【日本のインフラ問題】いまさら聞けない「補修」と「補強」の決定的な違い

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日本はこのまま崩れ去ってしまうのか? 道路、鉄道、水道、インフラ、橋……なぜ全国各地で次々に事故が起きるのか? お金も人も足りない……打つ手はあるのか?

注目の新刊『日本のインフラ危機』では、私たちの暮らしを揺るがす「大問題の正体」を豊富なデータと事例から解き明かす。

(本記事は、岩城一郎『日本のインフラ危機』の一部を抜粋・編集しています)

対策とは何をすることか

インフラの診断を終えると、次に対策のフェーズです。インフラの場合、対策の多くは補修・補強です。似たような言葉ですが、それぞれ説明していきます。

補修とは、劣化の速度を緩くする、あるいは少し性能を上げて要求性能(要求レベル)を下回るまでの期間を延ばす行為です(図表4-2上)。たとえば、コンクリート表面に塗装をして内部の鋼材腐食を引き起こす有害物質の浸入を防ぎ、劣化速度を遅らせるといったものです。

一方、補強とはまさに構造物を強くする行為です。構造物の力学的な性能が明らかに向上し、要求レベルを下回るまでの期間を延ばすことができます(図表4-2下)。耐震補強としてコンクリート製の柱の周りに鉄板を巻いたり、炭素繊維シートを張り付けたりするような対策がこれに当たります。

補修・補強は医療にたとえると、整形外科的な処置になるでしょうか。悪いところを取って新しいものに置き換える皮膚の移植のような行為や、ボルトを埋め込み骨や関節を強化することでより大きな力に耐えられるようにするようなものです。さらに人でも電気化学的な治療があるように、コンクリート中に電流を流すことで鋼材腐食を抑えるなどの行為(電気防食)もあります。

さらに、「日本はこのまま崩れ去ってしまうのか…意外と気づかない「インフラ危機」本当の実態」」では、いま大問題として迫っているインフラ老朽化問題をひきつづき見ていく。

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