川崎戦は石尾陸登(39番)のゴールで一度追いつくも1−2で敗戦。なかなか結果が伴わない日々が続く。(C)SOCCER DIGEST

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[J1百年構想リーグEAST第12節]川崎 2−1 千葉/4月25日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

 志が高く、主体的なサッカーを――。昨季17年ぶりのJ1復帰を果たし、百年構想リーグに臨んでいるジェフの戦い方は個人的にかなり魅力的に映る。

 約2か月前にホームでPK戦の末に敗れた川崎とのリターンマッチでもそうだった。後方から丁寧なビルドアップを試み、相手の配置を見ながら主体的にボールを前進させ、ゴールに向かう。ショートパスだけでなく、相手を食いつかせてからのサイドハーフらを活かすロングフィードもより光るようになっている。自分たちでゲームを動かし、相手を崩す志がチーム全体からよく表われているのだ。

 もっとも難しいことに挑戦しているからこそエラーも起こる。川崎戦では、試合の入りが芳しくなく失点。その後、4−4−2の初期配置から攻撃時は4−3−3のような形に変え、川崎のボランチの脇などを有効に使い、決定機をいくつも作ったが、今度は決め切れない。

 それでも諦めず、セットプレーから土壇場で追いついたが、直後に「自分たちのエラーが重なってしまった」(小林慶行監督)と、相手のジョーカー、マルシーニョをゴール前でどフリーにするまさかの形で、決勝点を奪われたのだ。

 2失点目のシーン、チームとして左サイドの対応からエラーが重なり、最後はマルシーニョのマークを外してしまった右SBの郄橋壱晟が試合後には責任を感じなかなか立ち上がれなかった姿も印象的であった。

 12試合を戦って2勝10敗(うち3試合がPK戦負け)。EASTで最下位に沈む。幾人かの怪我人を抱えるなか、戦力でも他のJ1勢とは小さくない差を感じる。目先の結果を求めるなら、本来、堅実なスタイルに舵を切るべきなのだろう。

 それでも「当たり前のことを当たり前にやろう」を合言葉に信念を貫く小林監督の下、どれだけ打ちのめされても、志を捨てず、難易度の高いスタイルに挑もうとするのが今のジェフなのである。「J1では無理だよ」「だから勝てないんだ」。心無い声もあるだろう。

 何か新しいものを作ろうとすれば批判が起こるのが当たり前である。それを真摯に受け止めながらも前進を止めない姿が魅力的に映るのである。

 それはかつて失点を繰り返しても、負けを繰り返しても、“魅せて勝つ”を合言葉に前に進み続けた、川崎の姿にも少し似ているようにも感じた。その意味でも、現在は“魅せて勝つ”からより“勝つ”ことにシフトしているように映り、この日の交代カードは守備のバランスを強化する采配を主に勝ちにつなげた川崎と、前に出ることを止めず守備面でミスが重なり敗れた千葉の一戦は、なんだか様々な示唆に富んでいたようにも感じる。
 もっとも、プロは結果も求められるのが当たり前だ。だからこそ、千葉の選手たちは強い危機感を覚えている

 少しずつ成長を見せ、川崎戦では良いフィードを何本も送ったCB河野貴志も語る。

「前半の入りは相手のペースで、徐々に自分たちのペースにできましたが、失点するのが早すぎた。一方で、距離感が良いと、(クサビのパスを)真ん中に刺せますし、一人ひとりのポジショニングが良いと上手く連動して自分たちの出したい形を出せる。最近、より意識していますし、積み重ねることができています。

 一方で(内容は良かったという試合が)ずっと続いていて、周りもそう言ってくれるが、もうそれじゃダメ。結局はこの世界、結果がすべて。改めてしっかり反省しなくちゃいけない。負けているので、川崎相手に良い試合ができたじゃダメで、勝ちにもっと全員が飢えないといけないし、貪欲にもっとやっていかなくちゃいけないと思います」