MLB平均を上回る“極端な弱点”が隣り合わせも「投手が恐れる打者」 声価を高める村上宗隆が発揮する異質な打撃「成果は目に見えている」

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バットを高く構える独特のスタンスから長打を連発する村上(C)Getty Images

 明らかな“弱点”も共存する村上宗隆(ホワイトソックス)の打棒は、米球界にあって「価値がある」と認知され始めている。

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 現地時間4月18日、ホワイトソックスの村上宗隆は、敵地でのアスレチックス戦に「2番・一塁」で先発出場。7回の第4打席に2試合連発となる7号ソロを放った。これで今季は出場21試合で、打率.209ながら、7本塁打、14打点、長打率.522、OPS.908となった。まだまだ開幕1か月にも満たない春先ながら出足は好調だと言えよう。

 興味深いのは、打率の低さと反比例して跳ね上がるOPSの良さ。

 出塁率と長打率を足し合わせて割り出される同指標は「.730前後」が平均と言われる。つまり9割台は、「オールスター級強打者」と呼べる値だ。さらに村上の場合、打率が極端に低く、三振率(33.7%)、空振り率(42.4%)もいずれもMLB平均を上回っている。それでもMLBトップ4に入る平均打球速度(94.8マイル=約152.5キロ)、バレル率(22.9%)はエリート級で、「投手に怖がられる打者」に変貌を遂げていると言っていい。

 一定のアウトを「仕方ない」と受け入れ、試合を決定づける長打の量産に価値を見出す――。通算打率.231ながら、2度の本塁打王に輝いたカイル・シュワバー(フィリーズ)がそうであるように、村上も低打率と空振りの多さという打撃のマイナス面を、規格外のパワーという長所でもってカバーしている。ゆえにNPBでは「修正するべき」と断じられる“弱点”を持ちながら、その価値は高まっている。

 実際、首脳陣も村上の異質な打撃には舌を巻いている。打撃ディレクターを務めるライアン・フラー氏は、地元紙『Chicago Sun Times』で「彼は非常に高いレベルでの調整能力が実に印象的だ。その成果は目に見えて表れている」と称賛。「スイングが少しずつ滑らかになり、バットの芯に当たる頻度も増えてきている」と、さらなる打撃改善に期待を寄せた。

 どれだけ三振の山を重ねようと、重要な局面では一発の可能性を含んだ長打力を発揮する。年間108敗ペースと不振にあえぐホワイトソックスにあって、早々とメジャーに馴染み始めている村上の存在は貴重だと言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]