クマの被害相次ぐ 冬眠明けでも「100キロ超」ナゼ 温暖化が影響?…専門家「目覚めるのが毎年早く」【#みんなのギモン】
冬眠明けのクマの出没が増えています。東北各県の「出没警報」の発表は過去最速。なぜ今年は冬眠から覚めるのが早いのか、専門家に聞きました。山に行く機会が増えるゴールデンウイーク(GW)など春の行楽シーズンを迎える今、事前の備えが欠かせません。
そこで今回の#みんなのギモンでは、「GWも警戒 今年のクマの特徴は?」をテーマに解説します。
■草刈り中に鉢合わせ、捜索中にケガ

山粼誠アナウンサー
「各地で冬眠から目覚めたクマの目撃情報、そして被害なども続々と聞かれるようになってきました。専門家は今年ならではの特徴を指摘しています」
「22日朝5時半すぎ、宮城・柴田町で住民の女性から、『庭で草刈りをしていたらクマと鉢合わせた』と110番通報がありました。女性が驚いて声を上げたところ、クマは逃げたということです。警察などが警戒にあたっています」
「また21日、岩手・紫波町の山間の集落では、行方不明となった女性を捜索していた警察官がクマに襲われ、ケガをしました。付近では成人女性の遺体も見つかり、クマに襲われたとみられる傷があったということです」
鈴江奈々アナウンサー
「去年の秋はクマの被害が相次いでいて、冬眠明けはどうなるかと心配されていた方も多いと思います。早くもこういった情報が入ってきてしまっていますね」
■秋田県の出没情報、去年の3.6倍に

山粼アナウンサー
「東北を中心にクマの出没が相次いでいますが、秋田県ではクマの出没した情報をまとめたサイト『ツキノワグマ等情報マップシステム クマダス』があります。地図で、目撃された場所や日時などを知ることができます」
「この情報で調べてみると、4月は21日までで、すでに207件の目撃などの情報が届いています。去年の同じ時期と比べると約3.6倍になっています」
■「出没警報」東北各地で過去最速

森アナウンサー
「こうした目撃情報の急増によって、すでに『ツキノワグマ出没警報』を発表している自治体もあります」
「青森県は20日に注意報から警報に切り替えたばかりです。去年5月1日に警報が出され、それでも早かったんですが、それを上回る過去最速の警報発表となりました。秋田県も4月14日に注意報から警報に切り替えました」
「宮城県では例年6月下旬〜7月下旬に警報が発表されるそうですが、今年は4月19日に発表となりました。4月の発表は初めてということで、こちらも過去最速となりました」
■専門家「冬眠明けが毎年早く」

桐谷美玲キャスター
「なぜ今年はクマの出没がこんなに早いんですか?」
山粼アナウンサー
「その理由を専門家にお伺いしました。クマの生態に詳しい岩手大学農学部の山内貴義准教授によると、今年はクマの冬眠明けが早かったということです」
山内准教授
「冬眠から覚めるのが毎年早くなっていて、気温が高くなるのが早くなっているのが原因です。あまり冬眠から覚めるのが早いと、木々の芽吹きが来る前に覚め、一時的にエサ不足になる」
山粼アナウンサー
「山内准教授によると通常は3月いっぱい冬眠し、冬眠から明けたら草木の新芽などを食べることが多いそうです。ただ気温が高かったことなどもあり、目覚める時期が早いと、まだ山の木々が芽吹いていない、食べるものが少ないという状況だそうです」
「そうなると、すべてのクマがそうするわけではないものの、過去に人里でおいしいものを食べた経験があるクマは『あっちの方においしいものがあったぞ』と思い出し、食べ物を求めて人の生活圏へ出てきているのではないかということでした」
■今年のクマ、気になる特徴は?

森圭介アナウンサー
「確か去年の秋、クマの被害が増えた時に、その原因としてクマのエサとなるドングリが凶作で、食べ物を探して人里に下りてくるという話を聞きました」
「凶作は毎年起きることではないので今年は収まるのかなと思っていましたが、今回の原因が温暖化ということになると、なかなかすぐに収まらないですよね。今後続いてしまうかもしれませんよね」
桐谷キャスター
「お腹が空いているクマは凶暴になったりしないものなんですか?」
山粼アナウンサー
「冬眠から明けたクマというのは、基本的に数か月寝続けていたので、体重が2〜3割は減ってやせた状態だということです。体力もかなり落ちて、クマもフラフラな状態だといいます」
「ただクマは力があるので、至近距離まで近づくと危険なため警戒は必要となってきます。さらに、今年の冬眠明けのクマの特徴として、もう1つ気になる点があるということです。冬眠明けなのに体が大きいということです」
■仙台で駆除されたクマは100キロ超

山粼アナウンサー
「山内准教授が驚いたのは、19日に宮城・仙台市で駆除されたクマについてでした。マンションの敷地内にクマが居座り続け、住宅街にとどまる危険な状況と判断され、市から緊急銃猟が発令されました」
「駆除されたクマはオスの成獣で体長が1.5メートル、体重が125キロありました。冬眠明けで100キロを超えているのは珍しいそうです」
「理由はまだはっきりとしていないものの、早めに冬眠から覚めて周りにエサがなく、人里で保管された果物や家畜のエサなど栄養価の高いものを食べて体重を増やした可能性があるといいます」
■これからの時期は最大限の警戒を

忽滑谷こころアナウンサー
「これから春の行楽シーズンで、GWもあります。登山する、山に近づく、自然の多い場所に行く方も多いですよね。そうなるとますます心配ですよね」
山粼アナウンサー
「山内准教授によるとハイキングやキャンプなどで、人が山の方へ行く機会も増えますし、クマもエサを探して行動の範囲を広げる時期になってきます。これからは山でのクマの被害が多くなる時期で、最大限の警戒が必要だといいます」
「まずはクマと近づかなくてすむように、音の出るような鈴やラジオを携帯することが大事だそうです。場合によってはクマ撃退スプレーを持参することも考えてほしいということでした」
鈴江アナウンサー
「早くもクマが活動的になっているということを自覚して、私たちも対策をしっかりしてレジャーなどを楽しむようにした方がよさそうですね」
山粼アナウンサー
「これまでとはクマに対する常識が変わってくるかもしれません。連休に自然豊かな場所へのお出かけを検討されている方も多いと思いますが、クマの出没情報などを事前に調べて備えておくことが大切です」
【みんなのギモン】
身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)
