ノルウェー著名デザイナーの子ども用椅子に「著作権は認められない」…最高裁判断「創作性がある場合に限られる」
ノルウェーの著名デザイナーが手がけた子ども用椅子に著作権の保護が及ぶかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は24日、「著作権は認められない」と判断した。
同小法廷は椅子など量産の実用品について、「機能に由来するデザインとは別に、思想や感情の創作的な表現が見てとれる場合には著作権が及ぶ」との初判断も示した。
この椅子は、同国の家具メーカー「ストッケ」が販売する「トリップ トラップ」で、成長に合わせて高さを調節できる特徴から世界で累計約1400万台売れている人気商品。同社などは、日本の家具メーカー「Noz」(兵庫県川西市)が同じ特徴の椅子を販売し、著作権を侵害しているとして、販売の差し止めや損害賠償を求めて提訴した。
訴訟では、ストッケ社の椅子に著作権が認められるかが争点となり、原告側は「制作者の個性が発揮されており、著作権がある」と訴えた。
同小法廷はまず、実用品のデザインを国に登録すれば原則25年間は保護される「意匠制度」があることに触れ、登録手続きなしに著作者の死後70年間保護される著作権を広く認めれば「意匠制度の存在意義を損なう」と指摘。実用品に著作権が及ぶのは、その機能とは別に創作性がある場合に限られるとの基準を示した。
その上で、ストッケ社の椅子は「子ども用椅子としての機能に由来するデザインしか見てとれない」として著作権を否定。ストッケ社側の上告を棄却した。著作権を認めず、同社側敗訴とした1審・東京地裁と2審・知財高裁の判決が確定した。
著作権法には実用品のデザインについての明文規定がなく、最高裁の判断が注目されていた。
