテーマに工事の過程が公開されている。解説員の伊波理恵さん(58)は「復元に携わる職人たちの息づかいや今ならではの工程を間近で見てほしい」と案内に力を込める。

 12〜16世紀頃に聖域や城塞(じょうさい)としての役割を持ったとされるグスク(城)の跡は、今も沖縄本島に点在する。北部の今帰仁(なきじん)城跡(今帰仁村)は広大な土地に波打つような石垣が築かれ、景勝地としても人気を集める。中部の勝連(かつれん)城跡(うるま市)は小高い丘に沿って階段状にそびえる五つの曲輪(くるわ)(区画)が、コバルトブルーの海に映える。

 勝連城跡に隣接する歴史文化施設では、城主「阿麻和利(あまわり)」の生涯を記した展示物などが並ぶほか、グスクの物語を紹介する劇で中高生が歌や躍動感ある演技を通して歴史や祈りの大切さを伝えていた。出演者の山庄乃の葉さん(14)は「演目を通してグスクの歴史や地域の魅力を知ってもらえれば」と話した。

 「首里城は県民にとって格別の存在で、心のよりどころでもある」と伊波さん。各地のグスクと共に、間もなく復活する首里城が、沖縄の歴史を伝えていく。(写真と文・大石健登,鈴木毅彦)※写真は3月15日から17日に撮影