逆転勝訴も返還されたのは「形見の銃」ではなかった…「適正に廃棄済み」まさかの回答にハンター池上氏が怒り

ハンターである北海道猟友会、砂川支部長の池上治男氏をめぐる銃の問題は、最高裁での勝訴後に思わぬ展開を迎えた。
池上氏は「当該の銃を『適正に廃棄』したという言い方は、私におっかぶせてるような一方的な判断。とんでもないこと。呆れて物も言えなくなるぐらいの愚挙」と怒りをあらわにした。
池上氏はクマ駆除の現場で発砲した際に「周辺の建物に当たる恐れがあった」として、北海道公安委員会から猟銃所持の許可を取り消されていた。銃の返還を求めて7年にわたる法廷での戦いの末に勝訴した。
裁判の焦点となった銃は、いまは亡きハンター仲間から譲り受けた、いわば「形見の銃」だ。しかし公安委員が謝罪とともに返還した銃は、形見の銃ではなかったことが判明。池上氏は「あそこにいた人、みんなそう思った。当該の銃(形見の銃)を持ってきたとばかり、みんな思った」と振り返った。
これまで池上氏の銃は4丁押収されていたが、今回返還されたのはそのうちの1丁のみ。しかも発砲に使われた形見の銃ではなかった。
裁判の証拠でもあった銃はどこへいったのか。池上氏を弁護した中村憲昭弁護士は「私のほうで検察庁に問い合わせたところ、検察官からは『廃棄しました』と回答があった。捜査が終われば速やかに廃棄しなければならない。法に基づいて適正に処分した、というのが検察官の説明だった」と語る。
適正に処分、速やかに廃棄という言葉に池上氏は「『適正に廃棄した』という言い方は最高裁に対しても本当に失礼な言葉。自分たちは適正にやった、適正にやってなかったのは私たちなんでしょうか」と憤った。
検察は適正に廃棄した理由として「池上さんは所有権放棄書を書いています」と明かしたというが、池上氏は「私はそういう記憶ないです。サインしたとか。だって廃棄されると分かっていて、所有権を放棄するわけない。最初から『銃を返せ』ということをやってきている」と言い切った。
「本当に青天の霹靂で驚きました。公安委員会のだまし討ちだと思う」と語る中村弁護士は「池上さんは『所有権放棄書に書いた覚えがない』と言っているが、仮にそういう書類が添付されていたとしても、違反の事実を争っていた池上さんが銃の所有権を放棄するわけがない」と代理人としても今回の件は許しがたいと憤慨。
その放棄書の所在は明らかにされないという。中村弁護士は「池上さんがそういうものを書いたというのであれば、開示をしてほしいというお願いをしているが、捜査機関の見解としては『これは不起訴記録』であると。不起訴になった刑事手続きについての記録なので、開示の対象ではないと。『もう鉄砲は本人の元に戻らないようにしてやれ』という意図を感じる」と語った。
池上氏は「(公安委員会が)何も言わないで違う銃を持って謝罪にきた。それ謝罪になりますか?裁判の争点になっている銃を廃棄する感覚は理解できないし、それを『適正にやった』って……『間違いでやりました』なら、まだわかるけど。(形見の銃は)もうこの世から消えてなくなった」と悔しさをにじませた。
今後は正式な開示請求も視野に、事態の究明を続けていくという。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
