「防災庁」設置法案が審議入り、11月の設置目指す 構想きっかけは東日本大震災
国会で、災害対応の司令塔となる「防災庁」を設置する法案が14日、衆議院本会議で審議入りした。政府は2026年11月の設置を目指す。同庁について、3月6日に閣議決定している。
高市早苗首相は、「防災庁は徹底した事前防災と、発災時の対応から復旧・復興までの一貫した災害対応の司令塔機能を担うこととしております」と説明した。設置法案では、防災庁を内閣直属の組織として、総理大臣をトップに、事務の統括役として防災大臣を置く。防災大臣には、各省庁の取り組みが不十分な場合に対応を求める勧告権が与えられる。
主な取り組みとしては、平時から復旧・復興までの司令塔機能や被災者支援の実現、デジタル防災技術の徹底活用、行動変容に向けた防災教育・普及啓発、産官学民連携体制の強化などだ。
前首相の石破茂氏は、防災庁の設置を見据え災害備品展示会で「一刻も早く整うように、皆で努力していきたい」と話した。また展示会で、避難所で使用される段ボールベッドや、災害時の食品を体験。段ボールベッドの寝心地について石破氏は「寝心地いい」と太鼓判を押した。
防災庁の構想はいつからあったのか。
災害立て続けに発生したことで報告書提出
2010年代、東日本大震災、御嶽山噴火、熊本地震などの大規模災害が立て続けに発生。熊本地震の翌年2017年に、2府6県4政令市からなる「関西広域連合」が「我が国の防災・減災体制のあり方に関する懇話会」で「防災省(庁)創設」の報告書を作成し提出した。
2024年に発足した第一次石破内閣では防災庁の新設を掲げ赤沢亮正氏に防災庁設置準備を担当させ、「防災庁設置準備室」が発足。2025年9月に石破氏が首相と自民党総裁の職を退陣表明するとともに、次期政権に防災庁創設の方針を引き継がせる重点課題を示した。
高市首相は就任会見で2026年度中の防災庁設置を目指す方針を堅持し、準備を進めてきた。現在、前述通り閣議決定、審議入りを果たし、11月に設置を目指す。
一方で、審議入りまでに反対意見もあった。小林鷹之氏は「屋上屋を架すものだ」「新省庁は必要ない」と反対の姿勢を示していた。河野太郎氏は「『防災庁』を作るより、いざというときに必要な人間をオペレーションにスムーズに加える体制が大事だ」と否定的。現在、設置を目指している高市首相も、当初は創設に異を唱えていた。
日本で災害が起きた際、災害の種別により対応も細かく分かれ、省庁横断の調整も複雑で時間がかかっていた。防災庁ができれば、指揮系統を一本化し、各省庁への調整や自衛隊、消防、自治体などへの調整がスムーズになることが期待されている。
閣議から審議まではスムーズに動いた同庁の法案。動向を注視したい。
文/並河悟志 内外タイムス編集部
